銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第六十八訓 道具の合わせ技はかなり卑怯

「魔理沙じゃない。何しに来たのよ」

 

 しばらくして。

 銀時が掃除、魔理沙がそれを眺めている所に、博麗神社の巫女である霊夢が姿を現した。魔理沙を見つけるなり、溜め息を吐く。恐らく暇つぶしであることは分かっているが、一応目的を尋ねている、というところだろう。

 

「暇だから遊びに来たぜ!」

「……やっぱりね」

 

 目的が分かりやすすぎるのも考え物である。

 

「ってわけで、お茶出してくれ! 霊夢!」

「なんで魔理沙が偉そうなのよ。それに見て分からない? 掃除中よ」

「何言ってんだよ霊夢。そんなの見て分かるぜ?」

「少しは手伝おうとは思わないのかしら……」

「無駄だ、霊夢。俺もさっき言って、断られたところだ」

 

 銀時が、地面を掃きながら、呆れたように呟く。

 それを聞いて、霊夢も『あぁ……』と納得したようだ。

 

「だってよー、掃除するより、銀さん達とこうして話している方が楽しいぜ?」

「そりゃ大変名誉なことで」

「全然心がこもってないじゃない……」

 

 完全に銀時がスルーしているのが霊夢には簡単に察知することが出来た。それだけ銀時の言葉は適当だったのだろう。魔理沙もまた何処か白い目をしながら銀時を見ている。言われた張本人にもバレているようだ。

 

「ってか魔理沙。お前もきちんとツッコミの仕事しろよな……初期設定もう忘れたの?」

「初期設定ってなんだぜ!? 第一ツッコミなら新八がいるじゃねえか!」

「今この場に眼鏡はいないわよ? つまり貴女の仕事よ、魔理沙。さぁ頑張りなさい」

「全部私に投げようとすんのはよくないぜ霊夢!?」

「なんだろうなぁ……魔理沙のツッコミはスピードこそよくなってんだけど、もっとこう、勢いが足りねぇよな……新八のは勢いとかもあるからな。そんなんじゃツッコミ検定免許皆伝までの道のりは険しいぞ?」

「そんな検定聞いたことねぇし、とるつもりもねぇぜ!?」

 

 気付いたら完全に魔理沙を弄る会が始まっていた。完全に魔理沙とばっちりを受けているの巻。

 

「ふっふっふ……」

 

 そんな彼らの所に響き渡る、とある者の笑い声。

 

「あ?」

「霊夢、今笑い声が聞こえたぜ? 何企んでるんだ?」

「なんで真っ先に私を疑うのよ。確かに女性の声だったけど……」

 

 何故か笑い声だけで犯人扱いされる霊夢。

 若干青筋立っているのは気のせいだろうか。

 そんなわけで、声の出どころを探る為に辺りを見渡していた銀時達だったが。

 

「……え?」

 

 少し離れた霊夢の所に、何かが降ってくる。

 

「……ん?」

 

 魔理沙には、それが何なのか若干だが見覚えはあった。

 そして、銀時は……。

 

「なんでジャスタウェエエエエエエエエエエエエエエエエイ!?」

 

 見事なシャウトで、その正体を叫ぶ。

 

 そう、何故か、霊夢の前に、ジャスタウェイが落ちてきた。

 

「いやぁあああああああああああああああああああ!!」

 

 ドガァアアアアアアン!

 それはもう見事なまでの大爆発。

 ジャスタウェイが霊夢の目の前で爆発し、辺りに桃色の煙が立ち込める。やがてそれらは風によって霧散し、完全に姿を消した。

 

「だ、大丈夫か! 霊夢!?」

 

 真っ先に銀時が駆け寄る。

 後から魔理沙もついてくる形となったが、

 

「キシシシシシ! 上手くいった!」

「誰だぜ!?」

 

 魔理沙は声の主を探す為、銀時達とは少し離れた場所へと行く。

 一方銀時は、

 

「……ん? 桃色の煙?」

 

 ジャスタウェイから出てきた桃色の煙が気になったが、霊夢の安否の方を気にすることにする。

 爆発に巻き込まれたにしては、特に目立った外傷は見当たらなかった。一応無事だったことに銀時は安堵し、安堵の溜息をつく。

 

「爆弾と妙な物の合わせ技をしたらどうなるのか実験してみたかったけど、どうやら成功したみたいだ!」

 

 ニヤニヤしながら魔理沙の目の前に現れたのは、

 

「お前は……因幡の兎!!」

 

 幻想郷のトラップマスター、因幡てゐだった。

 

「森にある店で面白い物見つけて、そして二つ合わせたらどうなるのか試してみたかったんだ! 結果は大成功! 博麗の巫女も地に墜ちたってところだな!」

「お前……あの爆弾の他に何か混ぜ合わせたのか?」

 

 魔理沙は尋ねる。

 するとてゐは、ニヤニヤしながらこう答えた。

 

「あの爆弾には、とある煙をたくさん充満させておいたんだ! 何やらピンク色の煙が漂っていたが、私は匂いをかがないようにしっかり対策してたから、何の効果があるかまではさっぱり分からなかったけどね!」

「……まさか、あれって……」

 

 魔理沙は思い当たってしまった。

 てゐは今、森の店で見つけた面白い物を使った、と宣言した。

 そして魔理沙達はつい先日、銀時の世界から流れてきた面白い物を何個か目撃している。

 ジャスタウェイもその一種だった。

 と、いうことは……。

 

「れ、霊夢ぅううううううううう! 今銀時を見てはいけないぜぇえええええええええ!!」

 

 気付くまでに数秒。

 確かに、あの時こそ面白そうだと興味津々だった魔理沙だが、それは自分達の周りで被害が及ばなければという前提の元。

 そして、魔理沙の叫び声で気付いたのか、

 

「ま、まさか、これって……」

 

 銀時も、アイデアロールに成功してしまう。

 一方で、何の事だかさっぱり分からない霊夢は、

 

「ん……一体何なのよ……」

 

 それはもうバッチリと、目の前に居る天然パーマちゃらんぽらん侍の目を、しっかりと見つめてしまった。

 

「お、おい、霊夢?」

 

 銀時、冷や汗だらだら。

 霊夢、しばらくの間銀時の目をジッと見つめて、

 

「何見つめてんのよ天然パーマぁあああああああああああ!」

「えぇええええええええええええええええ!?」

 

 思い切り銀時を吹き飛ばした。

 

「よ、よかったぜ霊夢! 何ともないんだな!?」

 

 慌てて魔理沙は駆け寄る。

 近くに居たてゐは、そんな様子を面白くないと称し、そのまま何処かへ行ってしまった(というかこれ完全に犯人逃亡している)。

 

「えぇ、この私が……博麗の巫女が何か起こるわけないじゃない」

「そ、そうだったぜ……異変解決のスペシャリストだもんな」

「そうよ……この私が……銀時のことなんて惚れてるわけないんだからねっ!」

 

 思いっきり、目がハートになっていた。

 

 

 そう、これは喜劇。

 されどこの喜劇、広まり方を間違えてしまえば、ただの惨劇にしかならない。

 これはその一日をまとめた、喜劇録である。

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第六十八訓 道具の合わせ技はかなり卑怯

 

 




さぁ、という訳で!!
喜劇『愛染香』篇スタートです!!
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