銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百六十七訓 言っても聞かない奴には拳で語るのが一番

「……戦いを挑むというのですか? この私に?」

 

 白蓮は努めて冷静に、しかしその怒りを銀時と桂に向けながら、そう尋ねた。

 

「む、無茶です! 貴方達では聖に勝てるはずがない!」

「それに、復活した今、その戦いに何の意味がある? 悪事を働くわけではないのに、互いの意見が衝突しただけで戦うメリットが……」

 

 村紗と星は、この場で三人が戦うことを止めようとしていた。白蓮のことはもちろんのこと、銀時達のこともまた心配だったのだ。彼らは白蓮を封印から救ってくれた恩人。恩人同士がぶつかり合う場面を見るのは、彼女達にとって苦痛に他ならない。

 だが、

 

「わりぃが、俺達は何も戦うわけじゃねえんだ。意見が衝突したんで、ちょっとばっかし話し合いをするだけ」

「人間の喧嘩には、拳を交えることにより何かが分かることだってある。我ら侍の場合は剣だがな」

「そういう訳だ。大層なご高説している尼さんに、俺達一般人の意見を聞いてもらおうって訳だ……そして、コイツの勘違いを」

「「俺達が叩き斬る」」

 

 その二人に対して戦いを止めるように伝える言葉はなかった。元より霊夢達は銀時達を信じて、この戦いを見守っている。いや、これは戦いではない。故に、加勢することは望まれない。だからせめて、この話し合いの行く末を見守るのだ。

 

「後悔しても知りませんよ? 私は今、封印から解き放たれた身……自分自身でも、どれだけ強大な力を手にしていたのか思い出しながらになるので……歯止めは効きませんよ?」

「上等だ。俺達も今まで動きをセーブしてきたようなものだからな」

「どれだけの力で刀を振るってきたのか思い出しながらになるから……」

「「歯止めは効かないぞ」」

 

 三人は互いの顔を見て──笑った。これから戦おうとしている相手はまさしく好敵手。相手にとって不足なしとはこのことではないだろうか。

 

「ならば、せめて簡単に沈まないでくださいね……!」

 

 最初に動いたのは白蓮。彼女は自身のスペルカードを発動させた。

 

 魔法『紫雲のオーメン』。

 

 紫色の光弾と、小さな無数の光弾をばら撒き、銀時達目掛けて飛んでいく。銀時と桂は、それぞれの得物を以て叩き斬る。より疾く、より正確に。

 

「流石にこの程度では倒れませんね……」

「テメェの意見を叩き伏せようとしてるってのに、そんな柔な攻撃でやられてたまるかってんだ!」

「俺達をあまりなめないでもらいたい」

 

 銀時と桂は、刀を振り上げて白蓮に迫る。

 

「そうですね。人間と妖怪の完全なる平等の何処がいけないことなのか……教えていただけますか!!」

 

 光魔『スターメイルシュトロム』。

 

 白蓮が掲げた手より光が放たれ、それらは左右から銀時と桂を狙うレーザーへと姿を変える。二人はとっさに踏み込んでいた足に力を込めて、左右に散らばる。しかし、

 

「なっ……!」

「このレーザー、曲がるというのか……!」

 

 白蓮が放った光線は、対象に当たるようにその軌道を変えた。

 

「だが……」

「こんなもんで……」

「「俺達の剣(信念)は折れねぇ!!」」

 

 銀時は桂の背後に迫るものを、桂は銀時の背後を襲うものを、それぞれ叩き斬った。

 

「貴方達は何のために戦うのですか? 妖怪も人間も平等になる世界を目指すことの何がいけないんですか?」

「言ったろ? 俺は別に誰が何守ろうがどうでもいいって。だが……悔しいが妖怪と人間に、完全な平等なんざ訪れねぇんだよ」

「妖怪にも悪い奴がいるように、人間にも悪い輩はいる。だが、人間にいい奴がいるように、妖怪にもいい奴がいる。つまり、立場を完全に平等にしようとせずとも、元からそんなに大差ないということだ」

 

 生きとし生けるものとして、そこに大きな違いは存在しない。

 白蓮の放つ弾幕を叩き伏せながら、銀時と桂は持論を展開していく。

 

「私は、人間も妖怪も争いのない完全な……」

「だからそれが間違ってんだよ。俺達は人間同士だって争いするってのに、なんで妖怪と人間においてそれがなくなると思っていやがる?」

「それに先程から気になっていることがあるのだが……」

 

 銀時と桂の動きが止まった。

 それに合わせて、白蓮も弾幕を放つのをやめる。警戒しているのだ。

 そんな彼女の警戒とは裏腹に、二人はこう尋ねた。

 

「「何をそんなに気を張っている?」」

 

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百六十七訓 言っても聞かない奴には拳で語るのが一番

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