銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第九十三訓 甘いものはきっと色んな人を幸せにしてくれる筈

 ゴリラによるゴリラ討伐クエスト達成の瞬間を目の当たりにした銀時達は、ファミレスで休憩することにした。七人という大所帯である為、通された席についても普段よりも少し大きめの席である。当然、銀時の隣にはフランが座っている。

 入った時に渡されたメニュー表を見て、幻想郷メンバーが思わず一言。

 

「「「「なんか色々すごい……」」」」

 

 彼女達からしてみたら見たこともないような食べ物がたくさんあったのだろう。何せふつうのイタリアンサラダにしてみたって、普段目にしない者達からしてみれば食べ方すら分からないようなものなのだ。

 

「ねぇねぇ、ギン兄様! この『ぱふぇ』って一体どんな食べ物なの?」

 

 今や甘いものの王道とも言われるようなパフェも、彼女達にとって斬新なもの。

 

「あぁ、それは生クリームやチョコレートとか、甘いものがたくさん詰まった食べ物だ。俺のおすすめだぜ?」

「甘いもの!? 私これにする!」

 

 まるで始めておもちゃを手にした子供のように、楽しそうにメニューを選ぶフラン。

 

「なんか美味しそうね……私もそれにしてみるわ。甘いものが欲しかったところだし」

 

 アリスもパフェに挑戦してみることに。

 

「それなら私もだぜ!」

「そうね……興味あるわ」

 

 結局、幻想郷メンバーは全員パフェを頼むことに。

 対する万事屋メンバーは、

 

「俺もチョコレートパフェだな」

「僕はケーキにしますね」

「私はこの店にあるデザート全部制覇してみせるアル!!」

「んな金あるわけねぇだろ。新八と同じもので我慢しやがれ」

「そんなの無理アル。お腹いっぱいにならないネ」

「腹満たすのが目的じゃねえんだよ!!」

 

 休憩目的で入っている為、別にここで満腹になる必要はない。むしろそうなるとこの後動けなくなってしまうのではないかという不安すらある程だ。

 特に神楽は、放っておくと無限に食べ続ける。そして腹が膨れ上がってその場で寝転んでしまうのだ。カビ●ンの如く。笛を吹かなければ起きなくなる。

 

「ところで銀さん。前に新八から聞いたんだけど、銀さんって甘いもの制限しなきゃいけないって話だったぜ?」

 

 頼んだ品物が到着するまでの間、銀時達は会話をして待つことにする。その中で魔理沙が出したのは、銀時の糖尿病の話だった。

 

「いいんだよ。どうせなら好きなもんたらふく食べて安らかに眠るように死ぬことが出来ればそれで本望だ」

「ギン兄様……死なせないよ。フランがなんとかするから……」

 

 ピンポイントでしか言葉が聞こえてこなかったのか、目のハイライトがオフになり、フランが銀時に思い切り力強く抱き着く。

 どうやら銀時の命に関わる話には敏感になっているようだ。

 

「いや、フラン。これはものの例えであってな……?」

「本当に銀さんが死ぬわけじゃないから安心してください!」

 

 銀時が頭を撫でながら宥め、新八は声をかける。

 

「本当? ギン兄様、いなくならない?」

「いなくなるかっつの……天寿全うするっての」

 

 この場合の天寿がいつなのか分からないが、銀時の言葉を聞いてフランは安心したようだ。

 目に光が戻ってきた。

 

「本当、ここ最近フランは銀時のこととなるとこうなるわね……」

 

 割と最初の方から二人の様子を見てきている霊夢は、そんな一言をもらしていた。

 事実、フランは銀時関係のこととなると若干暴走する傾向がどんどん強くなっている。ただ、フランはフランで銀時のことを信じている為、基本的に銀時が言った言葉に対してはほぼ無条件で受け止める。

 ただし、春雪異変以降、銀時の命に関わる何某かのことがあった場合には、今みたいにハイライトが完全に消え去ることが多くなっている。

 

「お待たせいたしました」

 

 そんな空気を読んでいるのかいないのかわ店員が頼んだ品物を次から次へとテーブルの上に置いていく。

 置かれていく品々を見て、

 

