「志村様ですね。お久しぶりです」
今回も何処か聞き覚えのある声が新八の耳に入ってくる。魔理沙が謎のロックミュージシャンみたいになってしまっているのだ。次は果たしてどのような変化が待ち受けているのだろうか。
「霊夢の祈願達成の瞬間を見に来たのですね。さぞ喜ばれることでしょう」
もう一人。
女性の声が聞こえてくる。
女性二人組。うち一人は相手の事を『様』とつけて呼んでいる。となれば、浮かび上がってくる人物はかなり絞られてくる。
加えて、相手の服装はとてもよく目立つ。一人はメイド服、もう一人はドレスを着ているのだから。つまりこの二人は紅魔館の住人であり、メイド服の方は……。
「あ、咲夜さんにレミリアさん……って、エェエエエエエエエエエ!?」
二人の様子を見てかなり驚いている様子の新八。そんな彼を見て、メイド服を着た女性が不思議そうな表情を浮かべながら、
「どうかなさいましたか?」
と尋ねる。
「いや、だって、その……」
二人のことを震える手で指差しながら、彼は今心の中で抱えていた事を一気に吐き出した。
「お二人の主従関係が入れ替わってるんですけどォオオオオオオオ!?」
そう。
今メイド服を着ているのはレミリアで、しかも口調まで変わってしまっているためもはや誰だコイツ状態となってしまっている。
対する咲夜は、口調こそ大きな変化はないものの、相手に対して『様』づけでなくなっただけではなく、服装もメイド服からドレスへジョブチェンジしている。この二人に一体何があったというのだろうか。ある意味いろんなパワーバランスすら崩れてしまいそうな展開である。
「何言ってるんだぜ新八。こうなってから既に結構時間経ってるんだぜ?」
そこに、魔理沙から投下された爆弾発言。
今日だけの罰ゲームというのであれば、まだ彼も納得出来たかもしれない。しかし魔理沙は、まるでこうなったのが前からで、当たり前であるかのように接している。つまり、更新を止めていた期間中に彼女達の間で何かがあったというのだ。
「その通りでございます、新八様。美鈴は寝過ぎて引きこもりになり、パチュリー様は小悪魔と共に古ブック市場を営んでおられ、フラン様は屋敷を出られてしまい、失意に満ちていた私を救ってくださったのが……咲夜お嬢様だったのですから」
「紅魔館で色々ありすぎじゃないですか!? ていうか長谷川さんは!?」
「彼ならストリートライブをやると言い出して、紅魔館2ndGを抜け出してしまいました。私やレミリアが止め……てないですけど、止まらなくて」
「止めてなくちゃ止まらないのは当たり前ですからね!? ていうかそしたら2ndGはどうしてるんですか!?」
「今は妙、あやめ、九兵衛の三人に管理させていますわ。レミリアや私に歯向かった罰です」
「姉上ェエエエエエエ!? 何してんだあの三人組ィイイイイイイイイイイ!!」
何かとやらかしている三人娘がとうとう捕えられた瞬間だった。
それにしても、あの三人に2ndGを任せてしまって大丈夫なものなのだろうか。一抹の不安は捨てきれない新八である。
「それにしても新八。いつまでその服装でいるつもりなんだぜ?」
「へ?」
魔理沙の言葉に新八は目を丸くした。
何故今そんなことを言われなくてはならないのか不思議でならなかった。何せ今新八が着用しているのはいつも着ている物。それ以外で着る服などそう多くはない筈。
「お前は確かリグルと二人で屋台を営んでる筈だろ?」
「何それ初耳なんですけどォオオオオオオオオオオオオオオオ!?」
何故かここにきて明らかになる新事実。
流石にこれはおかしすぎると新八は判断し始めた。
「万事屋を卒業するって言った時は驚きましたわ。まさか新八様が……」
「ついにリグルと身を固めると、アレを硬くしながら言った時にはどう反応したものやらと」
「何さり気なくぶっこんでるんだアンタはァアアアアアアアアアアアアア!?」
酷いありさまである。
咲夜が何の躊躇いもなく下ネタをぶち込んでいくスタイルをとっていることに、新八は最早動揺を隠しきれない。というより、彼女の話が本当だとすれば、新八はアレを硬くしていた現場を色んな人に目撃されているということになる。
「これだけの騒ぎとなれば、流石に文々。新聞が……」
「文なら今、はたてに新聞売り上げ負けて引きこもりになってるぜ?」
「天狗が引きこもりになったァアアアアアアアアアア!?」
さり気なく、はたてが引きこもりを治している事実にも驚きを隠せない。
果たしてこの一週間近くで一体何があったのだろうか。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第二百三十八訓 様々な事実が判明していくと理解が追い付かなくなる