銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第四十七訓 ガラクタは集まると余計に邪魔になる

「あんたがここの主人なのか?」

 

 眼鏡をかけた青年、霖之助に対して銀時が尋ねる。霖之助は笑顔を絶やす事なく、

 

「えぇ。森近霖之助と申します。以降お見知り置きを」

 

 爽やかに自己紹介を済ませるのだった。

 

「香霖! 何か目新しいものがあったら教えて欲しいぜ!」

 

 魔理沙は目を輝かせながらあたりを物色している。気の知れた相手しかいないからか、それとも元々なのか。普段以上に遠慮していないのが見て取れる。

 

「そうだね。今日は坂田さんもいることだし、もしかしたら色々分かることがあるかもしれないからちょうどいいね」

 

 そう言うと、霖之助は店の奥に引っ込む。どうやら最近入った品物についてはまだ店頭に並べていないようだ。

 その間に銀時はあたりを見回す。並んでいる品々は、銀時が見たことのないような使用用途不明のアイテムもあったが、中には一昔前に流行ったものや、既にほとんどの家庭で見られなくなったものまで、実に幅広い。アリスの言う通り、ここは外の世界で忘れ去られた物も含まれていた。

 

「あったあった。いくつか出してもいいですか?」

「あぁ」

 

 霖之助は、机の上にいくつか物を置く。そして四人による品定めが始まった。

 

「まずはこれですね」

 

 最初に霖之助が取り出したのは、円筒に棒の腕と、死んだ目をした顔がついただけの、実にシンプルな出来をした何か。

 

「なんかこの目、銀時に似てるわね」

「本当だぜ! 死んだ魚の目をしてる! ってことはこれは銀さんの忘れ物か?」

「んなわけあるかぁああああああああ!! つかなんでジャスタウェイここに流れてきてんのぉおおおおおおおおおお!?」

 

 ジャスタウェイ。

 ジャスタウェイは、それ以外の何物でもない。それ以上でもそれ以下でもない。かつて銀魂を象徴するアイテムだったものの一つである。

 

「ジャスタウェイ? それはどのように使うのです?」

「これ、爆弾」

 

 ジャスタウェイとは、銀魂初期の方で登場した爆弾のことである。威力については、一つだとお察しというところだが、複数になるとかなり段違いとなる。

 

「こんな形してて爆弾なのね……外の世界はわからないことだらけね」

「大量に用意すればそれなりの威力になるんじゃないか? そうだとすればかなり使い道ありそうだぜ! 死んだ魚の目をしてるけど」

「まぁ……そうだな……」

 

 魔理沙はジャスタウェイを弾幕ごっこに使用するつもりなのだろうか。

 そんなことを考えながら銀時はポツリと呟いていた。

 しかし霖之助は、

 

「爆弾と聞くとこれは危ないね……僕の方で処分しておきます」

 

 と、店の奥に戻してしまった。

 

「えぇー!? そんなのあんまりだぜ!! せっかく面白そうなものが入ったと思ったのに!!」

「魔理沙を危ない目に遭わせるわけにはいかないからね。弾幕ならまだしも、爆弾となると流石に看過出来ない」

 

 霖之助の言うことももっともであった。自分の店で売ったもので他人が傷つく事など言語道断。ましてそれが知り合いとなれば尚更だろう。身内を思っての行動だった。

 

「ちぇー、そこまで言われちゃ仕方ないぜ……」

 

 どうやら魔理沙も渋々ながら諦めたようだ。

 

「続いてはこれなんだけど……」

 

 次に霖之助が出してきたのは、

 

「なによこれ、ボール?」

「二つあるぜ? ってかなんかズルズルしてるぜ……」

「星型のマークが入ってますね。何に使うんでしょうこれ?」

 

 三人は何が何だか分からなそうな表情を浮かべている。そんな中、銀時だけが、

 

「これ、龍のボールじゃねえか!? 実在してたの!? かめはめ波撃てるようになるかもしれねぇじゃん!! ……けどなんでズルズルしてんのこれ」

 

 ジャンプをこよなく愛する彼だからこそ、最初は目を輝かせていたが、段々テンションが落ちていく。それもそうだろう。これは決して龍のボールではない。ズルズルボールなのだ。

 

「なんかズルズルしてるし、これは店の奥にしまっておきますね……」

「星のマークのことを考えればあと何個かあるんでしょうけど」

「ズルズルで触りたくねぇぜ……」

 

 こちらに関しても悲しくお蔵入りとなる。

 さて、続いては。

 

「……おい、こんなもんまで流れてきてんのかよ」

「? 銀さん知ってんのか?」

 

 銀時の顔色が悪くなったのを見て、魔理沙が尋ねる。

 今彼らの目の前にあるのは、ハートの形をしたお香のようなもの。まだ炊き上げられてないので効果は出ていないが、その脅威を銀時は知っている。

 一応対応策となるだろうと思われる、ヒビの入ったハート型のお香もあった。

 即ちこれは……。

 

「それは愛染香。ヒビ入ってるのは愛断香。簡単に言えば惚れ薬とそれを破るためのものだ」

「へぇ……そんなものまであるのね」

「なんだか面白そうだぜ!」

「外の世界もなかなかすごいですね……」

「いや何乗り気になってんの!? これのせいで相当大変なことになったんだからな!?」

 

 結局のところ、この他にも出てきたアイテムはガラクタばかりだった。銀時達の店内探索および魔法の森冒険はこれにて閉幕。

 ただし、彼らはまだ知らなかった。

 この中のうちいずれかは、後々登場して非常に面倒臭い出来事を招くことになるなどと……。

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第四十七訓 ガラクタは集まると余計に邪魔になる

 




銀魂世界からいろんなものが流れ込んでいますよ回でしたー。
この中のうちのいずれかは、後々登場致しますん。
そろそろ異変が始まる頃でしょうか……?
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