今年も何卒宜しくお願い致します。
本当ならば昨日更新したかったのですが、頭痛に悩まされた結果一日遅れました……皆様もお身体には充分お気をつけてくださいませ。
それでは、2020年も銀色幻想狂想曲を宜しくお願いします!
第二百三十七訓 しばらく会わないと何かが変わることは起こり得る
幻想郷は博麗神社へと向かう階段。ここに一人の青年が降り立った。青い袴を履き、丸い眼鏡を付けた彼の名前は志村新八。本日、彼は久しぶりに幻想郷の地を訪れたのだった。
「いやぁ、年末年始の休みを経て、実に一週間ぶりにここに来ましたけど、相変わらずの雰囲気ですねぇ」
一人そう呟く新八。元々彼は幻想郷の住人ではない。江戸は歌舞伎町。強者共が集結している街で、万事屋銀ちゃんの元で働いているのだ。主人たる坂田銀時がズボラなせいで全然給料は出ないが、毎日が戦国時代みたいな生活を送っている。
「しかし、令和二年はじめての投稿だからって、なんだかかしこまってる気がするのは気のせいですか?」
地の文に対して話しかけるのは止めて頂きたい。
「とにかく、休んでしまった分しっかり遅れを取り戻さなきゃ。銀さんも神楽ちゃんも今日は先に行っちゃってたみたいで、既に万事屋にはいなかったし……」
呟きながら、彼は長い長い階段を登る。そうしてしばらく時間が経ち、階段を登り終えた彼の視界には──。
「……ってなんじゃこりゃァアアアアア!?」
神社の形を保ちつつ、一大テーマパークみたいな形を為した博麗神社と思われし何かがあった。
入り口のところには霊夢を模したと思われる銅像があり、何やら少し放送してはいけない某ネズミ大国のエレクトリカルなパレードのBGMが常に流れ続けている。そして何故か長蛇の列が出来上がっているその場所は、まるで開演待ちしているかのよう。そして鳥居に掲げられた看板には、『幻想郷博麗ランド』という文字が可愛らしい文字で書かれていた。
「この一週間であの人何改造工事してるんですか!? これじゃあ元の形なんて微塵も残ってないでしょうがァアアアアア!?」
もはや神社ですら無くなってしまっている博麗神社。建物も異様だが、一番異様なのは、『なんの違和感も持たずに並んでいる人達』だった。
「おかしい……この状況に対して何にも思わないのは不自然すぎる……これはまさか、異変が起きたということ……?」
故に新八は、異変という事実に到達する。幻想郷において違和感や異常事態が起きたとすれば、それは間違いなく何者かが引き起こした『異変』に違いないのだから。そう意気込んで新八は前へ一歩踏み出そうとして、
「お? 新八か? 久しぶりだぜ!」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「その声は……っ!」
もちろん新八はその声の主を知っている。これまで数多くの異変を共に解決してきた、頼もしき人物の一人。口調からしても分かる通り、マスタースパークをこよなく愛する彼女の名前は……。
「相変わらず新八は変わってないぜ。男子三日会わざれば刮目して見よとはいうものの、ここまで変化がないとそれはそれでちと飽きちまうぜ。私は変わったぜ。見ての通りな」
白黒を基調とした服を身に纏い、右手に箒──ではなくギターを握りしめ、顔には思い切りパンクなメイクを施している彼女の名前は……。
「なんだ? もう忘れちまったのか? こっちは新八のこと覚えてたというのに酷いぜ……まぁ仕方ないか。しばらく会ってなきゃ忘れちまうのも無理ないぜ。私だよ……」
そう、その人物の名は……。
「霧雨魔理沙だぜ」
しばらくの間、新八は開いた口が塞がらなかった。ポカンとした表情を浮かべつつ、目の前に立つ人物のことを凝視している。まるで珍獣でも眺めているかの如くたっぷりと時間をかけて魔理沙の全身を確認してから。
「誰だお前ェエエエエエエエエエエエ!?」
渾身のツッコミを叩きつけたのだった。
「誰ってお前、今名前名乗ったぜ? もう忘れちまったのか? 新八もついにボケ始めたか?」
「いや、その、エェエエエエエエエエエ!? 薄ら原型留めてるだけでもはや別人なんですけどォオオオオオオオ!?」
「そりゃお前、しばらく会わなければアレンジの一つや二つ加わるぜ?」
「いやもはやアレンジどころか完全に全てが変わってしまったものもありますけどォオオオオオオオ!?」
新八は、完全に姿形を変えてしまっている博麗神社(と思わしき建物)を指差しながら、信じられないといった様子で叫ぶ。それに対して魔理沙は至って冷静に、というか『あぁ』と楽しそうな声を上げた後でこう言った。
「霊夢の執念をかけたプロジェクトがとうとう叶ったからな……これだけの人が集まったら万々歳だと思うぜ」
「プロジェクトって何!? 博麗神社で一体何が起きてるんですか!?」
「霊夢の汗と涙の結晶だぜ! 参拝客が減った博麗神社に人を呼び込むための一大プロジェクト……その名は……っ!」
魔理沙は両手を広げて、高々にその名前を叫んだ。
「博麗神社テーマパークプロジェクトだぜ!」
「なにやってんだあの人はァアアアアア!?」
新八のツッコミが轟いたという……。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第二百三十七訓 しばらく会わないと何かが変わることは起こり得る