場所は変わって幻想郷。先程まで投票結果を告知していた博麗神社では、頭に浮かんでいる票の数について話し合っていた。
「こりゃあれだな。各々の戦闘力が可視化されたっつーわけだな。つまり新八の戦闘力は5で、眼鏡の戦闘力は6ってわけだ」
「眼鏡に戦闘力負けてるってどういうことですかこれェエエエエエエエエ!?」
哀れ新八、悲しみの票数結果である。読者の皆様が決めたことなので、それには大人しく従ってもらいたいところである。
「けど、なんでまた私たちの頭の上に現れたりするんだぜ?」
当然といえば当然過ぎる疑問を魔理沙がぶつけてくる。それに対して銀時はこう推論した。
「どうせ筆者が人気投票篇のオマージュやりたかったんだろ? ただ、順位だと丸パクリになっちまうし重なる奴らが何人もいるから、票数にしてお茶を濁したんだろ」
「かえってそのせいで露骨になってる気がしますけどね」
表の数は、いわば読者の方々から得た人気の象徴。それだけに、銀時とフランの頭に浮かんでいる数字はずば抜けている。
「私は眼鏡と同じ数だー。なんだか面白い!」
こいしは、新八の眼鏡の上に浮かんでいる数字をぺちぺちと叩きながら楽しそうにしている。その様子はさながら猫。控えめに言って可愛い。だが、
「ちょ、こいしちゃん!? なんかよく分からないけど眼鏡にヒビ入ってるんだけど!?」
こいしがぺちぺちとする度に、なぜか新八の眼鏡がボロボロになっていく。
「数字と身体は連動してるってことなのね……数字が受けたダメージは本体にも返ってくる、と」
その様子を眺めていた霊夢がそう呟く。
「なるほどな。つまり数字もぎ取られたら相当のダメージが来るってわけか……とんでもねぇなおい」
「ちょうどいいアル。眼鏡なら痛みは感じないアルな?」
「神楽ちゃんんんんんんんん!? それ票盗みにいくって公言してるようなものだからね!?」
大胆不敵な犯行予告に、さすがの新八も驚かされた様子。
「眼鏡でこれなんだから、たとえば俺たちのうちの誰かが数字もぎ取られたとしたら……」
「相当の出血を伴って、意識失うのは間違いなしでしょうね……少なくともこの数字、『人気投票篇』が終わらない限り、いつまでも引っ付いてくるでしょうから厄介ね……」
珍しく主人公コンビが頭を働かせて仕事をしている。長編のタイトルを冠してはいるものの、今回についてはあくまで喜劇。シリアスさなど何処にもない。
「新八、用心しとけよ? テメェの姉ちゃん達またよからぬことを企んじゃいねぇだろうな?」
「なに犯人特定しようとしてんすか!? 確かに前回も姉上達には相当悩まされましたけど!」
銀魂本編において人気投票がが行われた際、女性陣による人気剥奪テロらしき行動が行われた。今回は前よりもある意味でわかりやすく、分取っただけ票を稼ぐことが出来る。最早投票の結果によるものではないが、本人達にとっては死活問題かつ本気で対処するべきものなのだ。人気が欲しい者達は手段を選ばないだろう。
「しかし、よかったな魔理沙。テメェの頭の上に浮かんでるぞ? 『1』っつー輝かしい数字が」
「喧嘩売ってるなら買うぜ銀さん!? マスタースパークぶっ放して、銀さんの票かっさらうぜ!?」
盛大に煽ってくる銀時に対して、魔理沙は青筋を浮かべていた。彼女にしては珍しいことである。
「落ち着いてください魔理沙さん! 天パー野郎にあたっても何も解決しませんよ!?」
「そうアル。ヤるなら眼鏡にしておけヨ」
「さりげなく僕の眼鏡を犠牲にしようとするなァアアアアアアアアアアアア!!」
何気にちゃっかりしている神楽である。
「レイム? ギン兄様を傷つけたら……ワカッテルヨネ?」
「どきなさい、フラン。そいつ夢想封印れない」
「何自分のスペルカード動詞にしちゃってるんですか!? ていうか建物の中で弾幕ごっこしようとしたら僕らまで巻き込まれてしまうでしょうがァアアアアア!!」
その通り過ぎるツッコミをする新八。
相変わらずこのメンバーはカオスかつ騒がしい。そんな彼らの前に……。
「あややー! みなさん!! 大変な事態が起こりましたよ!!」
さらに騒がしくなるだろう人物が現れたのだった。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第二百三十訓 わちゃわちゃしつつちゃっかり行動するタイプの奴