銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百二十九訓 上から降ってくる少女は大抵可愛い

 そんなわけで、銀時達一向は地底へ潜ることとなった。

 潜り方は実に単純で、間欠泉状態となっている場所から飛び降りるという簡単な作業だ。

 ただし、飛べる人のみだが。

 

「仕方ねぇぜ……こうなったら、私達で銀さん達を担いでいくしか方法はないぜ。このまま突き落すと絶対死んじまうから危ないぜ……」

 

 最初の問題。

 銀時達が空を飛べないせいで、このまま落ちたら死に至るというもの。

 

「いや、待って……もっと単純な方法があるわ」

「え?」

 

 霊夢の呟きに対して、銀時が反応する。

 それを無視して、霊夢は何もない空間に向かって、

 

「いるんでしょう? 紫」

 

 八雲紫のことを呼んだ。

 瞬間、何もない所からスキマが現れて、扇子を広げた一人の絶世の美女が現れた。

 

「私は便利屋ではありませんのよ……? けど、今回ばかりはお役に立てるようですわね」

「出たナBBA」

「あん? ひとっ走り付き合うか?」

「いきなり喧嘩売らないで神楽ちゃん!! 今これから助けてもらう所なんだから!!」

 

 こんな時でも喧嘩を売るのを忘れない神楽。

 お約束という奴である。

 

「銀時様達が空を飛べないので、このまま行くと間違いなく危険ですから……地底の入口までスキマを開けて欲しいのです」

 

 咲夜が依頼をする。

 紫は分かり切っていたような表情を浮かべると、

 

「せっかく依頼するのですから、滞りなくこなせるようにしなければいけませんわね……」

 

 そう言いつつ、銀時達が立っている地面を、切り裂いた。

 

「「「え?」」」

 

 当然、何の準備もしていなかった銀時達は、目を大きく見開く。

 霊夢・咲夜の二人は溜め息をつき、魔理沙はにこにこと笑顔を見せていた。

 

「これでよろしいですわね?」

「サンキュー!」

「「「って、全然よくねぇえええええええええええええええ!!!」」」

 

 結局、大きな穴に落ちるか、スキマに落ちるか。

 どの道落ちることには変わりない三人なのであった……。

 

 

「ふぎゃっ!」

「あぐっ!」

「ほわちゃっ!」

 

 銀時・新八・神楽の三人は、尻から下に落ちる。

 スキマのおかげですぐ地面に到達したおかげで、ほぼ無傷で降りることが出来た。

 

「よかったじゃない。無事降りられて」

 

 その上から、霊夢と魔理沙と咲夜の三人も降りてくる。

 彼女達は能力で宙を浮いている為、こうして無事に降りることが出来た。

 

「確かに、そのまま墜落するよかマシだったけどよ……いっちばん最初を思い出しちまったぜ」

 

 かなり序盤の、紅霧異変発生時。

 銀時が初めて幻想郷に降り立った日。あの時も今みたいに、紫が開いたスキマから落ちて、そのまま地面に落下した。その時から比べてみればまだ優しい方であることには変わりない。

 とにかく、地底にやってきた一同は、一度周りを見渡した。

 地底と呼ぶのにふさわしく、周りには灯りらしきものはほとんど見受けられない。

 一応、そこにある街に行けるだけの道は存在する為、銀時達はその道を歩くことにした。

 

「地下にある街ねぇ……なんだか吉原みてぇだな」

 

 銀時達の世界にも、地下に作られた街、吉原が存在する。

 ただし、ここは人工的に作られた場所ではない。

 

「吉原……どんな街なのですか?」

 

 咲夜が興味本位で尋ねる。

 

「女がたくさんいる街だ。遊びの為の街とも言える」

「単なる飲み屋だけが並んでいるわけじゃなさそうね……」

 

 銀時の口ぶりより、吉原がどんな街なのか軽く想像がついた霊夢。

 そんな雑談を交えること、数分が経過した時。

 

「……ん?」

 

 銀時は、ふと立ち止まった。

 

「どうしたアルか?」

 

 神楽が尋ねる。

 銀時は辺りを見渡しながら、

 

「気配だ。何かの気配を感じる……」

「……そうね。私達を見ているみたい」

 

 霊夢も気付いたらしく、辺りを警戒している。

 

「早速敵のお出ましか? 私の弾幕をお披露目する時が来たみたいだぜ」

 

 何故か魔理沙はわくわくしている様子。

 弾幕を放つことには生きがいを感じている模様。

 

「……」

 

 咲夜は無言でナイフを握りしめる。

 新八や神楽も、辺りを警戒していた。

 そうしていること、数分。

 

「……っ!!」

 

 銀時の目の前に、木製の桶が落ちてきた。

 

「えっ……?」

 

 しかもその中には、一人の女の子が入っていた。

 緑色のツインテール、水色と白の玉が二つ付いた髪留め、白い着流しを羽織った幼い少女。

 そんな少女が、銀時の目をジッと見つめていた。

 

「おん、なのこ……?」

 

 新八はきょとんとしている。

 

「何でしょう……?」

 

 咲夜も不思議そうに眺めている。

 

「あ、あの……何か御用でしょうか……?」

 

 おずおずと尋ねてきたのは少女の方だった。

 銀時はきょとんとしながら、

 

「いや、俺達地上から来たんだけどよ……突然温泉湧き出たもんだから、なんでかなぁ……なんでかなぁ……って思って……こわいなぁ、こわいなぁ……って思って……調べに来たんですよ……そしたら……なんと……小さな女の子が……ぼわぁあああああ! って……」

「なんでアンタが稲●さんみたいに喋ってんだよ!?」

 

 律儀に新八はツッコミを入れた。

 

「……あの、私……キスメって言います。貴方達は……?」

 

 少女――キスメは、銀時達を見渡しながら尋ねる。

 一通り彼らは自己紹介をした後で、

 

「地底について一番詳しいのは誰?」

 

 と、霊夢が尋ねた。

 するとキスメは少し考えた後、

 

「たぶん、旧都に行けば地霊殿の主様の所に辿り着くと思います……ここを真っ直ぐ進めば大丈夫です」

「そう。ありがとう」

 

 そのまま何事もなかったかのように霊夢は歩きはじめる。

 

「……どうかご無事でー」

 

 キスメも、何事もなかったかのように見送る。

 一体何だったのだろう、と思わざるを得なかった銀時達だった。

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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