銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第百九十九訓 周囲はきちんと確認するべし

「霊夢! このままだとキリがないぜ! 一気に蹴散らした方がいいんじゃないか!?」

「そうね……ジリ貧なのは正直あまり好ましいことじゃないわ」

 

 霊夢と魔理沙の二人は、九十九姉妹による弾幕攻撃をひたすら避け続けている。避けられなかった弾幕は、弾幕にて撃ち返す。しかし、いつまでもそうしているわけにもいかなかった。

 弾幕ごっこは体力を消費する。しかもこの後も彼女達には戦いが控えている。いつまでも浪費しているだけでは今後の戦いに支障を来す。故に、決着をつけるのであればそろそろでなければならない。

 

「どうしたのー? なかなかせめてこないねー」

「このままでは私達が勝ちを収めることになるぞ!」

 

 九十九姉妹は、いつまでも決定打を放って来ない霊夢と魔理沙に対して挑発をする。

 彼女達は、ほぼ勝ちを確信している様子だった。

 

「気に喰わないわね……それなら、私達の力見せてやろうじゃないの」

「そうだぜ……これだけ最強の条件が揃っていれば、勝てない勝負なんてないぜ!」

 

 霊夢と魔理沙としては、この一瞬でケリをつけるつもりだった。そうでなければ、いつまで経っても弾幕ごっこに終わりが見えないからだ。

 対する九十九姉妹も、このまま終わらせることが出来るのならばそれでいいと思っている。

 故に、この戦いに終止符が打たれる瞬間が訪れる。

 

「覚悟、決まったみたいだな」

「大人しく私達に倒されることねー」

「あぁ、覚悟決まったぜ」

「私達の全力、見せてあげるわよ」

 

 そして、魔理沙と霊夢は九十九姉妹に向かって全力で突っ込んでいく。弾幕なしの正真正銘捨て身技。

 九十九姉妹は、そんな二人を見て勝ちを確信していた――。

 

「そう。私『達』の力よ」

「ここには他にも人は居るんだぜ? その可能性も考慮しなきゃダメだぜ!」

「「なっ……」」

 

 瞬間。

 霊夢と魔理沙は突如として軌道を変えて、その場からいなくなる。

 代わりに――。

 

「禁忌『レーヴァテイン』!」

「表象『弾幕パラノイア』!」

 

 そこに居たのは、地上に居たはずのフランとこいし。

 フランは紅い槍上の弾幕を一直線に放つ。

 こいしは、九十九姉妹の周囲にクナイ状の弾幕をばらまいた後、丸状の弾幕を張る。

 つまり、避ける範囲を狭めた状態で、フランのレーヴァテインが迫ってくるという状況。

 

「こんなの……」

「あーんまーりだーっ!」

 

 ここに、勝敗は決せられた。

 

 

「くっ……どっちが本物なのか分からない……っ!」

 

 地上では、マミゾウが化けた銀時と、本物の銀時の区別がつかなくなっていた。

 

「俺が本物だ!」

「いいや俺だ!!」

 

 銀時同士で争っている図。

 新八も神楽も、これには完全に戸惑っている様子。

 

「これじゃあうかつに手を出せないアル……」

 

 神楽が思わずそう零した――が。

 

「なーんて、今頃思っているんでしょうね」

 

 新八は不敵な笑みを浮かべていた。

 神楽もまた、ニヤリと笑みを浮かべている。

 

「化けたのが僕達万事屋だったのが運のつきですね」

「まさか私達に攻撃出来ないとでも思っていたアルか?」

 

 新八と神楽は、爽やかな笑み――とは程遠い、下衆びた笑顔を浮かべる。

 口元を歪ませ、目元をいやらしく変化させたそれは。

 

「「二人とも攻撃すればいいんじゃボケェエエエエエエエエエエ!!」」

「「ハチャメチャすぎんだろうがぁあああああああああああ!!」」

 

 神楽と新八は、それぞれで思い切り銀時達を攻撃した。

 新八の木刀による一閃と、神楽の傘による一撃。

 どちらも銀時の腹部に当たり、そして――。

 

「なっ……お、お主ら、仲間じゃというのに……師であるというのに、容赦ないというのか……」

 

 新八が攻撃した方の銀時が姿を変えて、マミゾウへと戻る。

 そんな彼女に対して、新八と神楽が一言。

 

「「天パーに化けたのがアンタの敗因だ」」

「……余程、憎まれておったのじゃな……」

 

 マミゾウはそのまま意識を失う。

 そして――。

 

「……おいテメェ……容赦なく俺を攻撃しやがったなコノヤロォオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

「正直どっちが銀ちゃんだろうと関係なかったネ。ここぞとばかりに恨みを発散出来たアル」

「テメェのサンドバックにされる覚えはねぇわ!!」

「だったら給料払いやがれ天然パーマァアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 ……マミゾウの敗因は、万事屋を相手にとったことなのかもしれない。

 ぶっちゃけ、誰に化けたとしても結末は同じだったことだろう――。

 

 

 

 

 

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