銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百八十九訓 普段の反動が大きいと相手を混乱させることもあるのかもしれない

 幻想郷に足を運んでいる銀時達。その何処か異様な雰囲気に、疑問を抱かざるを得なかった。

 

「なんだか、妙に殺気立っていますね……」

 

 新八がポツリと呟く。

 本来ならば大人しいはずの妖精や妖怪達が、総じて何処か妙に殺気立っている。やる気に満ち溢れているといっても良い。その状況はあまり良いものではないだろう。

 

「やはり、何者かが手を加えた結果と考えるのが妥当なようね……」

「ちょっと薄気味悪いかも……」

 

 霊夢は周囲を警戒しながら呟いた。

 フランは、銀時にしがみついている腕の力を強くする。

 

「しっかし、すべてがひっくり返ったようになってるってんなら……」

 

 何やら銀時が気付いたことがあるようだ。

 その続きの言葉に彼らは耳を傾け……。

 

「もしも土方の野郎が影響受けちまったら、オタクに戻っちまうってことになんのか?」

「何このタイミングで思いついてんだテメェエエエエエエエエエエ!! 今必要なことじゃないでしョオオオオオオオオ!?」

 

 おおよそどうでも良い事だった。

 

「いやいや、これはとても大事な事だぞ? また実写版みたいに『何を言ってるんだよ坂田氏ィ』とか、『いいよいいよぉ。次はちょっと際どいの撮ろっか……(ねっとり)』とかやられたら精神攻撃になるからな? やる気が一気に削がれるからな?」

「ちょっと照れくさいアル……」

「なんであの時のこと思い出して神楽ちゃんが照れてんの!? それに土方さんは今ここにいないから別にいいでしょうが!!」

 

 万事屋の三人はこういう時でもブレないようだ。

 

「しかし、性格とかがひっくり返るってんなら、いつもは好戦的なチルノとかはどうなるんだぜ?」

「確かにそれはそれで気になるところね……」

 

 普段はおとなしい者達が大暴れする。ならば、普段暴れている者達はどうなるというのか? 

 ある意味それを確かめる意味でも、宛もなく幻想郷を彷徨う意味でも、彼らは湖のところまで辿り着いていた。

 

「広い広い〜。ここなら遊べそうだなぁ〜」

 

 こいしは湖を見て少しはしゃいでいる様子だった。地底世界にはこれだけ大きな湖というのもあまり見かけないのかもしれない。

 

「そうだなぁ。しかし、そろそろバカ妖精が登場する頃だろうからな。それを待っててやろうぜ」

 

 銀時がそう言った、その時だった。

 

「ばかようせいって、言うなぁ……」

 

 涙目になりながら、必死に訴えているチルノが現れた。

 

「出たなチルノ! 今日も私の弾幕でぶっ飛ばしてやるぜ!」

「ふえぇ……怖いことしないでぇ……」

 

 魔理沙がミニ八卦炉をチルノに突きつける。するとチルノは、怯えるように震えてその場から動けないでいた。

 

「…………なんか、魔理沙さんが悪党に見えてきますね」

「新八それはあんまりだぜ!? いつもならここで弾幕ごっこが始まるところだぜ!?」

 

 どうやら魔理沙も調子が出ないようだ。

 それもそのはず。いつもならば真っ向から向かってくるはずのチルノが、妙に泣き虫になっているからである。

 やはり、性格が反転する影響は彼女にも現れていたようだ。

 

「なんだかかわいそうになってきた……」

 

 フランが少し同情するような眼差しでチルノを見る。

 

「まてよ? チルノがこうなってるってこたぁ、もう一人の妖精は……」

 

 銀時は気付く。

 そう。普段チルノの側には決まってついてきている妖精がいたはずだ。

 そんなことを考えていたその時だった。

 

「待つのだ!」

 

 一人の少女の声が聞こえてくる。

 その声に合わせるように、何人かが銀時達の前に姿を現す。

 

「歌で人を狂わす! ミスティア・ローレライ!」

「闇に蠢く光! リグル・ナイトバグ!」

「暗闇に潜む! ルーミアなのだー!」

「その正体は原作でも明かされない! 大妖精!」

「「「我等、バカルテット!」」」

「with大妖精!」

「「「「ここに見参!!」」」」

 

 何やら妙なテンションで現れたのは、本来ならばこんな馬鹿げたことをしない彼女達。

 普段はある一定の真面目なテンションの筈の者も混じる中、妙にハッチャケてしまっている妖精と妖怪だった。

 

「って、チルノちゃんがやってない!?」

「だって、恥ずかしいんだもん……」

 

 大妖精がチルノの肩を揺らしながら言う。それに対してチルノは、本来ならば至極真っ当な意見を述べていた。普段の彼女ならばノリノリでやっていたことだろう。

 

「もーダメなのだー! バカルテットは四身一体! いつ如何なる時も合わせなきゃなのだー!」

「そこに大ちゃんも加わってより強くなったんです! 私達に敵なしです!」

 

 楽しそうにはしゃぐルーミアと、いつもならばそんなテンションで物を語ることはないだろうリグル。

 

「そうそう! 楽しくはしゃいで敵をなぎ倒す! それが私たちじゃない!」

 

 そして割と物騒なことを言っているミスティア。

 そんな彼女達を見た銀時の一言。

 

「…………なんだこれ」

 

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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