銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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何とか今日中に一話投稿することが出来ました……。
平成最後の投稿です!


第八十四訓 不審者について行ってはいけません

 銀時が悶絶している間に、ミツバは少しだけ席を外していた。一人で気持ちの整理がしたいということで、外の空気を吸うついでに店の周りを散歩していた。

 彼女の願いが、少しずつ現実となりつつある。かつて手を伸ばした所で届かなかったものが、あと少しで届きそうというところまでやってきた。その事実が、ミツバの心を支えていた。

 

「……十四郎さん」

 

 彼女の想い人である土方十四郎。

 すれ違ったまま、この世を去ってしまったことに対する後悔が残っていたミツバ。その後悔が、幻想郷という場所で果たされようとしている。今度こそ、しっかりと想いを伝えることが出来る。 

 たとえその結果、結ばれなかったとしても、彼女に後悔はない。

 

「……まさか」

「え?」

 

 その時、そんなミツバに気付いて話しかけてきた男が居た。

 その男は、ミツバを――。

 

 

 射命丸文は、常に特ダネを追い求めていた。

 今回の異変に乗じて、様々な出来事を取材して回っているのだ。

 霊夢の暴走をはじめ、てゐの大脱走、チルノぶっ飛び事件、鬼の形相で探し回る輝夜等。彼女は既にいくつかの特ダネを手に入れてはいるが、それでもまだ足りないといった表情を浮かべていた。

 理由は単純で、今回の記事ネタの中に、まだ銀時がいないからだ。

 

「んー、これだけだといまいちですねぇ……」

 

 最早十分過ぎる程のネタは仕入れているだろうが、文にとってはまだ足りないようだ。

 彼女を満足させる程のネタを用意しなければ、新聞は作られないらしい。ある意味平和なことなのだが、文のやる気にいちいち関わることなので、彼女自身にとっては死活問題にも等しいものである。

 

「んー、どうにかして面白いネタを手に入れなければ!」

 

 意気込むのはよいものの、早々ネタなんて舞い込む筈がない。

 持前のスピードで彼女は幻想郷を駆け巡っていた、その時だった。

 

「え……?」

 

 人里にある甘味処のすぐ近く。

 そこで、一人の女性が男達に拉致される現場を目撃した。

 

「なっ……!」

 

 流石の文も、これには思わず動きを止めてしまった。

 白昼堂々と行われる誘拐に、文の中に宿る正義心が働く。男達目掛けて突撃しようとして、

 

「ひゃっはーっ!」

 

 目の前に、邪魔者共が集まってきた。

 

「なんですか貴方達は!?」

「アンタに恨みはねぇが、こうして暴れ回れるのならば暴れ回りてぇと思ったのよ!!」

 

 文が地面に降り立ったところで現れたのは、刀を持った男達。

 彼女は知らないが、彼らは銀時の居る世界で攘夷志士と呼ばれた者達だ。ただし、その中身は既に朽ち果てており、かつての誇りなどどこにもない。

 

「邪魔をするというのなら容赦はしません……っ!」

 

 彼女は手に扇子を持ち、男達に挑む。

 

「なんだその幼稚な道具は!」

「そんなもの一つで俺達に挑もうってのか!!」

「……旋符『紅葉扇風』」

 

 呟くように言葉を吐き捨てる文。その後で彼女は、手に持つ扇子を大きく振り上げた。

 瞬間、彼女に近づいてきていた男達は、竜巻に巻き上げられて宙を舞った。

 

「ぎゃあああああああ!」

 

 そのまま竜巻に巻き込まれて消えた者も居れば、地面に落ちた衝撃で霧散した者も居た。

 

「……幽霊、ですか」

 

 取材を重ねてきた彼女だ。

 今幻想郷に起きている異変だって、どのようなものなのか既に気付いている。

 

「それがどうしたぁああああああああああ!!」

 

 男達は、数に任せて攻めてくる。

 そんな男達を文は迎撃しようとして、

 

「産霊『ファーストピラミッド』!!」

 

 無数の弾幕が、周囲に居た男達を一人残らず消し飛ばした。

 

「大丈夫か!?」

 

 その直後に駆け寄ってきたのは、上白沢慧音だった。

 どうやら彼女は、人里の中で起きた弾幕ごっこを見つけて、慌てて駆け寄ってきたようだ。息を切らしている様子からも、必死さが窺える。

 

「慧音さん、ですか。助かりました……」

「あぁ、それは良かった。それで、今のは一体何だったんだ?」

 

 彼女は文に尋ねる。

 攻撃をした瞬間に消え去った男達。普通ならばそんなことあり得ないのだ。

 だからこそ、彼女は答えを求めた。

 そして文は、推論を語る。

 

「あれは恐らく幽霊です。幻想郷は現在、幽霊の力が強まる異変に襲われています。自然現象の一種ではあるようですが、極稀に今回みたいな現象が起こり得るそうです」

「なる程……それで周りの草花にも影響が出ていたというわけか」

 

 どうやら慧音も、異変が起きているということ自体は気付いていたようだ。

 それがどのような性質のものなのかまでは把握しきれていなかったようだが。

 

「そうなります。そして私は、とある現場を目撃して、その場所に向かおうとした途中で先程の幽霊に襲われてしまいました……」

「とある現場?」

 

 慧音はその説明を求める。

 ちょうどその時。

 

「なんださっきの騒ぎは……って、慧音にマスゴミ?」

 

 甘味処より銀時が現れる。

 その後をついてくるように、フラン達も現れた。

 

「坂田さん! ちょうどいい所に来てくださいました」

 

 文は、助っ人が現れたことを素直に喜ぶように彼の元へ駆け寄る。

 だが、銀時としては文の登場はあまり都合がよろしくないことの始まりだという意識が働いたのか、慌てて後ろへ下がろうとする。

 しかし、文の必死な表情を見ると、すぐにその動きを止めた。

 

「何があったのですか?」

 

 咲夜が尋ねる。

 文は言う。

 

「私の目の前で、一人の女性が誘拐されました。着物を着た女性です……協力してくださいませんか?」

「……銀さん、それってまさか……」

 

 ルーミアが、真面目な表情で尋ねる。

 幽香は珍しく焦ったような表情を浮かべていて、レミリアは冷静な表情で告げる。

 

「沖田ミツバが……何者かに誘拐されたようだな」

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

 

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第八十四訓 不審者について行ってはいけません

 

 

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