文に連れられる形で二度目の妖怪の山へと足を運んでいる銀時達。今回の彼らは侵入者ではなく、射命丸文の友人としてここにいる。最も、守矢神社の話があってから多少は友好的になっているのだが。
「しっかし、どこに行っても引きこもりっつーのはいるもんだなぁ。そいつがどうしていようとも勝手ではあるが」
「まー、はたてはスペック低いわけじゃないんですけどね……興味ある時とない時の差が激しいといいますか……」
「それ立派なオタク気質じゃね?」
思わず銀時はそうこぼす。
「しかし念写は便利な能力ね……」
霊夢は、はたての持つ能力に興味を抱いているようだ。
「確かに。ありとあらゆる場所を写し放題っつーことは、例えば女湯……」
「銀さん発想が最低ですからね!? 単に覗きを誘発しようとしてるだけじゃねぇかぁああああああああ!!」
人差し指を立てながら真顔で語る銀時に対して、当然新八がツッコミを入れた。さすがはツッコミメガネである。
「銀ちゃん不潔ネ。しばらく近寄ってくるなヨ」
「誰がガキに興味あるかっての」
「あ? それはそれでなんかイラつくアル!!」
「なんの争いしてるんだぜ!?」
収束点の見つからない争いが始まりそうだったことに我慢出来なかったのか、つい魔理沙がツッコミを入れていた。彼女は当作品が始まってから貴重なツッコミキャラだ。仕事をしてくれなければ困る。
「あやや? 今の台詞をねつぞ……編集すればいい記事が書けそうですね?」
「今捏造っつったよな?」
「イッテマセンヨ?」
「片言になってんぞ。テメェはそんなキャラじゃねえだろ? 文々。新聞は捏造しまくり違法新聞だってマスコミにリークすんぞ?」
「残念でしたー! 私がそのマスコミでーす!」
「はたてってやつにリークしたら喜んで記事にしてくれそうだがな……」
「私の新聞の方が発行部数も知名度も、幻想郷の中では上なので意味ないですね〜」
自信満々に語る文。
そんな彼女の前に。
「その自信、今日でへし折ってあげるわねー!」
姫海棠はたてが、ニヤリと笑みを浮かべながら現れた。
「……え、誰?」
もちろん、銀時達にとっては初対面なので、いきなり現れた彼女のことを知っているはずはない。今までの話を総合して予想することは出来たが。
「彼女こそ、先ほどまで話していました姫海棠はたて。売れない新聞の記者です」
「誰が売れない新聞の記者よ!? 失礼だわー!」
いまいち本気で怒っているのか分からなくなる、間延びした話し方をするはたて。
「なんか、今時のギャルと話してる気分だな」
「銀ちゃん。あの女、右手に携帯電話持ってるアル。SNSで色々とばらまくつもりネ」
「呟いたり写真あげたりするってか? 俺達のことネットに晒しあげて炎上させようってのか?」
「アンタら先入観だけで色々語るなよ!? ややこしくなるでしょうが!!」
第一印象のほとんどは確かに見た目で決まる。銀時達にとって、はたての第一印象は『今時のギャル』だった。そして携帯電話を持っているとくれば、直結するのはSNSだったのだろう。ある意味写真や文章を書くという点において新聞記者である彼女にとっては間違ってはいないことではあるが。
「ところで、なんか妙に自信満々だぜ?」
魔理沙がその点を気にする。
確かに、文の前に現れたはたては、何処か勝ち誇っているようにも見えた。極め付けは、『今日でその自身をへし折る』という旨の発言。なにか勝算でもあるというのだろうか。
そんな魔理沙の発言を聞いて、はたては再び自信満々に語り出す。
「文もまだ掴んでいないような特ダネ写真を撮影したわー。この写真について取材して、文の新聞を越えるつもりよー!」
「私の新聞を越える、ですか……いい度胸ですね」
二人の間にバチバチと火花が散り始める。どうやら彼女達の闘争心に火がついたようだ。
「今回のは間違い無くウケがいいのよー! だから私の勝利は揺るがないって感じだわー!」
「上等じゃないですか! その言葉、宣戦布告として受け取りますよ!」
何故か、文とはたての二人で新聞発行バトルが開かれることが確定した瞬間だった。
「……なんか勝手に盛り上がってんぞアイツら」
「よく分からないけど、見ていればいいアルか?」
「そうだね、神楽ちゃん。きっと僕達には何も出来なさそうだからね」
「新聞記者同士の面倒な争いね……」
「なんだか楽しそうだぜ!」
彼女達の動向を見守る(?)銀時達なのだった。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第百七十八訓 女と女のプライドをかけた戦いの始まりのゴングが鳴った瞬間