真選組の屯所内にて、今回の一件に関する会議が行われていた。しかし、頭の上に数字が乗っかっている中で行われる話し合いというのもなかなかにシュールな物である。
「するとトシは、この数字はいわば貴重な読者の方からのありがてぇ票を指していて、山崎はそれを何者かに奪い取られた……そう考えてんのか?」
真選組局長こと近藤は、今回の一件についてそう語る。
「道のど真ん中で打ち上げられてた山崎の頭には、本来あるはずの数字がなかった……つーことは、何者かが掻っ攫って、ただでさえすくねぇ票を独り占めにしようってこったろうな」
「ザキを選んだのは、小手調べに地味なやつを狙おうって魂胆でさぁ。もしくはアニメのパクリでやったのかもしれないですぜ」
本人がその場にいないのをいいことに、土方も沖田も言いたい放題である。ちなみに、沖田の方には『1』、土方には『2』がついている。近藤もまた、『1』がついていた。さりげなく土方のみこの中では複数票をもらっているのである。
「にしても近藤さん。我が物顔で語ってやすけど、土方さんさり気なく二票もらってやすぜ。コイツァ何かやったに違いありやせん」
「何もしてねぇよ!! 文句あんなら他の奴に言えや!!」
「トシ! 総悟! こんなところで喧嘩たぁ情けねぇぞ!」
しょうもない喧嘩を始めようとした土方と総悟を止める近藤。こういった面をもう少し前面に押し出していけば多少はお妙も振り向いてくれるかもしれないのに、なんとも仕方のない物である。
「今回は江戸で起きたことだが、人気投票で得た票を奪われたってんなら、次はここじゃなくて幻想郷でも同じようなことが起こる可能性もあるってことだ。となると、犯人は江戸だけでなく……」
「幻想郷にも足踏み入れるってわけか……江戸中駆け回ってるだけだと、見つかりそうもねぇなこりゃ」
混同の言葉につづけるように、土方が言った。
彼の言う通り、山崎が狙われたのは人気投票の票を奪うため。となれば、江戸よりも幻想郷にいる人物の方が狙われやすいということになる。そもそも銀魂側からの登場人物は、今回の作品ではわりと限られている方なのだ。だというのに、銀魂側のキャラクターは全然票入っていない。
「まずは足で情報探るしかねぇな。総悟、トシ。早速捜査に向かうぞ」
「幻想郷探すのは俺に任せてくれ。近藤さんと総悟はこっちで探して欲しい」
「待ってくだせぇ、土方さん。向こうには姉上もいます。姉上を守る為にも俺は向こうに行かなきゃいけないんでさぁ」
そう。
幻想郷にはミツバが居る。
彼女がいるということは、総悟としては守りに行きたい所である。そもそも、土方が幻想郷に行こうとするならば、ミツバに会いに行くことは自明の理。総悟としてはそれも阻止したい所。
「幻想郷にゃ万事屋が居るだろうからな。アイツらに事情説明しに行くなら一人で十分だろ。だから俺が行って来るって言ってんだ」
「その役目なら下の立場である俺がやりまさぁ。土方さんは上の役職らしくふんぞり返ってくだせぇ。第一アンタだけ票獲得してんだから狙われて無様に倒されるのがオチでさぁ」
「だから二人で喧嘩するのはやめろって言ってんだろぉおおおお!?」
相変わらず屯所はある意味平和らしい。
※
「……そろそろね。まずは江戸に居る奴らの票を掻っ攫う」
「そうすれば、僕達に入らなかった票を刈り取ることが出来るということだな?」
「心苦しいことではありますけど、私達に光が当たらなかったから、その犠牲となってもらうだけです」
女性三人が、とある場所で話し合っている。
彼女達は、今回の人気キャラ投票にて脚光を浴びなかった者達。
そして、自身の票を獲得しようと躍起になる者達。
「私達の票を獲得する為」
「この小説に私達が居ることを証明する為」
「そしてお妙ちゃんが主人公になる為」
一人だけ明らかに目的がおかしいが、これは明らかに犯行予告。
彼女達によって犠牲となる者達が果たしてどれだけ現れるのだろうか……。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第二百二十九訓 今時足で探す情報ってそこまで多くない気がする