銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百八十一訓 人々が求めているのはエンターテインメント

 結局、取材の結果は微妙だった。あれだけ巨大ロボだの様々な噂が流れていたものの本当の正体は、宣伝目的で作られただけの巨大アドバルーン。記事にしたところで特ダネとは言い難い代物だ。最も、一応バザーの宣伝の為に新聞記事として掲載することは出来るが。

 

「結局、今回の件は無駄骨に終わってしまってがっかりだわー……」

 

 ぐったりとしているはたて。

 現在、銀時達は、はたての家に上がり込んでいる。霊夢や魔理沙は自分の用事があるからと引き上げていったが、文はついてきていた。

 

「ふふふ……これだからはたては駄目なんですよ」

「な、何をー!?」

 

 文は不敵な笑みを浮かべている。

 それを見た万事屋三人は心の中で呟いた。

 

 コイツ、碌でもないことをしでかすつもりだ、と。

 

「確かに、真実は本当につまらないものでしたけれど、それにエンターテインメント要素を付け加えてはいけないなどと誰が決めたんですか?」

「どういうこと……?」

 

 はたてはあんまりよく分かっていないような素振りを見せる。

 それに対して文は、

 

「つまり! 書く記事の内容をこちらが面白おかしく改z……脚色してしまえばいいんですよ!!」

「今完全に改竄って言いかけましたよね!? マスコミがそんなことしていいんですか!?」

「五月蠅いですね! ばれなきゃ犯罪じゃありませんし、第一ここは幻想郷なんですよ! ただ普通に記事を書いた所でつまらないのは目に見えているじゃないですか!! 事実を求めるのと同レベルに、エンターテインメントを求めているんですよ!!」

「テメェの書いた記事で俺はとばっちり喰らいまくってるんだけどな!!」

「坂田さんは良い記事パートナーですから♪」

「記事パートナーってなんだよ!? テメェの羽引きちぎって二度と空飛べなくしてやろうか!?」

「あやや~。やれるものならやってみて欲しいですなぁ~」

 

 何故か、いつものようにじゃれ合っている銀時達。新八も最初にツッコミを入れはしたものの、その後からは文と銀時によるやり取りが始まっていた。

 そんな二人をじーっと眺めるはたて。

 彼女は思わず、携帯を手に取って。

 そのまま――。

 

 パシャッ。

 

「「え?」」

 

 銀時と文は思わず目を合わせる。そのままゆっくりとはたての方を振り向く。

 

「特ダネ☆ゲットだわー♪」

 

 そこに居たのは、満面の笑みを浮かべるはたてだった。

 そう、彼女は自力で手にしたのだ。

 

 ――坂田銀時と射命丸文という、最強の特ダネを。

 

「これは記事に使えるわー。二人の熱愛報道とかしたら凄く新聞売れそうだわー。だって幻想郷ではエンターテインメントを求めているんですものねー。これは文には書けない記事だから、私が書くしかないってことなのよねー!」

 

 その後、はたては見つめ合う二人を写真に収めたりした後、その場を立ち去る。

 

「じゃ、しばらく私の家にいていいわよー。私は文の所で新聞作ってくるからー。それじゃあまたねー♪」

「待ちなさいこらぁあああああああああああああああ!!」

 

 はたてと文による鬼ごっこが始まった。

 結局、特ダネというのはこうして量産されていくのだろう、と銀時達は思ったのだった。

 

「ねぇねぇ銀ちゃん。あのままだと新聞に載って、フランとかが大暴れするアルよ?」

「……大丈夫だろう、うん。多分。きっと」

「どうでしょうね……」

 

 後日、銀時が様々な女性より詰め寄られたのは言うまでもあるまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百八十一訓 人々が求めているのはエンターテインメント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 夜の森。

 そこを歩く一人の男が居た。

 男は刀を腰に二本差し、厳格な面持ちで前を見つめて進んでいく。

 

「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 そんあ男に襲い掛かる、何匹もの妖怪達。

 夜の森は妖怪達にとって格好の狩場、こうして迷い込んできた者を喰らうには都合のよい場所なのだ。

 妖怪は、あくまで人間を食料としている。

 これまで登場してきた妖怪達が特殊な一例ばかりだっただけであり、実際にはこうして人を襲う妖怪の方が多いのが事実だ。

 この男も、複数いる妖怪達を相手に一人で立ち向かうのは――。

 

「恐れを持たぬ者よ。儂の剣にて未練を断ち切る」

 

 一瞬だった。

 男が振るった剣により、襲い掛かってきていた妖怪達は呆気なく真っ二つに斬り裂かれたのだ。

 男の身体には、傷一つついていなかった。

 

「幻想郷も、あのお方も……必ずや儂が守ってみせようぞ」

 

 男は呟き、再び歩き始める。

 腰に差された二本の剣。

 

 それはどことなく、幻想郷に居るとある少女を彷彿とさせるような代物だった。

 

 だが、彼を含めた幻想郷に住まう者達はまだ気付いていない。

 

 ――この段階で、とある陰謀が既に動き始めているということを。

 

 

 

 




次章予告。

「儂はその為に帰ってきたのだ」

「今まで貴方は何処で何をしていたのかしら……?」

「ふざけないでください! 今更帰ってきて、どういう風の吹き回しですか!?」

「妾の計画を、下等な猿共に止められるわけにはいかぬのじゃ」

「江戸じゃ世話になったな。博打好きのねーちゃんよぉ」

「万事を守るのが万事屋の勤め、ですよね。銀さん」

「博麗の巫女の名に懸けても、必ず貴女を止めてみせるわ」

「幻想郷を敵に回すことの恐ろしさを、味わうがいいですわ」

次章。

華陀陰謀篇。



――貴女様を、心よりお慕い申し上げます。幽々子様。

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