永遠亭に着いた銀時達。
最初に待ち受けていたのは……。
「待ってたわ!! 愛しの旦那様♪」
ハートマークをたくさん飛ばしまくっている輝夜だった。
彼女は銀時が来たことを確認すると、真っ先に飛びついて、その腕に抱き着いたのだ。
「ちょっと!!」
そんな彼女に、猿飛が反応しないわけがない。
「何いきなり銀さんに抱き着いているのよ! 離れなさいよ雌豚!!」
銀時と輝夜の間に割って入り、無理矢理引きはがした。
そんな彼女に対して、不満の色を一切隠すことなく輝夜は言う。
「何よ? 私と旦那様の愛の時間を邪魔する気?」
「おい銀時、どういうことじゃ? これは一体何の冗談じゃ?」
それはもう鋭い眼差しで、月詠は銀時を睨み付ける。
それに対して銀時は、
「こいつが勝手に言ってるだけだ! 第一俺は馬鹿姫の旦那になるつもりなんざ一切ねぇ!!」
と、必死に説明。
「落ち着いてください、猿飛さん、月詠さん。これは輝夜さんが勝手に言ってることなので」
「ちょっと眼鏡? 旦那様と私の関係を妄想だなんて一蹴するのやめてくれない?」
「いや言ってねぇけど!? アンタが勝手に変な解釈しただけだからな!?」
ここでも新八の扱いは相変わらずのようだ。
「……とりあえずさっさと入るわよ。いつまでも入口でたむろしてる場合じゃないでしょう」
心なしか青筋入った霊夢が先導する。
魔理沙はその怖さに、身体が若干震えあがる程だった。
「何故博麗殿はキレているのだ?」
桂は乙女心を理解し切れていないらしい。
「そうね。永琳や鈴仙、てゐ達が準備してくれた宴会。是非とも楽しんでいってね、旦那様♪」
「他の人達は!?」
銀時がツッコミを入れるものの、宴会会場に行かないわけにもいかなかった為、そのまま答えを聞くことなく奥へと向かう。その間も、輝夜は銀時の腕を再び掴んで離さない。
猿飛と月詠の顔に青筋が入るのが見て分かる。
「……銀ちゃん、何か胸焼けするから勘弁してほしいアル」
「イチャイチャするなら余所でやってもらってもいいかしら? 銀さん」
神楽とお妙による精神攻撃。
銀時はそんなの関係ねぇと言わんばかりに受け流す(というか本人はイチャイチャしている気はさらさらなく、むしろ離してほしいとすら思っている)。
「言うならそこの馬鹿姫にしてくれ。俺は何も悪くねぇ」
「イチャイチャだって、旦那様♪私達やっぱりお似合い夫婦なのよ♡」
「こっちから願い下げだって言っただろ!?」
なんと輝夜のめげないことか。銀時相手にここまでアプローチをかけてくるということは、それだけ本気で彼のことが好きであるということの表れ。なるほど、その一点においては意思の強さが評価されるというもの。
「そっちがその気なら、私だって考えがあるわよ……!!」
ただし、修羅場を招く危険性だけはべらぼうに高くなるのだが。
銀時から一向に離れようとしない輝夜を見て痺れを切らせてのか、もう片方の腕に猿飛が抱き着いた。
「きゃー! 銀さんに抱きついちゃった!!」
「テメェまでこっち引っ付いてくんな雌豚ガァアアアアアアアアアアアアアアア!!」
銀時必死の抵抗。
しかしそこは恋する乙女の謎パワー。輝夜も猿飛も振り払うことが出来ない。何処からやってきているのか分からないが、絶大な力で彼にしがみついている。
「……おい銀時、わっちは一体どうしたらよいのじゃ? ぶっ刺せばいいのか? 宴会場辿り着く前に血の宴をお披露目した方がいいのか? ん?」
「それも悪くないかもしれないわね……協力するわよ。そこの天然パーマを地獄に叩きつける為のね」
「いやそれもうただの殺人予告ですからぁああああああああああああ!!」
青筋入りすぎて最早血管がはち切れそうな月詠と霊夢の二人によって、不穏な殺人予告が為されている。新八は必死に二人を止めている。
「あぁ……これがもし前回の宴会で起きてたら……俺首になってたかもしんねぇ……」
長谷川は遠い目をして今の惨状を眺めていた。
「銀時……なかなか愉快なことになってるなぁ。お主いつからそこまで女子に好かれるようになったのか。俺としてはびっくりだ」
『女殺しめ』
桂がウンウンと頷き、エリザベスがプラカードにて殺意のこもった文字で書く。
「ああもう! このままじゃいつまで経っても中入れないぜ!!」
頭を掻きむしりながら、この中の常識人枠である魔理沙が叫ぶ。元々カオスな空間になることは覚悟の上であったとはいえ、まさか入るまでにこれほど時間がとられるとは思ってなかったのだ。
しかも、まだ中にはフランや幽香もいる。激化するのはむしろこれからなのだ。
「「……はぁ」」
今回の常識人枠である新八と魔理沙は、盛大に溜息をついた。
銀魂×東方project
銀色幻想狂想曲
第六十一訓 男を巡った戦いを止める方法はない
短めですが、キリがいいので今回はこの辺りでー。
修羅場はまだまだ続きます!