銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百八十四訓 嵐の前には静けさが訪れる

 江戸は歌舞伎町。

 場所は万事屋。

 そこではいつも通り依頼のない銀時達が、だらだらしながら会話をしている様子があった。

 

「やっと俺達の出番だな」

「アドバルーンの一件以来、全然話に出てきませんでしたからね」

「ぶっちゃけ暇してたアル。たまには何処か遊びに行くアル」

「そうだよギン兄様! 紅魔館に遊びにきてよ!」

「地霊殿でもいいのだ〜。お兄さんと一緒ならどこでも良いけど、お姉ちゃんもお兄さんに会いたがってるよ〜」

「そういや最近あんま顔出せてなかったからな……たまにはそうするのもありかもな……」

「最早フランちゃんにこいしちゃんがここにいるのは当たり前になってきましたね……」

「何ニヤニヤしてるアルかロリコン」

「ニヤニヤしてねぇよ!? 勝手に人の印象捏造しようとしないでよ神楽ちゃん!!」

「ギン兄様、ろりこんってなぁに?」

「こいしも気になる〜」

「ロリコンっつーのはだな……」

「あんたも説明せんでええわ!!」

「「えー」」

「とりあえず、暇つぶしにゃちょうどいいし。とりあえず幻想郷に足運ぶのはいいかもしれねぇな」

 

 椅子から立ち上がり、銀時は襖を開ける。ちょうどその時だった。

 

「銀さん! 暇だから遊びに……ひぎゃっ!」

 

 ちょうど万事屋に入ろうとしていた魔理沙が、銀時の懐にダイレクトアタック! 

 銀時は悶絶した! 

 

「ぐおぉ……て、テメェ……な、なにすんだごら……」

「わりぃわりぃ! まさか目の前にいるとは思わなくて……前方不注意ってやつだぜ!」

 

 特に悪びれた様子もなくニコニコしている魔理沙。彼女らしいといえばそれまでなのかもしれない。

 

「ギン兄様、大丈夫?」

「お兄さんしっかりー……」

 

 銀時のことを心配しているフランとこいし。

 そんな二人を安心させるように、銀時は二人の頭を撫でながら、

 

「とりあえずの所は大丈夫だ。そんな心配しなくても平気だからな」

 

 と、優しく言ったのだった。

 そんな彼の言葉を聞くと、フランとこいしは安心しきったように銀時に抱き着く。

 

「相変わらず仲がいいぜ。その光景見る度に霊夢の奴が機嫌悪くなるから宥めるのが大変だぜ……」

 

 魔理沙がポツリとつぶやいた。

 

「あれ? そういえば霊夢さんは今日いないんですね?」

 

 気になった新八が尋ねる。

 確かに、魔理沙が来るときには大抵霊夢もセットになって動いている。しかし今回は魔理沙のみで来ているため、今までの中では珍しい方と言えなくもないだろう。

 そんな新八の質問に対して、魔理沙は答える。

 

「なんでも今日は紫に呼ばれたって言ってたぜ」

「あのBBAに?」

「神楽ちゃんは何故八雲さん相手だと当たりがそんなにキツイの!?」

 

 紫の名前が出るたびに敵意むき出しとなる神楽。彼女達は本能的に気が合わないのかもしれない。

 

「しかし、アイツが呼び出しなんて珍しいな。余程真面目な話でもあるってのか?」

「どうだろう? 流石にどんな話をしてくるのかは聞いてないから、そのあたりは後で霊夢に聞かないと分からないぜ」

 

 とはいえ、八雲紫が博麗霊夢を呼び出すという事実は、幻想郷においては結構重大なことだったりする。たまたま会ったとかならともかく、紫に関しては基本的に自分から動こうとした時、幻想郷絡みで何かしら起きた時がほとんどだ。

 

「ギン兄様……もし異変だったとしても、あまり無茶はしないでね? フラン達を頼ってね?」

「お兄さんがいなくなるのは……嫌だから……」

 

 心配そうな顔で見つめるフランとこいし。

 彼女たちにとって坂田銀時とは居場所そのものだ。家族と同等の存在なのだ。故に、銀時が極端に傷つくことを恐れ、居なくなるかもしれない恐怖に常に襲われる。もちろん彼が帰ってくることを信じている。それでも、万が一の可能性は捨てきれない。

 

「……んなツラすんじゃねぇよ。何度も言ってんだろ? 一度背負った荷をそう簡単に降ろすつもりはねぇって」

 

 安心させるように彼が言った、その時のことだった。

 

「……万事屋に、頼みたいことがあるの」

 

 先程まで紫に呼び出されていた霊夢が、銀時達の前に現れたのだった。

 

 

 

 

 

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第百八十四訓 嵐の前には静けさが訪れる

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