銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百六十三訓 頑固な親父の拳は痛い

 先陣を切ったのは魔理沙だった。彼女はほぼ一発で決着をつけるためにも、火力勝負で戦いを挑んだのだ。

 

「星符『ドラゴンメテオ』!」

 

 彼女から放たれるは超極太レーザー。大抵の相手ならばこれだけですぐ吹き飛んでしまうもの。しかし、地の利においても戦闘技術においても、彼女の……いや、一輪と雲山のコンビの方が一枚上手。

 彼女は雲山の上に乗り、そのまま上昇。そして真上から雲山の手を伸ばし、

 

「拳符『天網サンドバッグ』!」

 

 そのまま地面に叩きつけた。叩きつけられた雲山の拳はまるで鉄のように硬く、魔理沙が放ったレーザーを何処か別の所へと弾き飛ばす。だが、攻撃はそれだけではない。

 

「なっ……!?」

「真上から大量の弾幕が!?」

 

 それはまるで無数に降り注ぐ雷のよう。或いは容赦なく襲いかかる鋭利な雹であろうか。無数の弾幕が天より降り注ぎ、霊夢達を容赦なく襲う。

 

「旋風『鳥居つむじ風』!」

 

 雲によって生み出された弾幕を、風の力で吹き飛ばす。だが、この風はただ単に相手の弾幕を吹き飛ばすために生み出されたものではない。

 

「準備『神風を喚ぶ星の儀式』」

 

 ポツリと早苗が呟く。彼女を中心にして、星が飛んでいく。赤い星と青い星。それらは文によって放たれた二筋の竜巻に乗って一輪と雲山目掛けて放たれる。

 

「甘いです!」

 

 一輪と雲山は構える。すると、雲山の身体が分裂して、二つになる。分かれた雲山は一輪の両隣へと移動し、その目にはどんどん光が集まっていく。

 

「やばい……っ!」

 

 咄嗟に、魔理沙はミニ八卦炉を突き出して力を貯める。霊夢もまた、札を前に突き出して前に立つ。

 

「忿怒『空前絶後大目玉焼き』!!」

「スターダストミサイル!」

「夢符『封魔陣』!」

 

 二対の雲山より放たれたのは極太の光線だった。先に魔理沙の放ったレーザーにより一筋が打ち消され、襲いかかるもう一つのレーザーを、霊夢が作り出した札型の弾幕によって打ち消した。

 

「やりますね……なら……っ!」

 

 分裂していた雲山の身体が一つになり、一輪もまた次なる攻撃を繰り出そうとしていた、その時。

 

「これで準備が整いました……神の風を巻き起こす為の準備が」

「神の……風?」

 

 早苗の言葉に、思わず一輪は聞き返してしまう。

 構わず、早苗は目を閉じる。右手に持つ札を天に掲げた彼女の周りには、次第に弾幕が集まっていく。間も無く彼女の周りに弾幕が満たされると、

 

「奇跡『神の風』!」

 

 東風谷早苗によって生み出された奇跡の結晶が、一輪と雲山目掛けて襲いかかった。

 

「くっ……拳骨『天空鉄槌落とし』!」

 

 せめてもの抵抗なのか、早苗めがけて雲山の拳を振り下ろす。弾幕を放った後で隙が出来てしまっている彼女に、これを止める術はない。しかしそれは一輪も同じ。早苗の弾幕をその身に受けるしか術はなく──。

 

「「……え?」」

 

 その二人に、攻撃が届くことはなかった。

 

「……、おい、雲の旦那。俺たちの勝ちってことでいいんだな?」

「…………」

 

 木刀で攻撃を止めた銀時と、自らの拳で早苗の弾幕を打ち消した雲山。銀時は勝ち誇ったような表情を見せ、雲山はただその言葉に頷いた。

 その様子を見て、一輪は悟る。

 

 自分が負けたという事実を。

 

「……完敗しました。お強いんですね」

 

 一輪と雲山は、完全に攻撃態勢を解いていた。それを見て霊夢達も霊夢達も警戒を解く。

 

「伊達に異変乗り越えちゃいないからね……それで、どういうことなのか説明してくれるわよね?」

「……わかりました。貴方達が持っているそれが一体何なのか。そしてこの船が一体何なのか。私達の目的も含めて説明させて頂きます」

 

 そうして一輪は語り始める。

 彼女より語られたのは以下の通りだ。

 この船は宝船ではなく、『聖輦船』と呼ばれる船である。そして彼女達の目的は、その船で魔界へ行き、『聖白蓮』と呼ばれる人物の封印を解くこと。そして霊夢達が道中で手に入れていた木片こそ『飛倉の破片』であり、その人物の復活に必要なものであったということ。

 これらを聞いた霊夢は『宝船ではなかったのね……』と少し悲しそうに呟いていた。

 

「つまり、雲居殿達はその為に幻想郷を船で駆け巡っていた、ということなのだな?」

「はい。だから宝船とかそういった噂が出回ったのかもしれませんね」

 

 桂の言葉に答える一輪。しかし謎は少しずつ出てくるもの。

 

「けど、なんで今更復活させようとしてるアルか?」

 

 神楽の疑問は最もだった。もし復活させるのだとすれば、何も今でなくても良かったはず。それこそもっと早めでも良かったのだ。

 しかし、と一輪は言葉を続ける。

 

「もともと私達は地下に閉じ込められていました。ところがある日、幻想郷で間欠泉が発生し、私達の封印も解かれたのです」

「あっ……! この前の……!」

 

 その言葉に新八は気付く。

 そう、彼女たちがこうして行動できるようになったのも、全ては前回の異変が関係していたのだ。

 

「けど、なぜその人物は封印されていたのです?」

 

 文が尋ねる。

 その答えを一輪が言おうとした時、

 

「そこから先は私が話すよ!」

 

 船の中から一人の女性の声が響いてきた。

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

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