銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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今回より風神録篇スタートです!


風神録篇
第九十五訓 ある程度の常識はやはり弁えておくべき


 それはある一種の脅迫状と言っていいのだろうか。

 大きな異変が起こることなく、平和な日々が続いていた幻想郷。ここ博麗神社も例に漏れず、巫女である霊夢はぐうたらする日々が続いていた。

 

「ふわぁ……」

 

 現在時刻は昼過ぎ。

 異変解決の仕事があるわけではない本日、霊夢はこの時間までぐっすり夢の中にいた。基本仕事以外は銀時と同じようにぐうたらする霊夢にとって、このようなことは日常茶飯事である。

 寝室から居間へ足を運んだところで、

 

「……ん?」

 

 一枚の紙が裏向きで置かれているとに気付く。家主である霊夢には置いた覚えのない物。少し気になった霊夢は、それを表にひっくり返す。

 そこに書かれていたのは、以下の通り。

 

 博麗の巫女へ

 突然ですが言いたいことがあります。

 貴女の神社は信仰心が少なくなっていますよね? 

 なのでこのまま貴女が巫女を続けたところで何の意味もありません☆

 つきましては私達にその神社譲渡してくれませんか? 

 というか渡さないと後日奪いに行きます

 一度こういう予告状みたいなの憧れてたんですよ♪ 

 ですからどうか抵抗してくださいね? 

 私達ももちろん抵抗しますよ? 

 拳で♡

 

「…………何よ、この悪戯」

 

 寝起きから、霊夢に青筋が立った瞬間であった。

 

 

 毎度お馴染み、BGオンリー。

 

「あのマスゴミぜってぇゆるさねぇからな……」

「いきなりどうしたんですか?」

「この前撮られた写真が何故かスキャンダル記事として書かれてたみたいアル。ザマァないネ」

「なんで神楽はそんなに辛辣なの? ってかあのマスゴミも俺のこと好きなの? そろそろ俺の記事だけで新聞作れるんじゃねえの?」

「銀さんの周りにネタが大量に転がってるのが原因でしょうね」

「チャランポランで油断してるのがいけないアル。私みたいにしっかりするネ!」

「テメェの何処がしっかりしてんだよ。俺なんかしっかりしすぎて残像見える程だぞ?」

「そんな発言してる時点であんたもレベルかわらねぇよ!!」

「常識というのは破るために存在するアル!」

「おめぇはもう少し常識つけてから出直してこい」

「そういえば最近、博麗神社がただの宴会場にしか使われなくて少し困ってるって話が霊夢さんから出てましたよ?」

「なんで今その話思い出したのか知らないけど、確かに言われてみればあそこに参拝客が来たところなんて見たことないアル」

「何かと理由つけて暇つぶしに来てる連中だらけだからなぁ。アイツ自身も面倒くさがりで巫女らしいことしちゃいねぇし」

「僕らも人のこと言えないですけどね。フラッと遊びに行く目的で行くこともありますし」

「自分自身だって酒飲んで楽しんでるネ。自業自得アル」

「まぁ場所も場所だからなぁ……神社ってのはどうしてこう、山の奥深い所にあったりするものかね」

「神を祀ってるんですから、やはり奥の方じゃないといけないんじゃないですか?」

「ただの引きこもりと変わらないアル」

「……そろそろここいらで誰かしらが居間を開けて入って来る頃じゃね?」

「たぶんそろそろ導入部分が終わる頃だと思いますね」

「いい加減BGオンリーを導入に持って来るのやめるアル。芸がないと思われるネ」

 

 などと馬鹿三人が宣っている。

 

「「「……」」」

 

 馬鹿三人は黙っている。

 消しますか? 

 はい、Yes

 

「何を消すつもりじゃ作者ァアアアアアアアアアアア!! しかもどっちも実質イエスじゃねえか!! 何もう諦めてる感じになってるんですかァアアアアアアアアアアア!!」

 

 メガネがうるさい。

 

「五月蝿いってなんですか!? ツッコミがどれ程重要なのか……」

「相変わらず騒がしいですわね」

 

 と、そんな時だった。

 新八のツッコミを遮るように、居間……ではなく、空間が割れる。

 そこから現れてきたのは、呆れ半分胡散臭さ半分といった感じの八雲紫だった。

 

「今回はスキマからの登場か……」

 

 銀時はポツリと呟く。

 

「なんかずいぶん久しぶりな気がするネ。何の用だBBA」

「相変わらずだなチャイナ娘。常識から外れた妖怪対戦してもいいんだぞ? ん?」

「ちょっとー! 久しぶりに会って臨戦態勢を取らないでもらえます!?」

 

 もうこの二人を会わせない方がいいんじゃないかと思うほどの仲の悪さ。日本の諺に『喧嘩するほど仲が良い』というものが存在するが、この二人には適用されないのだろう。そもそも喧嘩などという小規模なもので収まる気がしない。

 

「んで、お前が来るってことは、また幻想郷に何かあったのか?」

 

 頭をかきながら、銀時が尋ねる。

 紫はゴホンと息を整えた後で、

 

「幻想郷が、というより、博麗神社に脅迫状のようなものが届いたそうなので、それをお伝えしにきたのですわ」

「あれ? そしたら霊夢さんは今何をしてるのです?」

 

 新八が抱いた疑問は最もだった。

 今回の場合、幻想郷というよりも博麗神社の問題。ならば先に出て来るのは霊夢なのではないかというところだ。

 その理由を、紫はこう語る。

 

「寝起きに変な脅迫状送られて、今の霊夢はとてもじゃありませんが、冷静な状態じゃありませんわ……ですから代わりに私がここにきたというわけです」

「あー……なるほど……」

 

 その説明を聞いて新八は納得したようだ。

 

「なんにせよ、まずは博麗神社行かねぇことにはなにも始まらなさそうだな……」

 

 銀時の呟きに一同は同意し、事情を把握する為にも博麗神社へ赴くこととなった。

 

 

 

 

銀魂×東方project

 

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第九十五訓 ある程度の常識はやはり弁えておくべき

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