先に動いたのはお空だった。
彼女は右腕に装着した制御棒を左手で抑えて、
「まずはお手並み拝見……核熱『ニュークリアフュージョン』!」
まるでそれが小手調べかのように、攻撃を繰り出した。
制御棒の先から放出されたのは、無数の小さな弾。更に、ある程度までそれらが放出されると、先端部分が鋭く光、空気を破壊するかのごとく轟音が響き渡った。瞬間、人の身体を優に包み込んでしまえるほど大きな弾が、何発も放たれる。
「火力勝負なら負けないぜ!!」
前に出たのは魔理沙だった。
彼女はミニ八卦炉を手にし、そして。
「恋符『マスタースパーク』!!」
自身が愛用するスペルカードにて相殺を図る。
八卦炉より放出される極太レーザーは、相手の弾幕を飲み込まんとその威力を存分に発揮する。やがて両者の攻撃が完全に相殺された時、
「ホワタァ!!」
その攻撃の隙をついて、神楽がお空に対して蹴りを放った。
お空はそれを制御棒で防ぎ、そのまま左足をもって蹴りを放つ。神楽の両手が掴み、
「ふんぬおおおおおおおおおおおおおお!!」
そのまま横にフルスイング。
お空の身体は神楽によってぶん回され、そのまま両手は離された。
「おまちどおさん。フルスイングでかっ飛ばしてやるよ!!」
「ホームラン狙いですね!!」
その先に待ち受けていたのは、木刀を構えた銀時と新八。
しかし、お空もただでは攻撃を喰らわない。
「甘いよ!」
投げ飛ばされたお空は、そのまま制御棒の先端を銀時と新八に向ける。
「そんなに打ちたきゃ打つといいよ! 代わりに私も特大な物を撃ってやるよ!!」
先端部分にどんどん光が宿っていく。どんどん力が集まっていき、赤みを帯びた白い超特大弾と化する。
「爆符『メガフレア』!」
放たれた弾は、銀時達目掛けて勢いを増していく。当然、それらは銀時や新八に当たると思われたが、
「……え?」
気付いた時には、二人の姿は既にそこから消えていた。お空より放たれた弾はマグマの中へと消え去っていく。
「何処へ……!?」
慌ててお空は辺りを見渡す。
そして気付く。
既に自分の周囲に大量の弾幕とナイフがばら撒かれていたことに。
「霊符『夢想封印』」
「幻在『ジャック・ザ・ルビドレ』」
お空の攻撃が放たれた瞬間に、咲夜は自身の能力を使って時を止めたのだ。静止した時間の中で、咲夜はナイフをばら撒いた。そして彼女の思惑を察した霊夢が、時を止められる前に自身の弾幕を張り巡らせたのだ。彼女達の息が合ったコンビネーション攻撃。
「うらぁあああああああああああああ!!」
お空は力任せに制御棒を地面に叩きつける。そのまま空中に自分の身を投げ出して、宙を舞う。叩きつけた際に飛び散った地面の破片は、霊夢と咲夜の弾幕を打ち消した。
窮地を脱したと思われたお空だが、ここであることに気付く。
先程の攻撃は、おそらく咲夜が時を止めて二人をどこかへ避難させた事で避けたはず。ならば、その二人は一体どこへ行った?
「「ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」」
「!?」
真上から聞こえてくる二人の叫び。そう、咲夜によって二人は、お空の死角へと移動させられていたのだ。
反応が少し遅れたお空は、何とかして自身の腕を前に突き出すことで防御する。
ガキン! という音が周囲に響き渡った。
「焔星『フィクストスター』!」
すかさずお空も反撃する。
自身の周囲に六つの惑星を模った弾幕を張り、更に小さな弾幕を全方位に張り巡らせる。
銀時と新八は、自身のすぐ近くに来た弾幕を叩き斬った。その後で地面に着地。お空との距離を取る。
「やるじゃねえか。テメェもなかなかセンス輝いてるぜ」
「貴方達こそなかなか強いね! 初手で終わると思ったのに楽しくなってきたよ!」
「こりゃ遊びじゃねえんだぜ? テメェが参ったと言うまでとまらねぇけど、いいんだな?」
「そうでなくちゃ困る! この力を存分に発揮したいからね!」
「私の、と言えねぇ辺り、まだ制御しきれてねぇんだな?」
「へっ! これからしてやるさ! 楽しみにしておきな!」
お空はまだ、授かった力を自分のものにしきれていない。だからこそ、銀時達はまだ攻めきれる。
しかし、彼女の持つ能力は核融合を扱うもの。もしその能力が完璧のものとなったら、並大抵の攻撃では太刀打ち出来なくなる。
故に、この戦いは時間をかけられない。
それこそ、短時間で決着をつけなければ、負けが確定する。
「いくゼェエエエエエ! テメェラァアアアアアア!!」
再度銀時は叫び出し、全身に力を入れた。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第百三十八訓 やはり核融合の力は恐ろしい
戦闘はまだまだ続きます!