銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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ついに戦闘はクライマックスへ……!!


第三十三訓 咲き乱れる光の花

「あら、もう終わりかしら?」

 

 幽々子と対峙する三人の息は上がっている。あれから激しい攻防が繰り広げられたが、互いに攻めきれないでいた。霊夢達の身にも攻撃は当たっておらず、傷つくことはない。それは幽々子も同じこと。だが、体力を削られるという意味では、幽々子の作戦は成功していた。

 彼女はあくまで倒さなくてもいい。つまりこれは、幽々子にとっては遊びにしか過ぎないのだ。最初から彼女は、戦ってなどいない。

 ここまで体力を削られてしまっては、霊夢も大技を使用することが出来ない。その為に必要な力が、彼女には備わっていない。

 三人の中で一番体力のあるフランは、未だ争い続けている。弾幕を張り、果敢に攻める。

 フランの弾幕と幽々子の弾幕が、あたり一面を輝かせている。その光景は、不謹慎にも美しいと感じさせるほど。

 

「まだ、だよ……ギン兄様が必ず、来るから……っ」

「無駄だと言っているのがまだ分からないのかしら? その人はここに……」

 

「俺が、なんだって?」

 

「「「「っ!?」」」」

 

 その声は、彼女達が今最も聞きたかった物だった。不敵な笑みを浮かべながら歩くその様は、まさしく主人公に相応しいもの。

 そんな彼の後ろには、同じく木刀を握りしめる少年と、番傘をさす少女の姿。

 

「お待たせして申し訳ありません」

「ヒーローは遅れて登場して、美味しいところを持っていくネ」

「ヒーローもクソも関係あるかよ。今宵はこんだけバカデケェ桜があるんだ。満開ってわけじゃねえが、騒ぐにはもってこいのシチュエーションだろう?」

 

 各々の武器を幽々子に向け、彼らは宣言する。

 

「「「こんな騒ぎに、この万事屋が参加しないわけがないだろう!!!」」」

「ギン兄様ー!!」

 

 フランは今すぐにでも飛びつきたい衝動に駆られるも、目の前に敵がいる事を確認し、なんとか堪える。

 霊夢や魔理沙も、待ってましたと言わんばかりの笑顔で迎え入れる。

 

「ったく、遅刻してどうすんのよ」

「そうだぜ! こちとら音楽と桜を楽しんじまってる所だったぜ!」

「はしゃぎすぎも大概にしろよ? 息上がってんぞ。酔い潰れても連れて帰る奴なんざここにゃいねぇぞ?」

「銀さんこそどうしたんだぜ? 汗かきっぱなしではしゃぎまわったか?」

 

 軽口を叩き合う一同。

 彼らが来ただけで、先程までの雰囲気から一転し、まるでこれから先どうにかなるのではないかと思わせる程の好転方向に変わった。

 それはつまり、幽々子にとっては芳しくない変化でもあり、

 

「あらあら……うふふふふ。あはははははははははははははははははは!!」

 

 同時に、彼女の退屈を完全に無くすにはちょうど良い物となっていた。

 

「テメェが妖夢の言ってた幽々子って奴だな? ったく、テメェが余計なことしてくれたおかげで、こちとら懐かしい奴と会わなきゃいけなくなっちまったぜ。文句の一つも言わせやがれコノヤロウ」

「ここは亡霊住まう冥界よ。貴方が会ったのはその一人に過ぎないのではなくて?」

「その亡霊が本当に余計な奴だったわけだ……このまま満開にさせようとすると、本気でここも幻想郷も潰れかねないぜ?」

「私はただ、あの西行妖を満開にさせたいだけよ。美しい桜を眺めたいのは誰もが望むことではなくて?」

「だろうな。だが、花を愛でる奴からすれば、今のこの状況は許せねぇ物のはずだ。人工的に無理矢理咲かせる花なんざ、美しさの欠片も感じねぇ。だから……」

 

 木刀を構え、彼は宣言する。

 

「その桜ごと、テメェの企みへし折ってやる!!」

「うふふ……なら、存分に足掻いてみなさい、人間!!」

 

 そして彼らの決戦が幕を開ける。

 開幕と同時に、幽々子は蝶の形をした七色の弾幕を縦横無尽に張り巡らせる。

 銀時と新八は木刀で斬り伏せて、神楽は番傘に搭載されている銃弾で撃ち落とす。霊夢達は弾幕で相殺して事無きを得る。

 無数の光が輝くその光景は、幻想的な美しさを演出していた。

 

「銀ちゃん!!」

 

 神楽は番傘を振りかぶりながら、銀時まで近づく。それを確認した銀時は、その場で立ち止まり、

 

「いくぞぉおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 地面を蹴り、真上に飛ぶ。

 そこに、神楽が番傘を振り上げる。

 銀時は神楽が振り上げる直前に番傘に着地し、

 

「フヌォオオオオオオオオアアアアアアアア!!」

 

 振り上げられた番傘の力を利用して、幽々子の元まで飛んだ。

 

「面白いわね。けど……」

 

 そうやって近づいて来たことに感心する幽々子だったが、飛べない人間が空中に出るということは、隙を生んでしまうということ。

 彼女は弾幕を以て迎え討とうとして、

 

「なっ……!」

 

 視界の外から飛んできた木刀に目を向けて、追撃せざるを得なくなった。

 それは新八が投げつけた木刀。幽々子が銀時に追撃を仕掛けようとするのを先読みして、予め投げつけた一撃。

 

「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 気高く吠え、銀時は木刀を振り下ろし、幽々子の身体を西行妖に叩きつけた。

 

「ぐぅ……っ!!」

 

 幽々子は叩き付けられた衝撃で身体にダメージが与えられる。大きな衝突音が辺りに響き渡るのと同時に、それまで花をつけていた西行妖から、花びらがどんどんと舞い落ちていった。その花びらは、地面に落ちることはなく、霧となって何処かへ消えていく。

 

「桜符『完全なる墨染の桜-開花-』!!」

 

 それは西行寺幽々子が放つ全力のスペルカード。大きな玉を放った後、そこから無数の蝶形の弾幕を張り巡らせる。

 

「神霊『夢想封印・瞬』!!」

「魔砲『ファイナルスパーク』!!」

「QED『495年の波紋』!!」

 

 故に彼女達も最大級のスペルカードを放つ。辺り一面に広がる弾幕は、衝突を繰り返すたびに炸裂音を響かせて、七色に輝く芸術的な光となる。

 

「「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」」

 

 彼女達は、自身が持ちうる最大級の力を以て、相手の弾幕に打ち勝とうとする。これを乗り越えれば、自らの勝ちとなることを信じて。

 だが。

 

「チェックメイトだ。てめぇの負けだぁあああああああああ!!」

「っ!?」

 

 幽々子はこの瞬間だけ忘れてしまっていた。

 ここには弾幕を放つことのない人物達も存在し、さらにその中で、自身にとどめを刺す可能性がある人物がいることを。

 銀色に輝く、白夜叉という存在を。

 

「……あぁ、これはもう」

 

 銀時の攻撃が幽々子に襲いかかる直前、彼女はポツリとつぶやいた。

 

「完膚なきまでに、私の敗北ね……」

 

 そして、幽々子の意識は、そこで途切れた。

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第三十三訓 咲き乱れる光の花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うふふふふ」

 

 

 

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