銀時達の宝船捜索は続いていた。魔理沙が後を追っている為その結果を待つのでも良かったのだが、それ以上に気になっているのは木片へと姿を変えたUFOだった。いくら常識に囚われてはいけない幻想郷でも、UFOとなると余程珍しいことになる。その真相を解明せずにはいられないということだ。
「結構ありますね、このUFO……」
早苗がポツリと呟く。
そう。これが意外にも様々なところに散らばっている。
「そうだなぁ。この調子でいけば、たとえ火の中水の中草の中森の中、土の中あの子のスカートの中にありそうだな」
「なに有名なアニメのOPから引っ張り出して来てるんですか!? 第一あの子って誰だよ!? スカートの中にUFOがあるわけねぇだろ!!」
「何言ってるアルか新八。女の身体は不思議でいっぱいヨ。宇宙みたいなものネ」
「その解釈はあまりにも適当すぎるだろうが!!」
相変わらず騒がしい万事屋三人であった。
ちなみに、桂は桂で辺りを見渡している。
「しかし、これ集めるのに本当に意味なんてあるんでしょうか……?」
「何言ってるのよ眼鏡。関係あるに決まってるわ。私の勘がそう告げているんだから間違いないわよ」
何故か妙に自信満々な霊夢。確かに、霊夢の勘はよく当たる。それこそ主人公補正を疑われるレベルでほぼ百%正解へと導かれるのだ。実際、今まで幻想郷に登場していなかった二つなので、何かしらの形で関与していることを疑うのは間違いではないのだろう。
そんな時だった。
「ちょっとー! 聞きたいことがあるんだけどー」
『む?』
声に最初に反応したのはエリザベスだった。
その後で一同は声のした方を振り向く。
そこに居たのは、一人の少女だった。クセのあるダークグレーのセミロングに、真紅の瞳。頭に丸みを帯びたねずみの耳が生えており、腰のあたりからはねずみの尻尾が生えている。黒のセミロングスカートは、先の方が規則的に切り抜かれているデザインだ。肩には水色のケープ、首からはペンデュラムを下げていた。
何より特徴的なのは、彼女が手にしている二本のロッドだ。それは『』の形をとっており、先端がW.N.E.Sの形をしていた。まるでそれは、ダウジングマシンのようだった。そしてそれは、霊夢達の方向で反応していた。
「私はナズーリンって言うんだけど、さっきから私の持ってるこれが反応してるんだよねぇ……君達、ここいらでは見ない顔ぶればかりだよね? 博麗の巫女と守矢の巫女は何となくわかるんだけど……特にわからないのは……そこの着ぐるみ?」
ナズーリンにとって、銀時達を目撃するのは初めてのことなのだろう。更に言えば、エリザベスを目撃するのは本当に貴重な体験なのかもしれない。
『ぬいぐるみではない。エリザベスだ!』
「なんか桂さんみたいな反応になってますよエリザベス」
恐らく桂の言い回しを真似ているのだろうことに新八は気づいて、思わずツッコミを入れていた。
「エリザベスがどうかしたのか?」
当然、自分の相棒とも言える存在に興味を示すナズーリンに対して、疑問の言葉を投げかける桂。しかし、ナズーリンは、
「いや、別に君に興味があるわけじゃないんだけどさ……うーん、つまりそれが貴重だから反応したのかな……」
「何か探し物をされているのですか?」
早苗が尋ねる。
「飛倉の破片を探してるんだ。もうかたっぽの目的は、さっき古道具屋で見つけて買い取ったんだけど……かなりぼったくられた……」
「何してんのよあの店主……」
幻想郷において古道具屋というと、大体の確率で香霖堂が選択肢として上がる。大体珍しいものを集めていて、かつ、それを売り物として提供しているとなると、彼の店が出てくるからだ。それにしてもなかなかのやり手である。
「んー……人間だからヒットしたのかな……それともあの謎の生命体……? 人間はレア度ゼロだから集めても意味ないし……」
何かブツブツと呟いているナズーリン。やがてひとしきり考えた後、
「んー、とりあえず目当ての物もなさそうだし、とりあえずいいや! じゃ、私はこれで!」
そう告げると、ナズーリンはその場から立ち去ってしまった。
「飛倉の破片ねぇ……」
銀時はポツリと呟く。
「まさか、この木片のことでしょうか?」
早苗が一つの可能性を提示する。確かに、言われてみれば破片と言われてもおかしくはない。
「何にせよ、これを探す人がいるとなると、何かしら宝船に関わる情報が得られそうね……もっとたくさん集めるわよ!」
「捜索隊の出動だな!」
『探しまくるぞ!』
「ヅラも妙にやる気だな……」
「ヅラじゃない、桂だ」
兎にも角にも、銀時達の捜索活動は続く。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第百五十八訓 ありったけの破片をかき集めて探し物を探しに行く