銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第ニ十七訓 どんな時も馬鹿は現れてしまうもの

 場所は変わって博麗神社。

 既に臨戦態勢を取っている二人が居る……と、思いきや。

 

「何こたつでのんびりしてるんですかアンタ達はぁあああああああああ!!」

 

 二人まとめてこたつの中でのんびりしていた。

 

「いや、だって外雪よ? こんな中外出るって言うの? 正気?」

「霊夢がこの調子だから、私もいつまでも待っていられなくて思わずこたつの中に入っちまったぜ……前に銀さん達が言っていた事、否定出来なくなっちまったぜ……」

「そうだろう? こたつってのは魔力が備わってるんだ。飲まれたらそう簡単に逃れられないぞ」

「逃れられないぞ~」

「アンタ達までこたつに飲み込まれるな!!」

 

 話している内に、こたつの中へと吸い込まれていった銀時と、そんな銀時に引っ付いているフラン。

 神楽なんかは無言でこたつで寝始める程だった。

 唯一新八だけが元気にツッコミを入れ続けるというカオスな状況。

 

「ってか、魔理沙さんまでそっちに回らないでもらえます!? 僕一人でこの状況どう切り抜けろっていうんですか!!」

「いや、だって寒いぜ?」

「その一言で全部終わらせられると思ったら大間違いですからね!?」

 

 どうやら寒さというものは、時折人のやる気そのものをそぎ落としてしまう魔のアイテムになり得るようだ。普段は常識人側に回ることの多い魔理沙ですら、こたつに埋もれてしまっている程。

 

「ギン兄様、あったか~い」

「そうだなぁ~溶けちまいそうだぁ~」

「ギン兄様に抱き着いていると、本当にあったかい……もっと……」

「もうおかしいからね?! 色々その状況アウトだからね!? 射命丸さーん!! ここに大スクープがありますよー!!」

「おい新八ィイイイイイイイイ! それだけはやめろ!! 今のこの状況撮影されたら……」

 

「呼ばれて飛びててあややや~! 射命丸文ただ今参上~!!」

 

 まさか本当に呼ばれただけで来るとは思わなかったが、防寒具をしっかりと着こんだ射命丸文が、この場に現れた。そして、目の前で繰り広げられている状況を見て、

 

「あやや!? これは大スクープですね!! 写真!!」

「テメェふざけんじゃねえぞマスゴミィイイイイイイイイイイイイイイ!!」

 

 流石にこたつから抜け出して、カメラを壊しにかかる。

 が、時すでに遅し。

 

「ふふーん! 残念でしたね坂田さん。貴方のスクープ写真は既にこの中に入っておりますからね!!」

「なんで俺のスクープばっか撮ってんの!? そこに駄目巫女と駄目魔女がいるでしょ?!」

「おい今なんつった天然パーマ」

「そりゃないぜ銀さん。自分のこと棚に上げるのはなしだぜ?」

「あれぇええええええええ!? 味方いねぇぞぉおおおおおおおおお?!」

 

 ほぼ自分で創り出したカオスな状況。

 流石にこれに対して救いの手は……。

 

「ギン兄様! 何があっても私は味方だよ! ギン兄様とずっと一緒だよ! こうして抱き合ってるとあったかいもん……」

「話をややこしくすんじゃねぇええええええええ!!」

 

 たちが悪いのは、フランは本心でやっているということ。即ち決してわざとではなく、まして悪意があるわけではないということ。百%善意及び本音。それが余計ややこしくする。

 

「今の言葉も頂きましたー! 異変解決と同時発行の新聞を楽しみにしていてくださーい!!」

「全然楽しみに出来ねぇんだけどぉおおおおおおおおおおお!!」

 

 銀時の叫びもむなしく、文は写真を数枚撮って満足したのか、足早にその場を後にしてしまった。

 しばらく無言の時間が流れ、そんな中で新八が一言。

 

「いきますよ」

「……はい」

 

 失意の中、銀時は仕方なくこたつから出た。

 

