銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百四十訓 おはなしはとても大切な文化

 地霊殿灼熱地獄跡にて戦闘が繰り広げられていたのとほぼ同時刻。地上においてもとある動きがあった。

 場所は妖怪の山。その中にある守矢神社。

 

「しかしなぁ、まさか貴女が渡した力が博麗神社に間欠泉を生むことになるなんて思いもしなかったなー」

「当初の目的とは少しずれたけど、結果的に幻想郷における産業革命を引き起こすトリガーにはなったわね」

「まったく相変わらず考えるよねー。博麗神社の乗っ取りが出来なかったのなら、新たな視点に立って物理的に実験を握ろうなんてさー」

「野望は潰えたわけではなかったからね。まさか怨霊まで出てくるとは思わなかったけど……」

 

「あらあら、なかなかに聞き捨てならない会話をされておりますわね」

 

 その二人──諏訪子と神奈子の会話がなされていた間を割るように、スキマより現れたのは……。

 

「八雲紫!? どうしてこんなところにいるのかしら……?」

「相変わらず心臓に悪い登場の仕方するねぇ……」

 

 神奈子と諏訪子もびっくりな登場の仕方。確かに何もない空間からいきなり人が一人現れてきたら誰だってびっくりすることだろう。

 

「それにしてもいきなりどうしたのかしら? ゆっくり話をしにきた……というわけではなさそうだけど」

 

 神奈子は冷静に尋ねる。

 それに対して紫は、満面の笑みを浮かべつつこう告げる。

 

「そんなことありませんわ? 貴女方とゆっくりお話がしたくてこちらに参ったのですわ……今回の、地底にいる者に対して貴女方が力を授けた件について」

「あちゃー……勘付かれちゃってたかー」

 

 諏訪子が残念そうにしていた。

 神奈子も、流石に観念したようだ。

 

「地底を訪れている霊夢達から既に言質はとっておりますわ。関係者および犯人からの情報提供なので、確実性はありますわ」

「つまり、もう言い逃れは出来ない、と?」

「そういうことになりますわね」

 

 神奈子の言葉に対して、紫はにこっと微笑んだ。

 そして、この笑みを見た諏訪子と神奈子は思った。

 

 怒らせてはいけない人物を怒らせてしまった、と。

 

「さて、まずは、ゆっくりと、O☆HA☆NA☆SHIをしましょう? 何分時間はたっぷりあるのですから……」

「「お手柔らかにお願いします……」」

「保障は出来ませんが、善処致します♡」

「絶対しないやつじゃんか……」

 

 その日、守矢神社からは、普段は聞くことの出来ないような叫び声が響き渡ったという……。

 

 

 時間は少し進み、銀時達が異変を解決へと導いた次の日のこと。

 戦闘の疲れが溜まっていたことと、既に時刻も遅くなっていたこともあり、銀時達は地霊殿にて一晩過ごすこととなった。

 寝室に入り、男女別で寝ることとなった銀時達。即ち、本来銀時がいる場所には新八を含めて二人しかいないはずなのだ。

 だというのに。

 

「………………何か、いる」

 

 気配を感じる。

 一人分余計に、人の気配が感じ取れるのだ。

 しかもその上、銀時が寝ている布団には、明らかに一人分余計に膨らんでいる。胸元には何者かが抱きついているような感触さえ感じられるのだ。

 そこで銀時は少し考える。

 いくら寝ている時とはいえ、多少の物音が聞こえてきたとしたら普通気付くだろう。しかし、ここに来た者は誰にも気付かれず、当然寝ている銀時に気付かれることもなく、この場所まで到達することが出来た。これが出来そうな人物は一人しか考えられない。

 

「ったく……そんな安心しきった表情で寝やがって……」

 

 布団をゆっくりと剥ぎ取り、そこに寝ている人物──こいしの頭を優しく撫でながら、銀時は呟く。

 彼女の能力、『無意識を操る程度の能力』ならば、この場所に誰にも気付かれずにたどり着くのも容易だろう。

 

「んっ……」

 

 撫でられるのが少しくすぐったかったのか、こいしは薄っすらと目を開ける。

 

「わりぃ、起こしちまったか?」

「おにいさん……」

 

 こいしは銀時の顔をじっと見つめる。

 その後で、不安そうな表情を浮かべながら、

 

「おにいさんは……わたしのこと、みえてる?」

「何言ってんだ? そこにはっきりといるじゃねえか。銀さんの目はまだ老眼になってねぇからはっきり見えてんぞ」

 

 銀時からしたらなんてことのない答え。

 しかし、こいしからしてみたら、その返答はとても大切なもの。

 

「おにいさん……こいしのこと、ちゃんとみててね……?」

「……ああ。わかった」

 

 何かを悟った銀時は、頭を優しく撫でながら答える。

 こいしは気持ちよさそうに身を委ね、それからまた夢の中へと戻っていった。

 

「……こいつぁ、あいつに事情聞いた方がいいのかもしれねぇな」

 

 こいしの頭を撫でつつ、銀時は呟く。

 異変は確かに解決した。

 しかし、地霊殿においてまだ残されていることはいくつかある。

 それらを解決するためにも、彼はまだ動く必要があるのかもしれない。

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百四十訓 おはなしはとても大切な文化




気付けばこの小説も140話になってました……。
というわけで、告知します!!

銀色幻想狂想曲の人気キャラ投票を行いたいです!!
投票方法ですが、作者である私こと風並将吾宛にメッセージを送ってください!
キャラの条件は、地霊殿篇までに登場したキャラです!
銀魂キャラでも、東方キャラでも、どちらでも構いません!
期限は一応、7月15日までを予定しております。

どうか何卒ご協力ください……。
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