さて、なんだかんだで今回の話も佳境へと向かっているというか、やろうと思えば延々と出来てしまうこのお話にそろそろオチをつけなくてはならなくなってきているというか。ともかく、事態の収集にかかっている新八と妖夢の二人にも、いよいよもって疲労の色が見え始めている頃合いである。
向日葵畑に行ってみたら、素敵な花屋敷の住人となってニコニコ笑顔を振りまく幽香がいたり、妖怪の山に訪れてみれば、まず最初に目に飛び込んできたのが『お客神大歓迎! ホテル妖怪の山』という垂幕がかかっていて、この時点で既にいつもとは真逆であることが察せられたり。中に入ってみれば、まずにとりが(お値段以上にとり博物館』を展開し、椛がまさかのマダオとコラボしてストリートライブを行なっていた。尚、守矢神社は何故か不在。建物について特に変わっている点はなかった為、ここは一度スルーして、やけに特ダネを追い求めているはたてと、引きこもりとなって完全に堕落し切った文の処理を冷静に行なった。
最早こうして羅列しているだけでも、今回の件についてのヤバさが伝わってくるだろう。
「そろそろ大きい何かがぶっ飛んできそうですね……」
「や、やめてくださいよ新八さん。それじゃあフラグになってしまうじゃないですか」
「作者が終わらせに来ているのですから、そりゃ何かが起こるに決まってますよ」
「唐突なメタいネタやめてもらっていいですか!?」
真剣な表情で考え込んでいる新八に対して、妖夢がツッコミを入れている光景。
「今回は前と比べて、避難していたために寄生されなかった人達が居たのも事実です。ですが、中には地上に居て尚寄生されていない人もいます……守矢神社の人達はもしかしたら、お二人は神様だから通じていなかったのかもしれません。実は三人とも寄生されてて、何処かで秘密裏に行動しているとかだとしたらなんとも言えませんが……」
そもそもの始まりは、キューサイネトルが幻想入りを果たしてしまったのが始まりとも言えよう。流石に今回の件について彼らのみが対処しているとは考え難い。例えば、既に来ている銀時や神楽とか……。
と、ここで新八の脳裏にある疑問が浮かび上がる。
「あれ? そういえば銀さんや神楽ちゃんっていつから幻想郷に来ているんだろう?」
「少なくとも、今のような状況になり始めた時には既に来てましたし、その時から対応はしていたはずですが……」
新八の問いに対して妖夢が答える。
そう。今回の異変について発生時期がいつなのかは明記されていない。さも今年の初投稿から発生したかのように描かれてはいるが、万一そうではないのだとしたら……?
実はもっと前から今の状況が完成しているとしたら……?
「新八ぃいいいい!」
そうした、珍しく何処ぞのアニメ主人公の如く思考を巡らせていた新八の名前を呼ぶ者が一人。具体的にいうと、アニメ声優で言うところの釘宮ボイスと言ったところだろうか。普段ならば声優の無駄遣いとまで言われているあのキャラの声が新八の耳に届く。
「ま、まさか……」
恐る恐る、声のした方を見てみると、そこにいたのは……。
「やっと会えた……本物の新八……っ!」
「やっぱり神楽ちゃんが神楽さんになってるゥウウウウウウ!!!!」
我儘ボディを兼ね備えている神楽が現れた。それこそ、原作本編でも描かれていたままの通りの姿である。つまり、走るだけで二つのマスクメロンが大きく揺れているのである。そう。揺れているのである。
そのまま神楽さんは新八に抱きつき、その我儘ボディをこれでもかと押し付けていた。
「ちょっとォオオオオオオオ!? いきなり何してるんですか!?」
これには妖夢さんもびっくり。唖然としている様子の彼女を華麗にスルーしつつ、神楽は新八の耳元で囁くように言う。
「ずっと会えないから心配したんだよ? リグルや兎と幸せに暮らすって言った時の新八は、硬くて逞しかったけど……」
「それ新八君の新八君に対する感想だよね!?」
最早新八が節操なしなのは広まってしまっているのではないかと思われる話の流れ。万一これらのことが事実として起こるとすれば、相当の変態が誕生してしまう事になる。何か大事なことを宣言する度に興奮する眼鏡。しかもわりと逞しいという。もっこりでムッツリな男の子誕生の瞬間である。
「でも、こうして見つけることができたから、私はもう離さない……寂しかった分を、埋めて新八……」
「えっ、あ、いや、その、え、えぇええええええ!?」
「何イチャコララブコメしそうになってるんですか!? それイボですよ!? 本人と違いますよ!?」
そう。
これはイボなのだ。
あの我儘ボディもイボで出来ているのだ。血潮も心もイボで出来た偽りだらけの世界なのだ。だが、そんな中でも新八は迷っていた。もうイボでもいいんじゃないか? と……。
「ほぅ……そうして媚を売ることしか出来ないのか。見損なったぞリーダー」
その時、この場にいる誰もが聞き覚えのある声が耳に飛び込んでくる。ほとんどの場合においてポロリ篇でしか活躍しない者の声。かつ、何かしらあると常にスタンバっている用意周到な人物。その人物は、神楽の行いを見てまるで哀れな者を眺めるような眼差しを向けている。
「あ、あなたは……?」
思わず妖夢は尋ねる。
その問いに答えるように、姿を現した。
「この俺は……いや、ヅラ子は……再びとったどォオオオオオオオオオオオオオ!!」
何故かチャイナドレスを身に纏い、自身の顔に化粧を施した桂小太郎……いや、ヅラ子が現れた。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第二百四十三訓 放っておくとカオスは勝手に密度を増していく