彼方の傭兵   作:悠士

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小南のキャラ迷子に・・・多分こんなんじゃない気がする・・・


12話 いざ玉狛支部へ

 体の大きなレイジさんが意識を取り戻し体調も回復した事でオレたちは病院を後にして玉狛支部に向かった。その道中自己紹介も済ませた。木崎レイジ21歳。趣味は筋トレらしく毎朝支部の周りを走ったりしているらしい。脂肪ってどれくらいなのかと疑いたくなるような筋肉質で、触ってみても結構硬かった

 

 しかも驚いたのが見た目に反して家事が得意らしく、料理は自炊していたり支部に泊まっている時は全員の分も合わせて作ったりなど器用なところ。もしかしたらレイジさんに聞けば依頼のレシピとか簡単に達成できるんじゃないかと考えてしまった。ミデン(こっち)の文字は変な記号っぽいのもあって解読が難しい

 

「帰ったぞー…誰もいねーのか?」

 

「もしかしたら上にいるんじゃないか?」

 

「そうかも、上から何か音がする」

 

 到着したら誰もいなかった。だけどオレとフィーロの荷物は置いてあったから出てはない。さっきから上のほうでパタパタと歩く音や機械のような稼動音が聞こえてくる

 

 全員で2階に行けば黒髪でメガネをかけた宇佐美栞、カピパラという動物に乗って寝ている林藤陽太郎がいた

 

「あ、おかえりなさい。その人は?また新人?」

 

「また」とはどういことなんだ? オレたちは仲間ではなく契約した共闘する関係なんだが、フィーロのやつが何かやらかしたのか?

 

「いや、こいつはネイバーだ。依頼でしばらく泊まる事になったらしい」

 

「あ~君が!フィーロくんから聞いてるよ」

 

「そうなのか?まあこれからしばらくやっかいになる、篠島伶だ」

 

「宇佐美栞です。篠島くんもあとで入る?」

 

 一体どういう意味なのか聞くと横に並んでいる扉の奥は訓練室らしく、今その一つにフィーロと小南桐絵という女の子が戦闘中だと。なんでもフィーロが虚勢張っているやつは弱いぞと言ったら小南が怒ったらしく、そのまま戦闘を始めたという。今のところ8勝1引き分けでフィーロが勝っているらしい

 

「フィーロから引き分けを!?」

 

 驚いた。レーゲンを使うフィーロから引き分けを取るなんてそうそういない。一体どんなトリガーなんだと思っていたら終わったらしい。9対1引き分けでフィーロの勝ちだ

 

「あ、あたしが……負けるなんて…」

 

「ふぃ~あ!やっときたんだ兄ちゃん!ねぇねぇ見てた?勝ったぜ!!」

 

 上機嫌なフィーロと結構落ち込んでいるショートヘアーの女の子。こいつが小南だな

 

「安心しろ。フィーロに勝てなくて当然だ。むしろ引き分けに持ち込んだのはすごいほうだと思うぞ?」

 

「…あんた誰?」

 

「はじめましてだな。オレは篠島伶。フィーロと同じでネイバーで傭兵だ」

 

「ふーん、アンタが…」

 

 すでに知っていたのかと疑問に思うがおそらくフィーロあたりが言ったのだろう。どう言っていたのかは知らないけど。そしたら何を思ったのかアタシと戦いなさいと言ってきた。フィーロに負けて悔しいのかオレで憂さ晴らしをしようと思ったのだろう

 

「断る」

 

「何で?」

 

「負け数が増えるぞ?」

 

「そんなのやってみないとわからないでしょ?」

 

「やらなくてもオレが()()でやるとお前が負けるのは決まっているからだ」

 

 しつこく食い下がってくるが、何度誘われても断る。そしたら最初っから手加減で相手するつもりだった事にさらに腹を立ててしまった。火に油を注いだ結果にめんどくさくなった

 

 それにトリガーの中には『歪曲』という起動を逸らす能力があるから、小南の攻撃は万に一つも当たる事がなくなる。これが負けると決まっていると言った理由の一つだ。だが小南は引き下がらなかった

 

「はぁ…1戦だけ。勝っても負けても文句なしなら相手をしてやる」

 

「いいわよ!後悔しても知らないからね!」

 

 それはこっちのセリフ。というのは言わずに飲み込んだ。小南の後を追って部屋に入って戦ったが5秒も掛からずに終わった。案の定文句を言ってきた

 

 やったのは単純明快。必要の無い動作だが指を鳴らすと同時に『硬化』で固めた刃を胸に突き刺しただけ。無色透明だから無防備で受けたのだ

 

「もう1戦!!」

 

「さっき1戦だけとオレが言って納得したよな?」

 

「ぅ…だけど見えない攻撃なんて卑怯じゃない!」

 

「ボーダーには見えなくなるトリガーがあるだろ?それも卑怯じゃないのか?」

 

「ぅぅ……」

 

 今度こそ何も言わなくなった

 

「さてと、静かになったことだし荷解きするか?」

 

「はーい!」

 

