「いやぁ、すまなかった!」
歌舞伎町を歩きながら、近藤が謝罪する。謝罪を受けている張本人である銀時とフランは、信用してもらえたのならもういいと言いたげな表情を浮かべていた。
誤解も解けた所で、現在銀時達は歌舞伎町を練り歩いている。フランがどうしても銀時のいる街を見てみたいと言ったからだ。
屋敷のことは神楽と新八、そして山崎や沖田、土方に任せている。
近藤も後から合流するようで、今はとりあえず謝罪する為についてきたようだ。
「俺ぁてっきり、万事屋がついにロリコンに目覚めたのかと思っちまったぜ!」
「勘弁してくれ。別に俺は犯罪者になるつもりはねぇよ」
「ろり、こん?」
「フランは気にしなくてもいい言葉だ。忘れろ」
答える代わりに頭を少々乱暴に撫でる。不満そうではあったが、それでも撫でて貰える嬉しさの方が優ったようだ。
「しかしまぁ、本当仲良いなぁ。万事屋にここまでなつくのも珍しいんじゃねえか?」
「そうかもな。けど、こういうのも悪くねぇって思えるようにはなったぜ」
「えへへ。ギン兄様と一緒にいると、心がポカポカするの!」
本当に嬉しそうにフランは言う。彼女にとって、銀時との時間は本当に貴重なのだ。
「……そうか。万事屋、大事にしろよ。その荷、おろしちゃいけねぇぜ」
「わかってるよ、んなこと」
近藤はそれだけを告げると、その場から立ち去っていった。
銀時とフランは、そんな彼の背中を見送る。
そして、
「お妙さぁああああああああああん!!」
「じゃあかあしぃわゴリラがぁああああああああああ!!」
すぐ近くに居たお妙に対して変態行為を繰り出そうとしたところで、お妙の豪快な蹴りを喰らっていた。
「……見なかったことにしような」
「……うん」
どうにも締まらないゴリラである。
※
歌舞伎町の至る所を歩いている二人。
フランが銀時の腕に抱き着いて、そんな彼女を銀時が導くという感じ。どう見てもカップルのそれにしか見えないのだが、二人は付き合っているわけではない。
「なんか、みんな楽しそうにしてるね!」
辺りに居る住人を見ながら、フランは言う。
確かに、ここに住んでいる人々は皆、楽しそうに生きている。
笑顔が絶えないのはとてもいいことだろう。
「まぁな。ここは飽きねぇ場所だからな」
華の街歌舞伎町。
少し歩くと風俗街に突入してしまうが、フランが居る為そういった場所は敢えて避けている。
それでも尚、華やかで面白いのが伝わってくるのだから、十分凄い場所であるだろう。
「お? 銀の字じゃねえか!」
「ん? その声はまさか」
ちょうど歩いている時、何者かに声をかけられる。
銀時とフランが後ろを振り向くと、そこには……。
「なんだぁ? そこに居る女の子は銀の字の娘か何かか?」
パワードスーツに身を包んだ、平賀源外だった。
「なんでパワードスーツ着こんでんだよテメェハァアアアアアアアアアアアアアア!!」
「いやぁ、試作品の試運転で外に出てみたんだけどな? これが思った以上にうまくいったもんだから乗り回してんだよ! 楽しいぜ?」
「いやなんかミニチュアのガン●ムみてぇな感じになってっけど!? それもう外出しちゃいけねぇ奴だよな!?」
「何を言うか銀の字! これはガ●ダムじゃなくて、蛾霧駄無だぜ!!」
「ただの当て字じゃねえかァアアアアアアアアアアアア!!」
もう好き放題やりまくる源外。これで指名手配犯なのだから、どうしたものなのか分からない。
一方でフランは、凄い目を輝いていた。
「凄い! この人もギン兄様の知り合いなの!?」
「あぁ……発明家なんだよ、こう見ても」
溜め息吐きながら言う。
「なんだ銀の字! パワードスーツ着ていかねぇのか?」
「着ねぇよ!? ぎりぎり実写ネタ持ってくんじゃねえよ!!」
「ギン兄様! 私あれ着てみたい!」
「止めろフラン!! 目を輝かせんじゃねえ!! あれ着たらなんか色々終わる気がするから!!」
何というか、銀時も止めるのに必死になっている。
「ちぇー、なら他当たってみるぜ。じゃあな銀の字!」
そのままパワードスーツで空を飛びながら、源外は去って行く。
「……あの人、原作通りなのか? これ」
ポツリと銀時は呟いてしまった。
※
その後も、フランと銀時は街中を歩いていく。
道行く人に挨拶をされたり、中には少し話したりする。
そんな二人が次に会ったのは、
「これは銀時様。幼気な女の子とお二人でデートでしょうか?」
買い物袋を持って話しかけるのは、美少女型からくり人形こと、たま。スナックお登勢で働いている彼女だが、今はその買い出し帰りと言ったところだろうか。
「なんだ、たま。コイツも立派な仕事だ。買い物帰りか?」
「えぇ。銀時様は女の子と一緒に歩くのがお仕事、と?」
「館の主人の妹なんだ。それに、コイツと歩くのは案外楽しいしな」
フランの頭を撫でながら、銀時は言う。
「ギン兄様、この人は……?」
「あぁ、俺ん家の下で働いている……ってか、コイツは人じゃなくてからくり。立派な機械だ」
「えぇ!?」
フランは驚いたような表情を浮かべている。
確かに、たまは見た目は完全に普通の人間だ。
「さっきパワードスーツで飛んで行った源外の爺さんが作ったからくりだ」
「源外様は何をされているのでしょうか……」
自身を作ってくれた張本人の良くわからない行動を聞いて、たまは思わずそう呟く。
「わ、私! フランって言うの!」
「フラン様、ですね……銀時様のこと、よろしく頼みますね」
「う、うん!」
嬉しそうにフランは答える。
たまはそんなフランの頭を優しく撫でていた。
「銀時様。フラン様、凄くかわいくていい子ですね」
「だろう?」
改めて、歌舞伎町を堪能しまくった二人なのだった。
※
ちなみに。
「よぅ、雌豚。そんな可愛らしい格好になりやがって、なかなかいいじゃねえか」
「なんだよチンピラチワワ。わざわざ馬鹿にしに来るとは暇人アルな」
「まぁまぁ神楽ちゃん。手伝いに来てくれたんですから」
「馬子にも衣裳とは、よく言った物だな」
「聞こえてますからね、土方さん」
紅魔館2ndGは、本日も平和そうです。
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第六十六訓 子どもは機械に憧れるもの