銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第二百二十一訓 マスコミは特ダネの匂いにつられてやってくる

「呼ばれて飛び出てあやややや! 清く正しく美しく! 何処よりも早く情報をお伝えする文々。新聞の新聞記者こと、射命丸文が久々に登場したのでなにか特ダネください」

「いきなり随分な挨拶ですね!?」

 

 銀時や新八の前に現れたのは、カメラを持ってパシャパシャと周りを撮りまくっている文だった。今回の異変ではあまり活躍の場がなかっただけに、特ダネに飢えているのだろう。

 

「テメェにやるネタなんざねぇよ。今時ならば薬物使った女優とか、雪だるまじゃなくて薬だるま作っちまった奴とか、そういうのでも取材してこいよ」

「薬だるまってなんだ!? 同じ白色だからってなんでもかんでもまとめれば許されるってわけじゃねえぞ!?」

「確かに芸能人のゴシップとかは見ていて楽しいものがあったり、国で何か起きた時に大抵起きるなぁなんて思わなくはないですが、私が求めているのは坂田さんのゴシップなので♪」

「おぉん? 笑顔で何変なこと抜かしてんだマスゴミ?」

「いやだなぁ。それだけ私が坂田さんのことをりよ……気に入ってるってだけの話じゃないですかぁ」

「今完全に利用してるって言ったよな!? 完全に客寄せパンダとして俺を利用しようとしてるじゃねえか!!」

 

 マスコミとしてはある意味正しい嗅覚を持っているだろう。何せ坂田銀時の周りには、大抵何かしらが起こるのだから……。

 新聞記事にするのならもってこいの逸材である。眼鏡は知らん。

 

「オィイイイイイイイイ!! どさくさに紛れて僕のことをネタにしてんじゃネェエエエエエエエエエ!!」

 

 さすがはツッコミ眼鏡。小さなボケも拾わなくてはならない悲しい習性が働いている。

 

「坂田さんがフランさんやこいしさんとイチャコラしてる写真は既に撮ってあるのですが……」

「待てやゴラ。イチャコラしてねぇし、いつの間にかそんな写真撮ってたんだゴラ」

「『英雄ついにやることやったか!? 知られざるロリコンの魔の手!!』なんでどうでしょう?」

「何もかもが捏造満載の記事じゃねぇかァアアアアア!! 清く正しくのモットーを何一つとして守れてねぇぞ!!」

「坂田さん。こんな言葉をご存知ですか? ……バレなきゃ犯罪じゃないんですよ」

「おもくっそばれてるからな? 本人目の前で捏造宣言してるからな? なめてんの?」

 

 銀時の額に青筋が浮かびまくっている貴重な光景である。哀れ、坂田銀時……フォーエバー。

 

「随分と楽しそうにお話してるじゃない。私と混ぜてもらえないかしら? いい香りのするお花なら用意できるわよ?」

 

 そこに現れたのは、満面の笑みを浮かべている花好きの妖怪……風見幽香だった。

 相変わらず傘を持ちながら、もう片方の手に日本酒の入ったお猪口を手にしている幽香。心なしか、若干いろんな感情が見え隠れしている気がしないでもない。

 

「幽香さん! なんだかお久しぶりですね」

「えぇ。お花のお世話とかもしていてなかなか顔を出せていなかったから……今日は久しぶりに顔を出そうと思ったのよ……ところで銀時。前にお手紙で伝えた通り、お花を用意したわ。何か言い残したことはあるかしら?」

「それってもしかしてしょちゅうみまいのことか!? あの件はでたらめだって言っただろうが!!」

「そのわりには貴方の周りには、気付けば女の子が集まってくわよね」

「あー、それ私も思ってました。写真撮ってて分かるんですけど、坂田さんってばいろんな女の子を取っ替え引っ替え……」

「俺をそんな甲斐性なしみたいに言うのやめろ!?」

 

 いじり倒されているのか、本気で言われているのかいまいち判断に迷う感じである。

 

「まぁ、銀時とはいずれ戦うことにするとして……」

「え、俺またお前と戦うの? 命の危機瀕しなきゃならねぇの?」

 

 かつて戦った時も、幽香が中断したことによりようやっと終わったようなものだ。恐らくその気になれば、幽香は銀時を一捻り出来てしまうことだろう。

 

「その時は私も呼んでくださいね! 記事にしますから!」

「何企んでんだよテメェは!?」

 

 ある意味このメンバーで集まっても相変わらずなのかもしれないと思わせられるひと時だった。

 

 

 

 

 

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