 レイジさんに部屋を教えてもらったのでリビングから荷物を持って運び入れた。しばらくはここに居ることになりそうだからトイレとか風呂なども教えてもらわないといけないな

 

 部屋は思っていたよりも綺麗でこまめに掃除もしているらしい。こっちではタンスというらしい棚入れに服を入れる。それだけ

 家具とか持ってきたわけじゃないしこれ以上するとといえば、買ってきた物を整理するくらいだ。そう思って袋に手を伸ばしたが

 

「……かっこいい」

 

 なぜか白くて長い「N700A」というのを開けていた。おもちゃでここまで心を揺らされるなんて玄海(ミデン)は恐ろしい国だ

 文字は読めないが絵が描かれていたので、そのとおりに設置していった。以外と繊細なのか細かいところもあって苦労したが30分かけて完成した。最後に繋げたコードみたいなのは大きな硬い箱、レバーやらダイヤルみたいなのが付いてあってどう動かすのか分からない。レバーを動かしても何も起こらなかった

 

「入るよー。レイジさんが嫌いなものはないか……なにこれ?おもちゃ?」

 

「ああ、おもちゃの店で買ったやつだ。だがこれは動かないんだ。不良品みたいなんだ」

 

 ノックして返事も待たずに開けて入ったのはさっきちょっとだけ相手した小南だ。どうやらオレたちの歓迎会をしてくれるらしく、嫌いなものはないかと聞きに来たらしい

 

「そんなの動かないの当たり前でしょ」

 

「なんでだ!?店のモニターでは動いていたぞ!?」

 

「あのね、この電源コードを挿さないからよ」

 

「電源?どこに挿すんだ?」

 

 近くに来た小南が一つだけどこにも繋がらなかったコード持った。どうやらこれは壁にあるコンセントに挿さないといけないらしく、動かないのは電気がきていなかったからだという。てっきりオレは不良品でも買わされたのかと心配した

 

 コンセントに繋いだ瞬間急に動き出してカーブで勢いがありすぎたのかレールから外れてしまった。慌てて持ち上げてキズを確認するが特に内容で安心した

 

「ふぅ…ところで何か用があったんじゃないのか?」

 

「そうよ!あんたたち嫌いなものって何?」

 

「唐突だな、特にオレもフィーロも嫌いなものなんて…あ、梅干は苦手だ」

 

「梅干?」

 

「オレは食べられない事は無いが、フィーロはダメだ。あと口やのどが痛くなる飲み物とか出すのか?」

 

「…それ炭酸でしょ?」

 

「タンサン?」

 

 オレとフィーロが飲んだのは炭酸ジュースという種類らしく、液体に二酸化炭素を溶かしてできる飲み物だという。小南も詳しくは分からないらしい。物理という科学の分野になるみたい

 慣れれば平気というが、知らずに飲んだときのあの痛みは恐ろしかった。咳き込んで吐き出さなかっただけすごいと思う。歓迎会には炭酸じゃない飲み物も用意してくれるらしいので安心した

 

「そうだ、小南」

 

「なに?」

 

「ここにトリガーを調整できる研究者かエンジニアがいるか?」

 

 今日ボーダーからトリガーホルダーを受け取ったのだが、まだ中身は空なのだ。これじゃトリオン体に換装しても戦うことなどできないし。トリガーに詳しい人がいると性能とか教えてもらおうと思っている

 小南に聞けばいると答えが返ってきて、そいつは訓練室であった宇佐美という女の子らしい。オレと年齢が近いだろうにエンジニアとしての技術があるなんてすごい

 

 フィーロと一緒に訓練室に行くとここで調整を行うらしい

 

「さて、ボーダーのトリガーはどこまで知ってるかな?」

 

「まずメインとサブで4つずつトリガーを装備可能なこと。同じ側でトリガーの複数起動はできない。これくらいか?進さんのは今のと比べれば古いからこれ以上はあまり知らないな」

 

「兄ちゃん。旋空って確か複数できたんじゃなかったっけ?」

 

 そういえばそうだ。特定の条件のみ同じ側に装備しているトリガーを複数起動できる。進さんの場合弧月とオプショントリガーの旋空が同時起動が可能だった

 

「うんうん。基本的なことは知っているみたいだね。あとボーダーのトリガーには脱出のための緊急脱出(ベイルアウト)があるね。これは換装時に必要なトリオンを使うから、残ったトリオンだけで戦うことになるね」

 

「それだとトリオンが少ないやつは起動だけでも精一杯のやつはどうするんだ?」

 

 緊急脱出(ベイルアウト)というのは帰還場所を設定していればトリオン体破壊、伝達脳か供給帰器官、トリオン切れになったとき確保していたトリオンを使用して帰還するというもの

 だが、あらかじめ確保するということは少ないヤツは短時間しか戦えないどころか、換装すらできなくなる。だけど宇佐美は大丈夫と続けて言った。好くな人はオペレーターになるかボーダーの職員になったりなどあるらしい

 

 戦い以外にもボーダーに関わりたいって人は居るらしいけど、トリガーを使ってネイバーと戦いたいという人が設立時から多いらしい

 トリガーホルダーに関することは聞いたので次はトリガー自体だ

 