 

 あの後、魔理沙と霊夢の二人はこたつから抜け出してくれたが、神楽が一向に起きる気配がなかった為、一同はもう置いていくことにした。いつまでもスヤスヤ眠っている彼女を見て、起こそうとしたら逆に大変なことになるのではないかと考えたからである(実際その考えは正しい)。

 

「しっかし寒いわね……本当どうなってんのかしら……ってか、なんでフランまでついてきてるの?」

 

 手を口元に当てて息を吹きかけながら、霊夢は尋ねる。

 フランは銀時に抱き着きながら、

 

「ギン兄様のお手伝い!」

「……紫から依頼があってな。コイツはその助手みたいなもんだ。悲しいことに俺よりつえぇのは確かだからな」

「確かに……フランはすっげぇ強いからなぁ。それだけは確かだぜ」

 

 フランと戦ったことのある魔理沙は、銀時の言葉に納得する。

 霊夢もまた、レミリアの妹であることを知っている時点で戦力になり得ることは考えの中に浮かんでいた。

 一人、新八だけが何も知らない。

 

「しっかし、何処もかしこも雪だらけだなぁ……ん?」

 

 辺りを見渡している銀時は、何かに気付く。

 

「銀さん、雪の中に、何かが……」

 

 それは新八も確認出来たようだ。

 魔理沙と霊夢の二人もまた、その正体に気付く。

 

「これ、桜ね?」

「雪の中に桜が混じっているなんて、不思議なこともあるもんだぜ」

 

 雪に混じる桜。

 今回の異変は、紫によれば、『春が奪い去られた』という。

 つまりこの桜は、奪われた春の残骸を意味するのではないだろうか。

 

「なる程……このせいで春を告げる妖精も姿を見せられないわけね」

「春を告げる妖精、ですか?」

 

 聞き慣れない単語が出てきて、新八が尋ねる。

 

「春妖精はその名の通り、春になると『春だー!』って告げてくれる妖精だぜ。普段ならもう出てきてもおかしくない時期なんだけど、今はそれが出てきてないんだぜ」

「なる程……流石は幻想郷ですね」

「私ちょっと会ってみたいかも」

 

 フランはわくわくしたように呟く。

 

「幻想郷ってのは本当に色んな妖精がいるもんだなぁ……バカだけだと思ったが」

「誰がバカだー!!」

「……この声、まさか」

 

 銀時は溜め息をつきながら、遠くの方を見る。

 前方より、猛スピードで何者かが迫ってきているのが見えた。

 

「あっはっはぁ! ここを通りたければ、サイキョーのアタイを倒してからにしろー!」

 

 野生の馬鹿(チルノ)が現れた。

 

「まーたコイツかよ……なんだよバカ。通せんぼするんじゃねえよバカ」

「バカ~」

 

 銀時と一緒になって『バカ』と言いまくるフラン。

 チルノは涙目になりながら、

 

「う、うっさい! バカバカ言う方がバカなんだ! 今日という今日は……」

「マスタースパーク!」

「えぇえええええええええええ!?」

 

 登場する度、有無も言わさぬ勢いでマスタースパークが放たれる。

 流石にこの理不尽さには、新八も絶叫してしまう程だった。

 

「……おぉ、すごーい」

 

 純粋に尊敬の眼差しを向けるフランと、

 

「流石は魔理沙ね」

 

 賛辞の言葉を告げる霊夢。

 

「おぉ、今日もよく飛んだなぁ……」

 

 と、銀時。

 

「やっぱ弾幕は火力だぜ……またつまらぬ者を吹き飛ばしてしまった」

 

 と、魔理沙。

 

「ちょっとは遠慮という言葉を知らないんですかぁあああああああああ!?」

 

 新八のツッコミは、今日も冴えわたっている模様。

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

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第ニ十七訓 どんな時も馬鹿は現れてしまうもの

 

 




チルノさんェ…。
短編の方でメイン話作る予定なので…(しろめ
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