「「「お前らの票いただくんじゃああああああああああああ!!!」」」
謎の叫び声を上げながら幻想郷を駆け巡る女性三人組。その正体はすでに前回明らかになってしまっているため、もはや名前を伏せる必要もなくなった。いや、より正確に言えば一人については勝手に身バレしていたようなものなのだが。猿飛あやめ、志村妙、柳生九兵衛。今回の喜劇を仕組んだ張本人である。
「第一私の票が入らなかったのも、クソ筆者が全然出番寄越さないからでしょうがアァン!?」
全然出番がないどころか、台詞の一つもないジャスタウェイや、同じくらいの登場頻度であるキャラ達がランキング上位に入っていたりするので、その理論は間違っている。
「僕は妙ちゃんが輝くところをもっと見たいんだ。だから! 妙ちゃんをメインヒロインに! そしてゆくゆくは僕と……!」
目的がかなり変わってしまっている。
ツッコミ役がいない今、彼女達の暴走を止められる存在が求められている。最低でもある程度の対応が出来る人材だ。
「2019年を締めくくるのに相応しい終わり方をさせなさいよ!! 銀さんのそばに並び立つためなら私はなんだってするわ!!」
ん? 今なんでもするって……。
「お黙りなさい。邪な気持ちで幻想郷を駆け巡らないで欲しいですわ」
「「「!?」」」
その時、三人の目の前に現れたのは空間の裂け目──そう、『スキマ』だった。
その中から現れたのは、八雲紫、八雲藍、そして橙の三人だった。それぞれ頭の上に、4、2、1と書かれている。どうやら彼女達はまだ票を奪われてなかったようだ。
「票はみなさんが入れてくれた大事なものです! それを奪って自分のものにしようだなんて間違ってます!!」
キシャーっと威嚇をしながら、橙が言う。それにしても彼女は本当に久しぶりな登場である。
「紫様が愛しておられる幻想郷において、そこに住う住人達を脅かす狼藉……私達よりも出番がありながらもその程度の行いしか出来なかったのでは、当然の結果とも言えますね」
「いやこの狐ちょっと尾を引いてるわよね? 九尾あるだけにむっちゃ尾を引いてるわよね? むしろ私が引っ張って自分の物にしたろか!?」
あやめの意味不明な返しが炸裂。しかし藍は平然とした表情でこれを受け流す。こういった謎多き反応には慣れているのだろうか。
「僕はただ、お妙ちゃんがより輝いてくれることを祈っているだけだ。この票だってお妙ちゃんにすべて譲るつもりだ。そして僕はそんな彼女と結ばれて優しい世界の誕生だ」
「ドヤ顔で何語ってんのよアンタは!?」
味方側にいながらも、突拍子もなさ過ぎる九兵衛の言葉に、流石のあやめもツッコミを入れざるを得なかったようだ。普段ギャグに突っ走るキャラも、それを上回るボケが発生した場合はツッコミ役に転ずる良い例である。ボケ役とスルーする者のみではなかなか会話が回らなくなってしまうので、むしろ丁度良い位だろう。
「そうやって他人から票を奪い取って、せっかく投票してくださった皆様方のお気持ちを蔑ろにするおつもりですか?」
「「「そもそも投票されてないんだけど!?」」」
「されているでしょう? 皆様に一票を入れてくださった心優しき方のことをお忘れですか?」
そう、紫の言う通りなのだ。今回の投票において、一票も入らなかった者はいない。最低でも一票、必ず持ち合わせているのだ。それをカウントせず投票してもらえていないと称するのは間違っている。
「どうでもいいからアンタ達の票を早く寄越しなさいよォオオオオオオオ!!」
耐えきれなくなったあやめが、紫目掛けて突進を仕掛ける。それがどれだけ無謀なことなのか、妙も九兵衛も気付いていない。
「……この私たちに喧嘩を売ったこと、後悔させてあげますわ」
この後無茶苦茶、八雲さん達による一方的な弾幕ごっこが仕掛けられたという……。
ちなみに、奪われた票については紫達によってしっかりと元の場所に戻されていたという。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第二百三十六訓 喧嘩売る相手を間違えてはならない
「はい、これにて2019年の更新終了〜。三バカは紫によって始末されましたとさ。めでたしめでたし」
「めでたしではねぇよ!? 僕らのところまで被害及ばなくて良かったとは思いますけど、打ち切り感半端ねぇぞこれぇ!?」
「硬いこと言うなヨ新八ィ。眼鏡叩き割られるとかサングラス砕かれる展開とかもあったみたいアル。私としてはそっちの方が見てみたかったネ」
「なんで僕の眼鏡や長谷川さんのサングラスが犠牲にならなきゃならねぇんだァアアアアア!?」
「まぁ、それはさておき……気付きゃこの小説も十ヶ月連載してるんだな」
「びっくりですよね。話も今回で二百三十六話! アニメの劇場版もようやっとギャラ交渉まできましたし、撮影もそろそろですね!」
「何やるかまだ決まってねぇけどな。どうせあのアニメスタッフだぜ? 馬鹿正直に原作完結までの話やるたぁ思えねぇけどな」
「来年の早めごろとか言って、どうせ気付いたら夏になっちゃいましたとか抜かしやがるアル」
「あり得そうだからやめてね神楽ちゃん」
「ま、そんなわけで。銀色幻想狂想曲は来年1月6日までお休み頂いちゃいま〜す」
「少し長い休暇に入ってしまいますが、これからも何卒……」
「「「よろしくお願いします」」」
「…………あれ、私達挨拶出来てないわよ、魔理沙」
「仕方ないぜ、霊夢……」