銀色幻想狂想曲   作:風並将吾

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第九十六訓 噂をすると何とやら

 博麗神社にやってきた万事屋メンバーは、

 

「はぁ……はぁ……」

 

 息を切らしながら、周囲に弾幕を撃ちまくっている霊夢の姿を目撃した。

 

「……何してんだお前」

 

 逆に冷静になって銀時が尋ねる。

 その言葉に我に返ったらしい霊夢が、

 

「……特訓よ」

「いやどう考えても当たり散らしてたよな?」

「特訓よ」

「いやだから」

「特訓」

「もうそれでいいよ」

 

 あまりにも霊夢が折れてくれない為、銀時は追及することを諦めた。

 

「八雲さんから聞きましたけど、博麗神社に脅迫状が届いたとか……」

「……えぇ、そうよ。ふざけた悪戯っぽい手紙を送りつけやがったのよ。見る?」

 

 とりあえず中に案内し、それから霊夢は机の上に思い切り紙を叩きつけた。

 しかも叩きつけられた紙は既にぐしゃぐしゃになっている。

 

「あの、霊夢さん? これ、握り潰しました?」

 

 新八が恐る恐る尋ねると、

 

「えぇ。ゴミだと思ったからね。悪い?」

「いや、別に悪くはないんですけど……」

 

 どう考えても怒っているのが明白だった。

 最早隠すつもりもないのだろうか。

 そして、肝心の文面を読んだ銀時達の反応はと言うと、

 

「……凄いうざいアル」

「こりゃ人の心を突き刺して来やがるな」

「もうこれだけやれたらむしろ芸術ですよ」

 

 読んだものをイラつかせる程度の能力がある手紙だった。

 それはもう、関係ない筈の三人でさえ青筋が浮かぶ程。

 

「私の気持ち、少しは理解出来た?」

 

 溜め息交じりに尋ねてくる霊夢。

 

「痛い程にな……これがもし俺宛に送られてきたとしたら暴れ回ってるところだったわ」

 

 銀時は少しだけ霊夢に同情した。

 ちょうどそんな時だった。

 

「よぅ霊夢! 紫に言われて来てやったぜ!」

 

 どうやら紫は、魔理沙にも声をかけていたようだ。

 割って入るように魔理沙もやってきた。

 

「ちょうどいいわ、魔理沙。この手紙を送りつけやがった犯人を捜すから手伝って頂戴」

「手紙?」

 

 魔理沙も霊夢より手紙を受け取り、その文面を読む。

 そして一言。

 

「うわ、なにこれ腹立つぜ」

 

 嫌そうな顔全開だった。

 

「でしょ? これを寝起きに送られてきたものだから……ソイツ、絶対許さないわ。私の手で粉々に打ち砕いてみせるわ」

「砕いちゃ駄目ですから!!」

 

 マジでやりかねない霊夢に対して、新八は全力のツッコミを入れていた。

 

「しかし、これ送りつけた犯人は一体どこに居やがるんだ?」

 

 銀時の言う通り、今回に関しては犯人の目星はついていない。

 しかし、ある程度の推測は可能だ。

 

「犯人は、『神社を明け渡せ』という要求をしてきているってことは、私と同じ巫女か、神様って所かしら」

「どうして神様や巫女が新たな神社を欲しがるんだぜ? 元々ある神社でどうにかすればいいじゃねえか」

 

 霊夢の言葉に対して、魔理沙が疑問の言葉を投げかける。

 神様は本来、神社毎に祀られているものだ。別の神社に移り住むなどということは、そうあることではない。

 

「それは、『信仰心』が関係しているんじゃないかしら?」

「信仰心、ですか?」

 

 珍しく巫女らしい単語が飛んできたことに対して、今度は新八が尋ねる。

 

「神社は本来、人々からの信仰心によって支えられているものなのよ。一番簡単かつ目に見えるのが賽銭ね。単純に賽銭が多い神社は、どのような形であれ信仰されていることは確かなのよ」

「つまり博麗神社は信仰心が全く足りてねぇ、と」

「人の弱みに付け込むのはやめてもらえないかしら?」

 

 青筋が物凄い勢いで浮かんでいる霊夢。

 銀時は顔色が真っ青になり、それ以上言うのを止めた。

 

「ったく……話を元に戻すわよ。ちなみに、この神社に祀られている神は私にもよくわからないのよ。だけど、神社には少なくとも何かしらの神が祀られていることが確か。そして、人々から信仰されなくなった神は、生存することそのものが危ぶまれてしまう」

「なる程……信じられなくなった神というのは、いない者も同然ってわけか」

 

 妖怪が自然信仰に基づくものであるならば、神は人々の信仰によって支えられている。そもそもその存在は、人々が信じることによって得られるものである。信仰されなくなった神は、存在を与えられなくなるも同然。即ち、消える。

 

「と、いうことは……博麗神社を狙おうとしている神ってのは力が弱まった神ってことになるのか? それにしちゃ随分とやる気満々に見えるぜ」

「ちょっと違うかもしれないわね、魔理沙……これはどちらかというと、巫女の仕業だと考えるわ」

「どういうことだぜ?」

 

 霊夢は、今回の犯人を『巫女』であると推測している。

 その理由を魔理沙が尋ねると、霊夢は、

 

「勘……と言いたいところだけど、それだけじゃないわ」

「勘もあるみたいネ」

 

 神楽はその部分に反応していた。

 構わず、霊夢は続ける。

 

「もし神が相手なのだとすれば、そもそもこんな手には出ない筈よ。私が幻想郷においてどのような存在なのか理解している筈だから……つまり、それを理解せずこのような手段をとってきた犯人は……」

「この幻想郷に来て日が浅ぇ巫女……つまり人間の仕業、ってことになるわけか」

「流石ね、銀時」

 

 犯人の予想図としては十分過ぎる理由だった。

 つまり、この幻想郷において巫女に相当する人物を探せばいいということになる。

 だが、肝心なのは。

 

「そんな人、一体どうやって探せばいいというんですかね?」

 

 新八の言う通り、新参者で巫女を名乗る女性を探すには、この幻想郷ではそう簡単なことではない。

 何せ文字通り『世界中』を探すのだ。

 だが、霊夢は既にその為の方法を探り当てている。

 

「あら、手段ならあるじゃない。とっておきで、しかも簡単な方法が」

「……まさか、テメェ」

 

 その手段は銀時にも浮かんでいるようで、若干苛立っているのが分かった。

 その反応を見て、新八・神楽・魔理沙も理解する。

 

「そうよ。文屋を利用すれば解決じゃない」

「マスゴミの力をここで借りろってのか……っ!!」

 

 ちょうど銀時が悔しそうに呟いた時だった。

 

「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん! 清く正しく美しく、誰よりも早く誰よりも正確に、そして誰よりも身近に最新情報を送り届ける文々。新聞の新聞記者、射命丸文の登場でーすっ!!」

 

 話題の人物が現れた。

 

 

 

銀魂×東方project

 

 

 

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第九十六訓 噂をすると何とやら

 

 

 

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