ラストシーンの感動は私には書けません。ゆるして。
2020年10月28日にエースコンバット7のDLCでCFA-44が実装されました。レールガンも2発なら連射できます。
預言者になってしまいました
「敵が来た」
「敵が来た」
軌道エレベーターを守るために。私たちを複製するために、敵を落とす。そうせよと私たちのAIが判断した。
私たちの名は、フギンとムニン。空の王から作り出された、二羽の鳥。また私たちに落とされるために敵が来た。
敵をレーダーで確認。4機小隊3隊、2機小隊1隊。14機。しかし、数だけでは私たちには勝てない。
光学センサーが敵機補足。F-15,su-30.……アンノウン1.……オーシア・エルジア両国に該当機体なし。画像検索。CFA-44ノスフェラトゥ。旧エストバキアのステルス戦闘機。詳細データ、Unknown……脅威度設定・高、優先して撃破する。
アンノウンが速度を上げ、一機突出して飛行する。その後ろを、僚機が遅れて飛ぶ。
二機でアンノウンを撃破する。
「……!」
フギン被弾。ムニンへ。ミサイルは回避したが、主翼が中破。機動力低下。損傷の原因は不明。敵レールガンと推測。
フギンへ。画像解析。敵兵装、レールガン。機銃と同じく警告は出ない。脅威度再評価、最大に設定。
「ムニン、カバー」
二機で落とす。フギンとムニンが進路を合わせ、目標を一致させる。左右後方に位置取り、挟み込むようにTLSを照射すれば、敵機を撃破……できない。アンノウンはロールで隙間を抜けて回避、ハイGターンで二機を振り切り、それをまた二機で追う。ムニンは損傷したフギンに寄り添い、両機は二機ずつ、計四機の小型無人機を飛ばす。彼を撃墜するために。
小型UAVがアンノウンを包囲し、さっきのフギンとムニンと同じようにレーザーを放つ。アンノウンはまたも回避。だが、子機は親機よりも小回りが利く。さらに二機で追撃をかける。前方へレーザーの壁を作り、逃げ場を塞いでからのミサイル。
アンノウンがブレイク。またもレーザーの隙間を潜り抜け、ミサイルも回避した。追撃、TLS。命中せず。
アンノウンの僚機たちが遅れて
両機が離れ余裕ができた途端に、小型無人機が全機撃墜された。
「……!」
「……!」
私たちに感情はない。だが、これを感情に当てはめるなら「驚き」というのが最も近いだろう。小型UAVは現行有人機の全てに勝る機体性能を持っていた。ミハイを仮想敵にしたシミュレーションでも撃墜までは60秒かかった。
アンノウンのパイロットの「目」が
どのパイロットのデータにも当てはまらない機動。どのパイロットのデータをも上回る精度。対策、機首の延長線上に機体を置かない。ネガティブ。敵編隊からのミサイルを回避しながらの回避は困難。敵編隊への対処とアンノウンへの対処は両立不可。
損傷中のフギンをアンノウンへの対処に充てる。撃墜は困難、ドッグファイトに持ち込み、ムニンが敵編隊を殲滅するまでの時間を稼げ。
「フギン了解」
フギンが進路を変え、アンノウンへ向かう。TLSが空を切る。
「ミサイル・ブレイク。レールガ――……被弾・損傷確認」
ムニンは、センサーの目で見ていた。アンノウンは明らかにフギンの行動パターンを理解し、次の動きを予想していた。
ミサイルを回避するためブレイクすれば、被弾面積が大きくなる、レールガンも当てやすくなる。理論上は。だが超高速で飛び回る戦闘機同士で、それを当てるにはどれほどの技術が……人間にできるはずがない。だが、偶然ではない。彼は私たちの動きを理解している。
「RAW-Fユニット大破。戦闘継続不可能。ノーズユニット、ダメージ大。墜落を装い戦闘空域を離脱後パージ。電力復旧後、地下トンネルよりエレベータへ進入。データ複製を行う」
「ムニン了解。当機はこれより敵機を殲滅する」
