「なんか色々おかしな手紙が来てるんだけど、ギン兄様しっかり説明して!!」
フランとしては、あれらの手紙が嘘であると思いたいのだ。なので安心する為にも、銀時の言葉を聞こうとここまで乗り込んできたということだろう。
強ち、霊夢が最初に言っていた『紅魔館2ndGに居るからその内来るのでは?』という言葉は嘘ではなかったようだ。
銀時はフランの頭を乱暴に撫でまわしながら、
「あれは暴走した奴らが勝手にやったことだ。俺としちゃ迷惑なんだよ……安心しろ、フランが思っているようなことはあり得ねぇから」
「ふにゅっ」
銀時がそう言いながら頭を撫でると、すぐにフランは大人しくなる。
本当に、銀時の言うことなら何でも聞いてしまう女の子である。
その内、銀時が前を向けと言ったら本当に前を向く程従順になるのではないだろうかと思われる程だった。
「新八。通報する準備しておくアル」
「大丈夫だよ。けど、土方さんはミツバさんの所に行ってそうだから、今回は沖田さん辺りに……」
「何テメェら通報しようとしてんだ。何テメェら盛大に勘違いしてんだこの野郎」
「どうしたのお兄さんー? もしかしてお兄さんって『ろりこん』ってやつなのー?」
こいしがとんでもない爆弾を投下していた。
「こいしそれ誰から教わったんだ」
「えっとね、サングラスかけた男の人だよー?」
「長谷川さぁああああああああああん!! 幼気な女の子に何教えてやがるんだァアアアアアアアアア!!」
まさかの人物に流石の銀時も困惑である。
「その後、えっと、確か……『しょうちゃん』っていう人が、『ろりこん』とは一体どんなものなのだ? って興味深く聞いてたよ?」
「将軍かよォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
そして何故か将軍である茂茂にまで影響が及んでいた。
まさにカオスな状況である。
ちなみに、今の事実を暴露したのはフランである。
そしてフランとこいしは今、何故か自然と銀時の膝の上に座っていた。
「って、何平然と受け入れてやがるんだよこの天パーロリコン覗き魔侍が」
「おい霊夢。天パー以外ほぼすべて誤解だから青筋立てんじゃねえよ。こんな所で弾幕なんて撃ってみろ? 下に居るババアが地獄の果てまで追いかけてくるぞ」
「「お登勢さんならやりかねない……」」
「え、あの人そんなにやばいの?」
新八と神楽が肯定したことにより、霊夢の中でのお登勢のイメージがかなり怖い物と化した瞬間だった。実際本当にやりかねないので対処に困るところである。
「お兄さんに抱き着いているとなんだか安心するねー」
「でしょ? でもね? ギン兄様は私の家族でもあるんだよ?」
「こいしのお兄さんなのだー」
「フランとこいしのギン兄様だね!」
「ちょっと? 何二人で勝手に銀さんの所有権握りしめてんの? テメェらの姉貴に俺ぶちのめされるかもしれねぇんだけど?」
「なんなら今からレミリアとさとりを呼んでこようかしら? あることないこと吹き込めば、きっと協力してくれるわよね……」
「テメェは何の恨みがあってそんなひでぇことしようとしてやがるんだコノヤロォオオオオオオオオオオ!!」
完全に逆恨みで、かつ、嫉妬であるのだが、銀時は知る由もない。
彼はこういう時に限って鈍感な男である。
一体何処のラブコメ主人公なのだろうか。
「とりあえず、早苗と輝夜の所には、『然るべき措置を取るので覚悟しておいてください』と手紙送っておいてくれ。そして俺はしばらくどっかに逃げる」
「完全に報復から逃れる気満々じゃない……」
ある意味ではリスクマネジメントがしっかりしていると言えなくもない。
「あ、それなら今から紅魔館2ndGに行こうよ!」
ここでフランがそんな提案をしてきた。
「せかんどじー?」
この中でこいしだけがその存在を知らなかった。
なのでキョトンとした表情を浮かべながら尋ねてくる。
「フランちゃんの別荘みたいなところだよ?」
「こっちの世界にも家建てちまったんだよ、フランの姉はな」
「お金持ちだー!」
こいしは驚いている。
確かに、二つの世界に家があるなんて普通では考えられないだろう。
しかも今回は、既に紅魔館の住人は2ndGに全員来ているという。
「ま、せっかくだからマダオの仕事ぶりでも見定めてやるアル」
「神楽ちゃんは一体どの目線で長谷川さんを分析しようとしているの……?」
思わず新八がツッコミを入れたがスルーされる。
「つーわけで、早速移動するとするか」
「そうね。私としても久々に行くから楽しみだわ」
こうして、銀時達は紅魔館2ndGへ向かうこととなった。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第百五十一訓 説明はきちんとしましょう