『第一回 人気キャラ投票反省会』
「「「……は???」」」
三人分の声が重なる。中に入った瞬間に銀時達を待ち受けていたのは、なんとも情けなさすぎる横断幕だった。人気キャラ投票までならまださまざまな創作物で執り行われることなので十分理解出来る。しかし、そこに何故か加わっているのは『反省会』という言葉。一体全体何を意味するのかがさっぱりなのである。
「待ちわびたぞギントキ、霊夢。主役が登場しないとやっぱり締まらないからな」
声をかけてきたのは、なぜか蝶ネクタイをつけているレミリア。
「なんでお前蝶ネクタイつけてんの?」
すかさず銀時が尋ねる。
「今回の司会を任されているからな。ちなみに、咲夜は参加者側だから準備等は何もさせないようにしている」
「うっ……わ、私にも何かお手伝いを……」
「駄目だ。今日は客側なのだから、客に準備させるわけにもいかないだろう?」
「ご、ご勘弁を……」
メイドとしての仕事を剥奪されて身体がぷるぷる震えている咲夜と、そんな彼女を見ながら笑っているレミリア。
そして、中では長谷川と小悪魔、パチュリーに、屋敷に住まう妖精達がせっせと準備をしていた。
更に、
「……なぜ、私もここに呼ばれているのでしょうか?」
何故か椅子に座らされている妖夢の姿があった。
「あれ? 妖夢か?」
「銀時さん! これは一体何なのでしょう?」
「俺が聞きてぇところだわ……」
ある意味カオスな状況。
この光景を見ている彼等は、なんとも言えない気持ちになっていることだろう。
「何だか楽しそうなお家だなー」
「でしょ? でもいつもはこんなことしてないけどね……」
感動しているこいしに反応したフランだったが、そのフランもまた、今の状況を理解していない。何せ暑中見舞いを見て銀時達のところに向かってからそう時間が経っていない筈なのに、戻ってみればこんな感じになっていたのだから。
「さて、これで参加者は出揃ったわね。それじゃあ始めるわよ……第一回人気キャラ投票反省会」
どうやら参加者はここにいる全員のようだ。
レミリアが神妙な面持ちで前に立ち、会の進行を務める。
「まず、貴方達に聞きたいのだけれど、この小説では人気キャラ投票が行われてたのは知ってるか?」
冒頭でレミリアが伝えるのは、人気キャラ投票の存在について。
「ええ。一応知ってるわよ。なんかキャラ投票やってるなーって認識なら私にもあったわ」
「銀魂本編でもやっていたからな。そんでまた醜い争いが始まるのかと思ったぜ」
「新八は万年八位アル」
「今それを言う必要ある!?」
銀魂における新八の投票順位の奇跡さは、登場人物なら大抵認知している。最早印象操作でもされているのではないかと思われるほどの素晴らしさ。
「で、今回集まった票数なのだが……」
レミリアはそこで一度溜める。
そして……。
「四票!!!!」
「すくねぇ!?」
流石に銀時もツッコミせざるを得ないようだ。
「そして、もうこんだけしか票入ってないし、入ったやつは自動的に一位になる結果だったので、もう一気に発表してしまうからよく見ておけ」
「おい進行適当になってんぞ」
一位
・十六夜咲夜
・魂魄妖夢
・坂田銀時
・博麗霊夢
以上。
「と、言うわけで一応なんとか主人公としての体裁を保たれた二人だ。そして妖夢と咲夜はよく拮抗した」
「な、なんか素直に喜べないのですが……」
「入れてもらえただけありがたいと思うことに致しましょう……」
妖夢と咲夜の二人はどこか釈然としていない様子だったが、今回に関しては入っているだけありがたい話なので。
「ギン兄様おめでとう!」
「さすがお兄さん!」
銀時はフランとこいしに祝福されている。
しかし、これもし彼に票が入っていなかったとしたら、主人公としての面子が丸潰れだったのではないだろうか。
「というわけで、作者はもっと投票関係をする時は分かりやすく説明し、宣伝すること。以上反省会終わり」
「だから適当すぎんだろ進行」
結局最後までこんな感じでやる気のない進行となったのだった。
尚、本来ならば人気投票篇をやろうとしたのだが、今回たった四票を奪い合う醜い争いになり兼ねない為、カットの方向で。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第百五十四訓 悲しい結果に終わったとしても一応結果は報告しなければならない
と、言うわけで先日行われた人気投票の結果でした!!