さて、そうこうしている内に紅魔館に到着した一同。
門番である美鈴は、いつも通り居眠りをしている。
「……zZZ」
「おいコイツ本当に門番として大丈夫なのかよ」
思わず銀時はツッコミを入れていた。
前回のは寝たふりだったが、今回はガチで寝ている。
それだけに、もし主人に見つかったりしたらどうなるか分からない。
「おい、起きやがれ門番」
とりあえず銀時は起こそうとする。
それだけまだ人格者であるということなのかもしれない。
「もう……食べられません……」
「駄目ですね……完全に夢の中です」
新八が呆れた目をしながら呟いた。
もうこうなっては意味がない。
「潔くスルーするアル」
「そうしましょう」
神楽と霊夢の言う通り、パチュリーを背負っている銀時と、新八も後に続いて中に入る。
その途中、後ろから『ギニャァアアアアアアアアアアアア!!』という叫び声が聞こえた気がしたが、銀時一行はスルーすることにした。
そうしてしばらく歩いていく内に、客間が見えてくる。
「あそこに既に魔理沙やアリス達も居るわ。フランは既に銀時待ちよ」
「思えば風神録篇といい、ポロリ篇その伍といい、全然フラン達の出番なかったからな……」
「そういう話ではないと思いますよ? 銀さん。単に会えなくて寂しかっただけだと思いますよ?」
若干メタいことを話しているが、スルーの方向で。
新八は丁寧にツッコミを入れている。律儀なツッコミ眼鏡だ。
そんなわけで銀時は扉を開けた――。
「ギン兄様ぁああああああああああああああ!!」
「あぶぎゃああああああああ!」
開け放った瞬間に銀時の鳩尾にフランがダイナミックエントリー。
勢いを抑えきれず、そのまま後ろへとぶっ飛んで行く。
当然、背負っているパチュリーも巻き込まれる。
「きゃあああああああああああああああ!」
パチュリーはそのまま銀時から離れ、少しした所で地面に落ちる。
べちゃっ、という効果音すら聞こえてきそうな程華麗に顔面から落ちた。
「お、おい……パチェ、大丈夫か?」
これには流石のレミリアも困惑のようだ。
開かれた扉から、レミリアがパチュリーの元へと歩み寄ってくる。
「むきゅ~……」
「せっかくの情報源が気絶したぁああああああああああ!?」
新八のシャウトが響き渡る。
「フラァアアアアアアアアアン!! ちょっと手加減しなきゃ駄目だぜ!?」
慌てて魔理沙が飛び出してきた。
その横にはアリスも溜め息を吐きながら並んでいる。
「ギン兄様に会えなくて、私とってもとっても、寂しかったんだよ? 毎日ギン兄様のことだけを想って過ごしてきたのに……どうしてギン兄様は私に会いに来てくれないんだろうって……でも、信じて待ってなきゃって思って……前の宴会以来、ずーっと会えなくて……フラン寂しかった……」
「悪かったな……俺の方も色々忙しくてな……」
フランを抱きかかえながら、銀時は優しく頭を撫でる。
しかし、当の本人はそれだけでは満足していない様子。
「駄目……足りない……ギン兄様が足りない……もっとぎゅーってして……」
「こ、こうか?」
銀時は抱きしめている腕に力をこめる。
すると、フランは少し息を吐く。
フランの吐息が、銀時の首筋を優しく擽った。
「もっと……もっと……」
「って、これ以上は……」
これ以上密着すると、流石の銀時でも理解出来てしまう程、フランの色んな所が当たってしまう。
同時に、銀時の色んな所も当たってしまう。
当ててるのよ♡展開は流石に望まれてはいないだろう。
「……何よこれ。何なのよこれ。何いきなりいちゃついてるのよ天パーロリコン野郎は」
「ロリコンじゃねえって言ってんだろ!?」
青筋を浮かばせながら、霊夢が若干キレている。
「お、落ち着くんだぜ霊夢! フランだって久しぶりに銀さんに会えたんだから、嬉しくてやってることだと思うんだぜ!?」
「……」
頭では理解しているものの、心では納得し切っていない様子。
霊夢はまだ、自分の気持ちを完全に理解しきれていないのだろう。
「って、誰かパチュリーさんを介抱してあげてください!!!」
この中ではある意味常識人である新八が、パチュリーの容体を気にしていた。
「そ、そうだったぜ! アリス、パチュリーをソファに寝かせるぜ!」
「えぇ……神楽、新八。多分咲夜が門番の所に居る筈だから、呼んできて」
「分かったアル!」
「はい!」
アリスの指示の元、新八と神楽は咲夜を呼びに行く。
「……パチェの方は何とかなるとして」
とりあえず親友の方はなんとかなると確信したレミリアは、銀時とフランの方を振り向く。
「ギン兄様……キス、して……」
「ふぁぁあああああああああああああああ!?」
「あぁあああああああああああああああん!?」
大胆告白のフラン。
驚き仰天の銀時。
怒り頂点のレミリア。
「おいギントキ。流石にそこまでは認められないぞ。姉である私の前で熱烈なキスをしようなどと烏滸がましい。この場で話し合おうじゃないか」
「ぜってぇ話し合う気ねぇよな!? 最早殺気ぶつけてきてんの分かってんぞ!?」
「やかましい!! 私だってフランとキスしたいのよ!!」
「シスコンの叫びなんざ聞きたくねぇっての!!」
フランと密着している銀時と、怒りのあまりに髪の毛が逆立っているレミリア。
「上等じゃない……異変解決の前に、バラバラにしてあげるわよ銀時」
そして何故か怒り心頭の霊夢。
「話が進まないから一旦落ち着くんだぜぇええええええええ!?」
「いい加減になさい!!」
魔理沙とアリスが止めようとするも、全然話を聞く素振りを見せない。
結局、この場が収まるのは、咲夜が来てからのこととなるのだった……。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第百二十七訓 定期的に会うようにしましょう
やりすぎた感があります……。