「どうしたのじゃ? そちらが来ぬというのであれば、こちらからいかせてもらうぞ?」
マミゾウはまるで銀時達を挑発するかのように告げる。そして、警戒を解かない銀時達を嘲笑うかのように、マミゾウが前へと足を踏み出した。
瞬間、銀時は木刀を握る力を強めた上で、突進する。
「踏み込みはまぁまぁじゃな。だが、それで儂を倒せるとは思うてないだろうな?」
壱番勝負『霊長化弾幕変化』。
マミゾウの放った弾幕は、まるで人の形を象ったかのように姿を変える。そしてそのまま、銀時達目掛けて襲い掛かった。
「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
吠える。
銀時はその遠吠えと共に弾幕を木刀でぶった切った。処理しきれなかったものについては、新八と神楽がそれぞれの武器で斬り伏せている。
そして、神楽が援護射撃をしつつ、銀時と新八は二人がかりでマミゾウに斬りかかる。
「なる程。息の合ったコンビネーションじゃ……生半な手では崩せぬらしい」
しかし、マミゾウはあまり動じない。
それどころか、むしろ楽しそうに笑っているようにすら見えた。
「弐番勝負『肉食化弾幕変化』」
今度は、放たれた弾幕のすべてが肉食獣へと姿を変える。それは狼だったり、虎だったり、姿は様々だ。しかし、噛みつかれたらただでは済まない獣たちがほとんどである。
「ちぃっ!」
銀時と新八は、マミゾウに斬りかかる前にそれらをどうにかしなければならなくなった。今まさに接近しているのは自分達なのだ。標的は当然、二人である。
「銀ちゃん! 新八ぃ!」
そんな彼らを援護するように、神楽は傘より銃弾を放つ。撃ち抜かれた弾幕は、そのまま塵と化して霧散していく。
「ほぅ……ただの弾幕ではお主達を捉えきれぬようじゃな」
「へっ。伊達に修羅場潜り抜けてねぇからな」
「そうか……ならば少し趣向を変えてみるとしようかの」
マミゾウはまるで面白いことを思いついた子供のように、わざとらしく明るい声で言う。
そしてマミゾウは――。
「儂の能力を使って、お主らの目を騙すことなど造作でもない。簡単なことじゃ」
「やってみやがれってんだ、テメェのその自慢の能力とやらをな」
「仰せの通りに。後悔しても知らぬからのぅ」
かけている眼鏡のレンズが光ったかのようにも見られる。
そしてマミゾウは、その場で両手を上げて、
「――っ!」
声なき声をあげ、何かを行った。
しかし、銀時達にはその行動の意図が読めない。
だが――。
「なっ……!?」
驚きの声を上げたのは新八だった。
マミゾウが何かを行った瞬間、辺りには一気に煙が立ち込める。まるでタイミングを読んだかのように、空中で戦っている九十九姉妹の弾幕が、地面に被弾したのだ。幸いにして銀時達に当たることはなかったが、それがまるで目隠しのようになってしまい、視界を一瞬奪われる。
「ちぃっ……運悪いなチクショー……」
悪態をつく銀時。
そうして視界が晴れるのを待っていた銀時達だったが、次の瞬間――。
「なっ……銀ちゃんが二人!?」
神楽と新八の目に、銀時の姿が二つ確認されたのだった――。
※
空中で戦っている霊夢・魔理沙と九十九姉妹。
弁々と八橋の弾幕は、入り混じると避けるのが難しいものとなっていた。直線的な弁々に対して、トリッキーな動きを見せる八橋。片方避けたと思いきや、もう片方が突然後ろから襲い掛かってきたりと、判断に迷うものばかり。
「まったく、面倒なことこの上ないわね!」
霊夢は悪態をつきながら、弾幕を処理していく。
「一気に攻め込んでいくぜ!」
魔理沙もまた、面倒なことを一気に片付けたいという一心で、ミニ八卦路を九十九姉妹に向ける。
そして、力を込めた上で――。
「マスタースパーク!!」
彼女の象徴でもある技を一気に放出したのだった。
しかし、彼女達だってそうすぐに倒れるわけにはいかない。
「「弦楽『嵐のアンサンブル』!」」
二人の声が合わさる。
まるで二つの楽器でセッションを行っているかのように、息の合った演奏をしつつ、弾幕を飛ばしてくる。
確かに、魔理沙の放つマスタースパークは強力だ。しかし、それ故に軌道修正を行うことは難しい。一度避けられてしまえば、すぐに攻撃へ移すことは難しい。
そうしている間に、音符状の弾幕が彼女に襲い掛かる。
「夢想封印!」
しかし、ただで見過ごす程霊夢も甘くはない。
魔理沙の前に札と陰陽玉で出来た弾幕を張り巡らせて、音符状の弾幕をすべて打ち消す。
「サンキューだぜ、霊夢!」
「ボサッとしている暇があるなら、攻撃の手を緩めないことね、魔理沙!」
「はいはい。分かったぜ!」
そして、魔理沙と霊夢の二人は、弾幕を張り続ける――。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第百九十八訓 息の合ったコンビネーションはとても大切