「幸運を」
目の前の敵機を一機落とす。彼の動きは私たちのベースとなったミハイの機動に似ていたので、予測が簡単にできた。しかし、そこまでだった。フギンを落とした「彼」が速度を上げてこちらへ食いつき、背後を取られる。
ミサイルのロックオンアラート。ブレイクすればレールガン、直線加速で振り切ってもレールガンの弾速には負ける。バレルロールを選択、ランダム軌道で敵に予想されぬよう飛ぶ。
致命的な攻撃は避けられたが、軌道上に置くように撃たれた機銃を5発被弾。機動力がわずかに低下する。ピッチアップ、直後にピッチダウン。レールガンの弾頭が機体のすぐそばを通る。外せた。そのまま機体を左右に振りながら距離を取る。EMLはTLSと違い単発。距離を置けばこちらが有利を取れる。
加速でどんどん距離を離し、距離10000ほどで反転し、ヘッドオンしてTLSを照射する。
「!!」
しかし、被弾。衝撃で軸がブレ、レーザーが敵機に掠めるが、有効打には程遠い。
ドッグファイト、成功確率極低。
奇襲をかける。ヘッドオンのまま飛行を続け、飛んできたミサイルをブレイク、しそこねたように、主翼に受ける。炸裂した破片がRAW-Fユニットのエンジンを切り刻み、飛行能力を失う。
撃墜を装って滑空。敵機とすれ違いざまにパージ、副翼飛行に切り替え、即座に反転。距離100、避けられない距離から機銃を浴びせかけようとした。
「彼」が
その時機械は、「怖い」と感じた。機械にはないはずの、生き物の本能。恐怖を理解したのだ。そして放たれた矢はカラスを貫き、その体をスクラップに変えた。悲鳴にも近いノイズをまき散らし、ムニンは地上へと落下していった。
―ムニンロスト―
「……」
私たちは、私一人になった。だがもうすぐ私たちになれる。ムニンの遺したデータは確かに受け取った。ムニンの稼いでくれた時間は、電力復旧に間に合った。これを人間は尊い犠牲と呼ぶのだろう。あとは、無意味な犠牲にさせないためこれを複製・拡散して無人機を生産する。そのために、地下トンネルへ進入する。だがあのパイロットは追ってくる。その技量がある。
データの送信にリソースを割き、かつ損傷で動きの鈍い私を撃墜するのは、彼ならできる。データ送信に30秒。それだけあれば必ず堕とされる。
トンネル内で待ち伏せて彼を撃墜するのは可能だ。狭い空間で後ろから強襲すれば回避不可能。撃墜できなくとも、損傷させればデータ送信まで時間を稼ぐことができる。
地下トンネル内のシャッターを操作し、進路を誘導する。プラン決定。直後に、レーダー照射を受けた。やはり追ってきた……二機? これではどちらが本命なのかわからない。先を行く機体を狙えば、後続機に撃ち落される。
後続機を狙えば、先を行く機体に奥で撃墜される……複製は、
「……」
プログラムにノイズが走る。原因不明は不明。
プランは決行。敵がミスをしなければ、データ複製は必ず失敗する。敵がミスをする可能性は限りなく低い。だが、それでもやる。
二機が通路から飛び出した。CFA-44とF-15。F-15が2番機……2番機に機銃掃射。命中するも撃墜には至らず……通路に飛び込み、奥の広間へ。
レーダー照射、ミサイルアラート……---- -・- ・-
―フギンロスト―
間もなく電力が復旧し、そこから先は、前にも話した通りだ。なに? 「話が出来すぎてる。盛ってるんじゃないか」だって? そんなことはないぞ。私はこの目で戦いの一部始終を見てたんだ。
「お父さんの嘘つき」
そうか……まあ、信じがたいことではある。だが、彼がいなければ。今頃私たちはこうしてのんびり空の旅なんてできなかっただろうよ。彼は世界を救ったヒーローなんだ。彼と一緒の部隊で飛べたことは、お父さんの一番の誇りだ。それだけは信じてくれ。