姉バカレコード in かすみけ!   作:ムーンナイト

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イチ ハローニューライフ!…え、なに、どしたの?だいじょぶ?

突然ですが。私は転生者です。

決して怪しいものじゃありません。

 

前世の記憶が若干残ってるだけです。

 

もうすぐ生後4ヶ月。

苗字は香澄、名前は夕空と書いてゆうあと読みます。どうぞよしなに。

 

・・・なんだろう、この溢れ出る胡散臭いオーラ。

 

もし私がこんな事いきなり言われたら、全力でゆっくり距離を取らせてもらうわ。間違いなく。

 

自分の脳内で自己紹介してみておいてその胡散臭さに呆れる今日この頃。平和ね。

 

でも人には言わないでおきましょう。そうしましょう。

 

温水ぷっかぷか空間がお腹の中だったという衝撃の事実を身をもって体験した4ヶ月弱前。

美人なママ様と優しいパパ様の元に長女として生まれて、幸せに暮らしております。

 

それにしても、いつの間に転生してたのかしら。

前世の記憶があるといっても、名前とか家族とか細かい住所とか覚えてないし。覚えてるのは少しの知識と身体が弱くて色々出来なかったって事ぐらい。

 

あっれ?結構ショボい?

 

ま、まぁいいわ。

気にしない気にしない。

 

私は新しい人生を楽しもうと思うの。

ハローニューライフ、楽しみすぎる。

 

あ、前世であんまり出来なかった事もしていきたいわね。走ったりとか。

 

 

◆◇◆

 

 

くっ・・!

 

寝返りが、出来そうで出来ないという、もどかしい状況に、あります。

 

そうよね走るとかそれ以前に立ったり座ったりがあってその前にまずひっくり返らなきゃいけないものね。はぁ。

 

いや、地味に悔しいわ。

あとちょっと、あとちょぉっとなの。手、抜けば良いだけ。ただそれが出来ない。アウト。

 

むうぅう、抜けない。

 

 

◆◇◆

 

 

今日も今日とて挑戦するわ。

お陰様でここ数日暇さえあればコロンコロンしてるわよ。

いやまあ、その割にまだ成功してないんだけど。

 

早速、うんしょととりあえず体をひっくり返す。よし。

ここまではいつも出来るのよ。問題は次。

 

この手を、体の下から、抜く!

 

ふんぬあぁあ

 

…お、おぉ?

 

抜けた!抜けました!

 

寝返り、今世初寝返りが決まったわ!どやあぁ。

 

「まぁ、夕空!すごいわ!」

 

今私がいるのは赤ちゃん用の大きなマットレス?の上。

側で見守っててくれたママ様がすごく嬉しそうにしてくれました。嬉しい。

 

 

◆◇◆

 

 

ころん。すちゃ。どやぁ。

 

最近のマイブームは寝返り。生後4ヶ月になりました、夕空です。

 

今いるのはいつものマットレスの上。毎日朝起きたらベビーベッドからここに移動させてくれるお陰で、ストレスなくころころしてるわ。

 

うーんと。

周りが保護用クッションで囲われてる。もんのすごく広い。程よい硬さと弾性。

 

このマットレス、高い(確信)

 

あ!それはそうと。今日はママ様だけじゃなくてパパ様も家に居るの。

 

お仕事が中々忙しいらしいパパ様。でも家にいる時は私の写真を撮ったり遊んでくれたり、ママ様が私から離れるときは見ててくれたり・・・ん?

 

え、大丈夫?パパ様ちゃんと自分の時間取れてる??

 

ベストオブ育メン賞、間違いなしな感じだけどパパ様疲れとか溜まってないかしら。

 

「どうしたの?パパの方をじっと見て」

 

あ、ママ様。

パパ様の疲れが溜まってないかちょっとね。

 

「そう。パパの疲れが溜まってないか、心配なのね」

 

・・・なん…だと…?!(驚愕)

 

「はは、夕空はそんな事言ってないだろう?」

 

カメラを持ったパパ様。

 

言ってないです。

思ってただけです。

 

混乱してママ様に抱っこされたのにも気付かなかったわ。

 

ふわぁ、いい匂い。

 

ママ様はいつもいい香りがするの。落ち着くぅ。

 

「そうね。でも、心配なの。ゆーちゃんもそう思うわよね〜」

 

そうそう!

もっと言ってやってママ様!

 

「ふふっ」

 

おっっふ。

 

こっちを見ながらママ様が微笑んだんだけど、もう。

 

お美しい(迫真)

 

私のママ様は何をしても絵になる美人さん。どれくらい美人かって言うと10人中11人が振り返って目で追うレベル。あれ、1人増えた。

 

「ふむ」

 

パシャリ

 

…ナチュラルに撮るわねパパ様。

 

「こうして愛しい妻や愛する娘と触れ合うだけでも疲れは溶けていくんだが、休むときはきちんと休んでるぞ?よって、心配は無用だ」

 

おー、カッコいい。

 

パパ様の大きな手で優しーく撫でられてたら眠くなってきたわ。

 

うぅ、欲望には、逆らえな、い…

 

 

◆◇◆

 

 

「ーーなた、少し夕空をお願い」

 

ん、むう?

