銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百二十八訓 郷に入っては郷に従う必要がある

 一応なんとかその場は落ち着いたのだが、落ち着いた今でも尚、フランは銀時にしっかりと抱き着いていて離れないままであった。そもそも彼女は銀時に会いたいと願ってやまなかったのだから無理もない話なのだが。

 ちなみに、一応パチュリーは復活している。

 

「酷い目にあった気がする……」

 

 ソファに寝転がりながらパチュリーが呟いていた。

 

「ご、ごめんね……?」

 

 流石に少し罪悪感があるのか、フランは恐る恐るといった形でパチュリーに謝罪の言葉を述べる。銀時にしがみついたままではあるが。

 

「大丈夫よ……貴女がどれだけ銀時に会いたかったのかは知ってるから……」

「優しいですねパチュリーさん……」

 

 新八は感想を述べていた。

 

「とりあえず話の続きをしよう。今の所、何が問題なのかがはっきりしていない以上、現地に調査しに行く必要がある。ただし、その上で条件がある」

「条件? 何だその条件ってのは」

 

 レミリアの言葉に反応したのは銀時だった。

 ただ単に異変の調査をしに行くと言うのに、その上に条件がくっついてくるなんて今まではなかったからだ。

 

「スキマ妖怪に確認を取った所、地底には地底の、地上には地上の、妖怪なりのルールというものがあるようだ。互いに干渉し過ぎるのはよろしくない、ということらしい」

「確かに、妖怪同士の過干渉はよろしくないわね……」

 

 アリスが呟く。

 ちなみに、魔法使いである彼女も妖怪の部類に入る。

 

「だから、今回の異変調査には人間達だけしか赴くことが出来ない、ということだ」

 

 レミリアが結論を述べた。

 

「なる程。つまりテメェらは地底に潜れねぇから、人間である霊夢や魔理沙、そして俺達に調査を依頼するってことだな?」

「私も忘れては困ります」

 

 そう言って咲夜が前に出る。

 

「たまに咲夜は妖怪以上の実力を発揮するから、人間であることを忘れちまうだけだ……悪気はねぇ」

「仕方あるまい。咲夜は私が認めたメイドだからな」

「有り難きお言葉……」

「鼻血出てますからね」

 

 主人に認められたことにより、どうやら感極まったようだ。

 そして新八はツッコミを忘れない。

 

「けど、そうするとどうやって連絡取り合うアルか?」

 

 気になる点はそこにある。

 人間達だけで調査すること自体はそう難しいことではない。

 だが、それだけでは指示を出すことも出来なければ、状況を報告することも難しい。

 しかし、パチュリーは言った。

 

「その点なら安心して。河童に無線機みたいなものを作らせたわ」

「アイツはドラ●もんかよ」

「ちょっとォオオオオオオオオオオ!? 駄目ですよそんな発言したらァアアアアアアアア!!」

 

 危ない発言をむやみやたらと繰り返さないで欲しいものである。

 

「しかし本当にあの河童は何でも出来るアルな……」

「なんでもは出来ない。出来ることだけだろう」

「なんでテメェが若干どこぞの委員長みたいに言ってんだよシスコン」

「そっちの文化にも少しずつ触れてきているからな」

「よりによってオタク文化に手を出してるよこの人」

 

 胸を張るレミリアに対して、新八が冷静にツッコミを入れた。

 

「……ねぇ」

 

 ここで、フランが口を開く。

 銀時の腕をぎゅーっと抱きしめながら。

 

「もしかして……私、お留守番?」

 

 そう。

 ようやっと会えたと言うのに、今回の異変調査に向けた話の条件に則るならば、吸血鬼であるフランも地底には降りられないということになる。

 つまり、銀時と離れてしまうということに。

 

「……すまない、フラン。そういうことに……」

「やだ……せっかくギン兄様に会えたのに……まだまだギン兄様が足りないのに……っ」

 

 頭では理解していても、心では納得し切れていない。

 彼女の精神はまだ幼い。

 やっと会えた愛する人と、すぐまた離れ離れにならなければならない。

 その状況がたまらなく辛いのだ。

 

「……なるべく早く帰ってくるからよ。それまで待っててくれねぇか?」

「ギン兄様……でも……」

 

 頭を撫でながら、フランを宥める銀時。

 フランは何か言いたげな表情を浮かべている。

 

「じゃあ、約束だ。帰ってきたら、テメェがしてぇこと、一日限り叶えてやるよ」

「本当……? なんでもいいの……?」

「人間辞めるようなもの以外なら何でもいい」

 

 そこまで銀時が言うと、フランは大人しく銀時から離れた。

 そして笑顔で、

 

「分かった、約束! ギン兄様、約束守ってね?」

「あぁ、約束だ」

 

 不敵な笑みを浮かべつつ、銀時はその言葉を了承した。

 

「つーわけだ。ちゃっちゃと異変調査して、さっさとけーるぞ」

「まったく……自分がやる気ないだけじゃないですか?」

「ちゃんと仕事しろヨ、天パー」

「けど、なんだか私も燃えてきたぜ!」

「御嬢様方の為、私も全力を尽くします」

「そうね……神社に温泉出してくれたこと、お礼言わなきゃならないしね」

「「「「「アンタだけ温泉かよ!!」」」」」

 

 人間組五人のツッコミが、霊夢にぶつけられた瞬間だった。

 

 兎にも角にも、これから彼女達による異変調査が始まろうとしていた――。

 

 

 

 

 

 

 

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