銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百二十四訓 とばっちりというものは何時如何なる時にも存在する

「この声、まさか……」

 

 聞き覚えのある声が二人分。

 しかもその声はどう聞いても怒りに染まっている。

 今この場で恐らく現れてはならない――いや、現れるべきではあるのだが、現れたら嵐が巻き起こるのではないかと安易に想像出来てしまう二人組。

 まさしく当事者。

 というか、被害者。

 

「よくもまぁ、こんなことをいけしゃあしゃあとやってのけたわね……しかも暇つぶし感覚で神社倒壊ときた。これはもう何されても文句言えないわよね?」

 

 そこに居たのは、巫女の殻を被った修羅(霊夢)だった。

 そして、修羅がもう一人。

 

「よくもこの地をこんなにも危険に晒しましたわね……しかもその上、自分の欲求を発散させる為だけにここまでのことをするだなんて……美しく残酷にこの大地から往ね!!」

 

 珍しく怒りの感情を剥き出しにした修羅()

 自分の愛する世界が、危うく崩壊する可能性を秘めていたのだ。

 怒らない筈がない。

 

「……総領娘様。反省された方がよろしいかと」

「ちょっと!? これからが面白くなるってものじゃないか! ここで引くだなんて勿体ない!」

「何この戦闘狂。俺関わりたくねぇんだけど……」

 

 天子の反応に、銀時は全力で引いていた。

 彼女の思考回路が、最早愉快犯としての究極的な所まで来てしまっている。改善見込みは恐らくない。

 

「あのBBAが珍しくガチギレしてるアル……」

「小娘も巻き込まれたいか?」

「ごめんなさい」

 

 あまりの凄みに、神楽が折れた。

 それほどまでに紫の怒りは頂点に達している。

 

「面白い……私はこういう戦いがしたかったんだ!! くるがいい!! まとめて相手しようぞ!!」

「上等。叩きのめして神社の修復をしてもらうから!!」

「その後でこの大地から即刻立ち去れ!!」

 

 三人による決戦が始まった。

 恐らく戦力的には霊夢や紫側が圧倒的に有利。

 いくら天子が強い力を持っていたとしても、怒りに染まった彼女達を止めるのは至難の業だろう。

 何せ倒してもゾンビのように起き上がる。

 

「……もう、このまま放置してりゃ勝手に解決するんじゃねえか?」

「そうかもしれないアル。私達の仕事はこれで終わりアルか?」

「後は黙って見守ろうぜ……あの修羅は流石に入り込みたくねぇ」

「私も流石に……」

 

 取り残された三人は、幻想郷における頂上決戦の様子を目の当たりにしている。

 霊夢がとんでもない数の弾幕を張り、紫が境界を開いてそれらの弾幕を至る所へ飛び散らかせて、天子がそれを剣で斬り裂き、避け、自身も弾幕を放って撃ち返す。

 やっていることはそうでもないのに、規模がとんでもないことになっているのだ。

 それこそ、何食わぬ顔で入り込んだら一瞬にして命を刈り取られるレベル。

 

「そっとしておこう……」

「銀ちゃんそれ違う作品の台詞ネ」

 

 神楽のツッコミが銀時にぶつけられた瞬間だった。

 

 

 後日談というか、今回のオチ。

 結局、今回の最終決戦は、予想通り霊夢と紫が勝利した。

 天子は何食わぬ顔で逃走。

 神社の修復を手伝うことなく、その場から消え去ってしまったのだった。

 尚、衣玖に関しても同様。

 異変の当事者及び関係者は、誰一人残らないという悲しい結末。

 そして今神社の修復は誰が行っているのかというと。

 

「何故、俺達が、やらなきゃいけないんだ……」

「仕方ないじゃないですか。依頼で来たんですからきっちり果たさないと」

「報酬ももらえるんだから、さっさと働くネ天パー。そして給料寄越せヨ」

「テメェらもグチグチ言ってねぇで働け」

「アンタも働くのよ天パー。給料出すんだからさっさと直しなさい」

「給料出すのはテメェじゃなくて紫じゃねえか。テメェはただ指示するだけだろ」

「何? アンタ達の給料全額私がかっさらってもいいんだけど?」

「何の権利があって」

「博麗の巫女としての権利だけど?」

「それ強くねぇからな?」

「幻想郷では相当な権力よ」

 

 霊夢は最早言い訳をするつもりはないらしい。

 銀時は溜め息を吐きながら、仕方なく修復を続ける。

 

「銀さーん! ファイトだぜー!」

 

 空からは箒にまたがっている魔理沙が応援している。

 

「テメェも手伝いやがれ魔法使いィイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」

「私は応援してやるぜ!」

「応援なんざいらねぇんだよ!!」

 

 最早魔理沙のそれは単純に邪魔しているだけではないだろうか。

 

「まったく、動きが鈍いぞ銀時」

「って、なんでテメェは平然とここに居やがるヅラぁ!!」

「ヅラじゃない、桂だ!!」

 

 特に手伝うわけでもなく、ただ突っ立っている桂。

 隣では、『がんばれ♡がんばれ♡』と書かれたプラカードを持っているエリザベスが立っていた。

 

「チクショォオオオオオオオオオオオオ!! 完全に俺達の損じゃねえかぁあああああああ!!」

「僕なんて前の話で爆発させられて久しぶりに出たと思ったらこの仕打ちですからねぇええええええええ!!」

 

 男二人分の叫び声が辺り一面に響き渡ったという。

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百二十四訓 とばっちりというものは何時如何なる時にも存在する

 

 




これにて今回のポロリ篇は終了となりますー。
次回からは地霊殿篇!
たぶん東方の異変話は、星蓮船及び非想天則篇まではつづけようかなーと思ってます。
その後は、小話だったり、オリジナルのエピソードだったり、色々あると思います!
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