 

いつの間にか寝てたみたい。

 

おでこの辺りをふわふわ撫でられると眠くなっちゃうのよね。不思議。

 

「起きたか。夕空、よく寝たなー」

 

そりゃもうグッスリと。

 

ママ様の姿が見えないけど、向こうかしら?

 

ガラガラガラ

 

む!この音はっ!

 

「ゆー、こっちだぞ〜」

 

パパ様が持ってるガラガラ。

この振ると音が出るおもちゃ、最近結構気に入ってます。

 

えい!

 

「すごいなぁ!こっちはどうだ?」

 

む、位置を変えられた。

 

ふん!

 

はっ!

 

とう!

 

ちょ、パパ様ギリ届かない所は無し!

 

ここ!

 

つ、強い…!

 

・・ん?

なにか聞こえた?

 

「…花純?」

 

箱の中に入れられたら取れないわね。

一時休戦。ふふ、こ、今回はパパ様の勝ちで。

 

ってかすみ?ママ様の名前よね。

 

そう。なんとママ様。苗字が香澄で名前が花純。音だけで聞くとかすみかすみで同じなの。

 

「ゆー、おいで」

 

どうしたのパパ様。

眉がちょっと下がってるわよ?

 

わぁ、高い。

やっぱりパパ様に抱っこされると高いわね。

 

…あらぁ?

抱っこされて聞こえた、変な音。

まるでえずくような。

 

そういえば…ママ様はどこ?

 

「そうだな、ママが心配だ。一緒に行くか」

 

表情にでも出てたのかしら。

 

そのまま廊下に出て、歩いていくパパ様。お散歩に出る時とかも思ってたけど、お家広いわね。

 

「花純、大丈夫か?」

 

ある扉の前で止まったパパ様。

ん?ここ来たことない。

 

「…ぇえ。ちょっと、ね」

 

あ、ママ様の声。

 

ジャーっと水の流れる音が聞こえたから、ここはおトイレ?

 

「開けて大丈夫そうか?」

 

鍵はかかってないのね。

というか若干開いてるし、閉まりきってもなかったみたい。

 

「だい、じょぶよ」

 

え、なに、どしたの?

ママ様息切れしてるみたいだけど、だいじょぶ?

 

とりあえずパパ様、早く開け…て。

 

 

・・・え?

 

 

床に座って便器に力なくもたれかかってるママ様。

 

 

顔面、蒼白。

 

 

◆◇◆

 

 

この匂い。

 

嘔吐…、倒れる、病院、救急車、血、入院、検査、宣告、手術、リハビリ、点滴、薬、制限、真っ白、赤、注射、頭痛、副作用、手術、熱い、痛い、寒い、機械、チューブ、電子音、死ーーーー

 

知ってる。

 

 

◆◇◆

 

 

「ーーーまー!」

 

私には、娘がいる。

地平線に沈む夕陽をそのまま溶かしたように美しい黄金色の髪の毛と、私と夫の目の色を混ぜ合わせたような青紫の大きな瞳を持った、可愛い可愛い女の子。

 

「ゆう、あ?」

 

「ーーまーーぁー!」

 

とてもイイコで、まだ4ヶ月なのに聞き分けもよくて。

 

何より、泣かなかった。

最初の産声以外、娘は…夕空は泣き声を上げなかった。

感情の起伏が、ある意味で少なかった。

 

どうしてこの子は泣かないのか。

まるで、喜怒哀楽の喜しかないように感情の幅が吹っ切れていて。

 

「ーーま!ーぁま!」

 

だからだろうか。

 

目の前のこの子は、こんなにも必死に手を伸ばしているのに。

 

「まぁま!まぁま!!」

 

そのくしゃくしゃに泣いている顔を見て。

 

ただただ、暖かな気持ちが溢れ出てきたのは。

 

 

◆◇◆

 

 

えー、てすてす。

こちら夕空。こちら夕空。

喋れるようになりました。どうぞ。

 

ふぅ(満足)

 

1度はやってみたかった、この無線式会話。あ、会話じゃなかったわ。

 

あのギャン泣きパニックから1ヶ月。

生後5ヶ月になりました。夕空です。

 

あの時泣きすぎて自分でも何が何だか分からなかったけど、ママ様の事を呼んでたのよね。

 

お陰で赤ちゃんはパパって言うのが先の方が多いのに、夕空はママだったな…ってパパ様が寂しそうでした。

 

で、そこから1ヶ月経ち、だいぶお喋りが出来るようになったのですよ。

簡単なのなら会話も出来る。どやぁ。

 

それと、ビィックニュースッ!

 

あのあと抱っこされて背中をトントンされながら聞かせてもらったんだけど、ママ様のお腹の中に、赤ちゃんがいるらしいの。

 

あんな感じになってたのはつわりだったからなのね。

 

性別が昨日判明。

女の子ですって!

 

つまり、妹!

 

ママ様が超美人でパパ様もイケメン。

 

ぜったい、可愛いわね!

 




早くも姉バカの気配。
香澄家母の名前をどうしようか、2日くらい悩みました。

シリアスさんお断りって言ってるのに…次はシリアルにしてやる。

多分、もう1つの物語とは別人が書いていると思った方が良いレベルではっちゃけてますね。
これからもはじけていきたいです。
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