銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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なんと!
記念すべき八十話です!!


第八十訓 ややこしいことは時々重なってしまうもの

 魔理沙とアリスによる幻想郷探検。

 その二人についていくのは、新八・神楽の二人と、真選組四人。

 現在彼らが来ているのは、魔理沙とアリスペアのホームである魔法の森。

 

「なんだか随分と迷いそうな場所ですね」

 

 辺りを見渡しながら、山崎が言う。

 

「どうやらキノコとかもたくさん生えているようだな! これ、食べられるのか?」

 

 珍しそうなものを見る目で、森に生えているキノコや草などを眺める近藤。

 そんな彼にアリスは忠告する。

 

「そこに生えている奴を無闇に食べない方がいいわよ。何が起こるか分からないから」

「そうなんですかい? それじゃあ土方さん。いっちょパクッといっちゃってくださいよ」

「テメェ話聞いてなかったのか? なんで俺に毒味させようとすんだよ!」

「話聞いてましたよ? だから土方さんに頼んだんじゃないですかい」

「尚タチ悪いわ!!」

 

 相変わらず土方のこととなると、途端にSになる総悟である。

 

「まぁ、幻想郷を案内するなら香霖堂は外せないぜ! 面白い品物とかもたくさんあるしな!」

「たまにシャレにならないものもあるけどね……」

 

 魔理沙の言葉に合わせるように、アリスは溜め息を吐きながら言う。

 確かに、つい先日痛い目を見たばかりだ。

 

「本当、幻想郷って飽きない場所だなぁ……」

 

 近藤は呟いた。

 確かに、幻想郷もまた、歌舞伎町と負けず劣らず、様々な騒ぎがやってくる。

 そう言った意味では似通っている部分があると言っても過言ではないのかもしれない。

 

「……待って、魔理沙。何か様子が変よ」

「え?」

 

 少し歩いた所で、アリスが何かを察知したのか、新八達の足を止める。アリスの言葉を聞いて、魔理沙も辺りを見渡してみると、

 

「……なんだ? 何か人の気配がするぜ?」

「しかも結構な数だ……こりゃただもんじゃねえぞ」

 

 土方もまた、タバコを吸いながら辺りを見渡す。彼らはこう言った類のことには慣れている。つまり、慣れている事態に陥っているということは、

 

「まさか……敵ですか?」

 

 新八が尋ねる。

 

「その、まさかかもしれないでさぁ。尋常じゃねぇ殺気が放たれていやすぜ」

「馬鹿な……ここは幻想郷だぜ?」

 

 幻想郷において、殺し合いになることはそうそうない。

 弾幕ごっこというルールが成立しているのもある意味その為だ。

 だからこそ、これは……。

 

「なっ……!」

 

 森の影から飛び出してきたのは、エルフのようにとがった耳の部族。

 

「馬鹿な……コイツらは辰羅……傭兵部族が何でこんなところに……!?」

 

 驚いた様子を見せたのは近藤だった。

 彼は真選組局長を務めている程なので、その知識量も多い。もちろん他の三人もまた、目の前に現れた者達が何者なのかを把握することは出来ていた。

 新八や神楽は、名前こそ聞き覚えはないものの、目の前に居る奴らが、歌舞伎町で以前見た相手に似ていることは確認出来た。

 

「アリス……コイツら、ただ者じゃねえぜ?」

「そうね……多分、私達の世界の住人じゃなくて、銀時達の世界の住人。けど、どうしてここに……?」

 

 歌舞伎町から幻想郷に来るパターンは、現在二つしかない。万事屋銀ちゃんを通っていくか、紅魔館2ndGを通っていくか。しかし、そのどちらでもないのが確信出来る。

 何故なら、前者の場合ならば家主である銀時が気付く可能性が高いし、後者の場合は長谷川や紅魔館の住人が目を光らせるからだ。

 即ち、今目の前に居る者達は――。

 

「後からこの幻想郷にやってきた、ってことになりますね」

 

 新八は、木刀を構えながら答える。

 

「ほう……其方らのような者達がこの世界に足を運んでいようとは……これはもしや、あの時の借り、返せるやもしれぬなぁ」

 

 その時。

 森に響き渡ったのは、面妖な女性の声。

 

「新八君! 神楽ちゃん! 後ろ!!」

「「っ!?」」

 

 山崎の声を聞いて、新八と神楽はとっさに後ろを振り向く。

 そこに立っていたのは、

 

「この地でわらわは、天下を納めよう。その為の贄としてわらわに命を差し出すがよい……宇宙海賊『春雨』第四師団団長、華陀に大人しく差し出すのじゃ」

 

 かつて歌舞伎町を手にしようと企み、落ちぶれてしまった四天王が一人、華陀が、不敵な笑みを浮かべながら再び舞い降りたのだった。

 

「なっ……宇宙海賊『春雨』だと!? どうしてそんな奴らが幻想郷に!?」

 

 近藤としては、今目の前に現れた人物がとんでもないことに驚きを隠せなかった。

 何せ華陀は、幻想郷に存在する筈のない人物。

 

「……そうか。この女性だけは別なのよ。本来幻想郷は『外の世界で忘れ去られた人』が流れ着く場所でもある……周りに居る者達はともかく、この女性は、外で忘れられた存在……」

 

 アリスは、正解に辿り着いた。

 華陀は、歌舞伎町を取り巻く騒動が終結した後、獄中に閉じ込められたまま、誰からも存在を認知されずに終わっている。即ち、彼女を覚えている人物がいなくなってしまったのだ。

 故に、彼女は幻想郷に流れ着いた。

 

「そして今回、幽霊に関する何かしらの異変が噛み合って、こうしてややこしい事態に陥っているってことよ」

「……なんだかよく分からないけど、ブッ飛ばさなきゃならないことは理解したアル」

 

 神楽は相手から一ミリも視線を逸らすことなく、アリスの言葉に反応する。

 少なくとも、今この状況は望ましくないことは誰もが理解していた。

 

「ここには次郎長や邪魔をする者はおるまい……存分に狩りが出来るというわけじゃな」

「どうかな? 俺達だって馬鹿じゃない。ただ突っ立ってやられるのを待つ程木偶の坊じゃねえもんでな」

 

 刀を構え、近藤は前に出る。

 残りの真選組三人もまた、刀を構える。

 新八や神楽、魔理沙やアリスもまた、戦闘態勢を取る。

 

「存分に抵抗してくれて構わぬぞ? ただし其方らは、どのみちわらわにやられる運命じゃがな!!」

 

 そうして、華陀の号令と共に、傭兵部族達が彼らに襲い掛かってきた。

 

 こうして異変は、少しずつ拡大していく。

 

 

 

 

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