「2人はどんなのにする?」

 

「オレ身軽なのだいい!!」

 

 確かに夜の雨(レーゲン)は何かを装備するのではなく想像した形状で出すから。フィーロは身軽なのが一番だろう

 

「伶くんは?」

 

「オレはあとでいい。フィーロが先に答えたし、最初にやってくれ」

 

「了解。それじゃどんなのがいいかな?アタッカー?ガンナー?」

 

 呼び方からしておそらく戦闘スタイルのようなものだろう。攻撃手(アタッカー)というのは遠距離系の武器を持たない近接戦闘を行うタイプ。銃撃手(ガンナー)は銃火器を使用して支援するタイプ。ただこれは銃火器を使用せず直接弾丸を放つ射手(シューター)という似たタイプがあるらしい。詳しく聞くと銃を使うと一定のトリオンを安定して撃ち、射程もある程度伸びる。トリオン量によって威力が上がるとも

 逆に使用しないのは弾丸を分割して数を作るか、分割せずに大弾で威力を重視するかで状況に応じて役割を替えるだけでなく。威力、弾速、射程などその都度変更できるという。汎用性が高い分器用貧乏になったり弾種でトリガーが埋まるから構成がほぼ似たりなどする

 

「うーん、オレはアタッカーでいい!あれない?アレ!体のどこからでも出せるやつ!」

 

「どこからでも?…あ、スコーピオンね」

 

「それそれ!2本入れて!」

 

 軽量型ブレード「スコーピオン」体のどこからでも出せて重さもほとんどない。スピードタイプのやつ等が使うことが多いらしいが、デメリットとして近接武器の中では壊れやすいという。形状多少は変えられるようでナイフのように短くすれば通常の剣にしてバランスをとったりなど人によって違うという。トリオンの消費も少なめ。だけどオプショントリガーはない

 

「他にもあるのにそれでいいのか?」

 

「うん!オレは動きやすいほうがいいから!」

 

 確認のために聞けばしっかりと自分の戦闘スタイルを理解しているようでちょっとだけ成長が見えた。でも夜の雨(レーゲン)はブラックトリガーだから耐久力桁違いに高いからいつものようには戦えないということだけ付け加えた

 

 宇佐美が補則するようにシールドは2枚セットしたほうがいいと言うとフィーロもそれに頷いた。他に何をセットしようかとトリガー一覧を見せてもらう

 武器に関連するオプショントリガーのほかにトリオン体自体や移動補助とか妨害トリガーとかある。これでそれぞれにあわせたトリガーを構成して戦うというのがボーダーのトリガーみたいだ。汎用性が高い分一点特化には優れていない。ネイバー(オレたち)の常識とは全く違うトリガーだった

 

「じゃあ次は伶くんだね」

 

「ああ、オレはまずは弧月2本入れてくれ。三日月は弧月をベースにしているから扱いやすい」

 

「オッケー!旋空は入れる?」

 

「…それは考える。あと弾丸を1つか2つ入れたい」

 

万能手(オールラウンダー)にするんだね。それじゃガンナー用トリガーの説明をしようか」

 

 オッケーという返事は何なのかは知らないが多分了承とか肯定の意味があるんだろう。万能手(オールラウンダー)というのは近接と遠距離どちらもできるスタイルという

 ガンナー用トリガーは全部で4種類。通常弾(アステロイド)、目立った性能はないが牽制などトリオンを無駄に使いたくないときとかに使える。炸裂弾(メテオラ)、着弾した瞬間に爆発する。また設置して移動阻害のスパイダーと併用すればトラップとしても応用できる。追尾弾(ハウンド)、トリオンを感知して追う探知誘導と、視線で動かす視線誘導の2種類の使い方がある。変化弾(バイパー)、設定した軌道で進む弾丸。複雑にすると味方にまで当ててしまいそうだ。常に軌道を描く隊員が何人かいるらしい。すごい

 

 説明を聞いて何をセットしようかと悩んでいると、2つを合わせてできる合成弾というのもあるらしい。ただしコツが必要で作るにも時間がかかる、メインとサブを使うから無防備になるといった弱点があるから使う場面は選ぶ必要がある

 

 何を選ぶか迷う。アステロイドは単純に牽制としての役割だけでなくシールドを使わせている間に接近して背後から斬るとか、考えなくても勝手に追ってくれるハウンドもいいかもしれない。視界を塞ぐためにとメテオラで爆発させたりとか

 使う場面を考えると悩む。フィーロみたいに自分のトリガーを考えていくと、アステロイドが妥当なのかもしれない。『硬化』で硬めたモノを飛ばしたりしたし、複雑な動きをさせたことはない。そうなれば旋空を選んでおくのもいいかもしれない

 

 宇佐美に今考えたトリガーを伝えてセットしてもらった

 

 

 

 

 




戦闘シーンがたったの一瞬・・・『硬化』つえええー・・・実はね閉じ込めたりとか他にも考えたりしてたんだ。あと小南の双月ってどれくらい強力なんだろうね。パシリッサを数回叩きつけるだけで切断しちゃうんだから、弧月で防いでも危ないよね
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