「ふわぁ……っ!」

 

 フランは目を輝かせていた。

 普段ケーキは食べているフランも、パフェとなると流石に見たことがなかったようだ。恐らくレシピさえ入手すれば咲夜が作るだろう。

 

「これがパフェ……」

 

 アリスは目をパチパチとさせている。

 

「うぉー! 美味そうだぜ!」

 

 魔理沙はパフェを見て興奮している。

 言葉には出していないが、霊夢も興味津々といった様子だ。

 

「まぁ、温くならねぇ内に食べちまえよ?」

 

 そう言うと、銀時はスプーンを使ってパフェを掬い、口の中に入れる。

 新八と神楽はケーキを食べ始める。

 

「「「「いただきます」」」」

 

 幻想郷組は声を合わせてそう言った後で、銀時に倣ってスプーンでクリームを掬う。それを思い切って、口の中に入れた。

 

「「おいしぃ!!」」

 

 魔理沙とフランの二人は、声を合わせて味の感想を述べていた。

 

「へぇ……甘くて美味しいわね」

「本当。疲れた時にこれ食べるの良さそうね」

 

 アリス、霊夢の二人にもパフェは高評価。

 どうやら四人にパフェは通用した模様。

 

「ところでギン兄様、私とギン兄様のパフェ、ちょっと違うような気がするんだけど……」

「お? よく気付いたな。そっちはバナナパフェで、こっちはチョコレートパフェだ。味がちょっくら違うってわけだ」

「っ! 私、ギン兄様の食べたい!」

 

 目をキラキラとさせながらフランは言う。

 ただし一部言葉が足りないせいで、捉えようによってはやばい台詞を言わせているように聞こえないこともない。

 

「フラン……今の言い方は……」

「ふぇ?」

「……いえ、なんでもないわ」

 

 訂正しようとしたアリスだったが、フランの純粋無垢な表情に負けて何も言えなくなってしまった。むしろ変に伝えることで、フランに恥をかかせることになるかもしれないと考えたのだろう。どのみちシスコン吸血鬼が後で何かしら教育するだろうとの考えもあった。

 

「んじゃま、ほれ」

 

 銀時は自分のパフェをフランの前に差し出す。

 しかしフランは、

 

「ギン兄様に食べさせて欲しい……っ」

 

 顔を赤くしてそう言った。

 

「いや、これ、なんかさっきのと相まって、やばい気がするんですけど……」

「落ち着くんだぜ、新八……ただパフェ食べたいだけだぜ。決してそんな意味じゃないからそっとしといた方が身のためだぜ……」

 

 気付いているのはアリスだけではなかった模様。

 ツッコミ二人衆もまた気付いていたが、スルーすることに。

 

「しかたねぇな……ほら」

 

 スプーンを使ってチョコレートパフェを掬い、フランの口まで運ぶ。

 所謂、『はい、あーん♡』というやつだ。

 食べさせてもらえたフランは、

 

「おいしーっ!」

 

 その味にご満悦の様子。

 

「そうか……」

 

 フランが素直に味を堪能しているのを見て、思わず笑顔になる銀時。

 そんな彼に対して、

 

「お礼に私のもあげる!」

 

 と言って、フランは自分のパフェをスプーンに乗せて、銀時の口まで運ぼうとしていた。

 

「「「ちょっ」」」

 

 これには霊夢、魔理沙、アリスの三人も思わず反応してしまう。

 

「銀ちゃんがアーンされてる……アル……」

 

 ケーキを頬張ることを忘れずに、今起きてる現状に目を丸くする神楽。

 

「い、いや……」

「フランの……いや?」

 

 銀時が躊躇っていると、フランは少し涙目になって、声が震える。ガチ泣き寸前五秒前と言ったところだろうか。

 

「そ、そういうわけじゃねえって!」

 

 と言いながら食べようとしたところで、

 

「「ちょっとまったーっ!!」」

 

 思わぬ邪魔が入るのだった。

 

 

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

 

 

銀色幻想狂想曲

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第九十三訓 甘いものはきっと色んな人を幸せにしてくれる筈

 

 




乱入者の正体は次回明らかに……っ!
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