というわけで、射命丸文による突撃取材が幕を開けた。その上で大切なのは聞き込み調査。ただし、はたてとはちがい文は未だに特ダネとなり得るものを持ち合わせていない。故に聞き込み調査をし続けて、地道に稼ぐ他ならないのだ。だが、そうして聞き込みをしていく上で、とある噂話を耳にすることになる。
たとえば、とある⑨を取材しに行った時には、
「あれは間違いなくだいだらぼっちだよ! あんなに大きなものといったらそうに違いないんだ! それはそうともじゃもじゃ頭! あたいと戦え!!」
「誰がもじゃもじゃ頭だコノヤロォオオオオオオオオオオオオ!!」
某侍に蹴り飛ばされはしたものの、それはだいだらぼっちなのではないかという情報を手にする。またある門番に取材しに行った時には、
「きっとあれは太歳星君だったんです……現れてしまった以上は方位に気をつけても意味なくて……あぁ、でも、祟り神だから何かあるのかもしれなくて……ど、どうすれば……!」
「少なからず、貴女が居眠り癖を治せば見えなくなるかもしれませんね。それとも、二度とそんな幻想を見ないで済むように目を潰した方がいいかしら?」
「さ、さ、さ、咲夜さまぁ!? そんなことをしたら何も見れなくなっちゃうじゃないですか!!」
「元から目を瞑っているようなものなのだから関係ないでしょう?」
「大ありですって!!」
と言いながら、ナイフを構えたメイドにお仕置きされるまでに、太歳星君ではないかという情報を手に入れる。
また、人里にたまたま訪れていた暴走巫女娘を取材した際には、
「あれは私の世界で広まっていた巨大ロボだったんですよ! 私、ああいったものが大好きなんです!!」
「ロボットくらいなら俺達の世界でも見られるよな、新八」
「源外さんならそれくらい作りそうですし」
「実写版では通常の三倍の速度でトイレに行くおっさんが修理頼んでいたアルな」
「本当なんでもありな世界だぜ、銀さん達の世界は……」
「けど、ロボットが幻想郷に現れることなんてあり得る……?」
「私はたしかに実際に見たんです! けどあれは確か守矢神社の方で見えたような……それはそうと銀時さん。ここであったのも何かの縁なので、今から私と一緒に子づ……」
「んじゃ俺たちいくから後のところはよろしく頼むな」
暴走巫女娘が完全に突っ走る前に、銀時の方から逃走したものの、それは巨大ロボであるという情報を得た。更に……。
「その存在が見られたのは守矢神社の方面から、ということでしたか……」
文がこれまで集めた情報をメモにまとめていた。キーワードとなるのは、『守矢神社』『巨大ロボ』『太歳星君』『だいだらぼっち』。
「守矢神社の方で、巨大な何かの目撃情報が多数っていったところだぜ?」
「少なからず、放置していていい案件ではなくなったわね……博麗の巫女としては、異変の可能性も疑わなくてはいけなくなったわ」
「あやや! これはなかなかに特ダネの匂いがしてきましたよ!」
霊夢の言葉に反応するように、文が何やらワクワクしているような表情を浮かべる。
三人の情報をまとめれば、守矢神社付近で巨大な何かが現れたという事実が浮かび上がってくる。ただし、そこに守矢神社の関係者である東風谷早苗は関与していない。となると、考えられる可能性としては。
「これはもしかしたら……守矢神社に突撃取材しに行った方がいいかもしれませんね。そうすれば特ダネの証拠がつかめるかも……!」
文のいう通り、守矢神社関係で何か行動を起こす者がいるとすれば、そこに祀られている二柱の神しかいない。つまり、現状怪しいのは……。
「洩矢諏訪子か八坂神奈子、というわけね……」
霊夢がポツリとつぶやいた。
「ですが、いくら神とはいえそこまで大きな何かを作ることは出来るでしょうか?」
新八がふと湧いた疑問を口にした。たしかにあの二柱は神である。しかし、二人揃って創造神というわけではない。少なくとも、早苗が巨大ロボと称する形の何かを作るのであれば、それなりの技術力を持ち合わせた者が関与している可能性も疑われる。
「……まさか。あの河童も関与しているかもしれないぜ?」
そう。
魔理沙の言う通り、にとりも関係しているかもしれないのだ。
「なるほど……どんな目的があるのかはしらねぇが、これで今行くべき場所は決まったんじゃねえのか? 取材班さんよ」
「ですね。文々。新聞の記者として、幻想郷の情報を清く正しく美しく、何処よりも速く届ける為にも、その正体を掴みに行きますよ!!」
銀時の言葉を受けて、文は俄然やる気を見せる。
そうして彼らは、問題の場所である守矢神社へと歩みを進めるのだった。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第百七十九訓 突撃取材はお手の物!