とそれは置いといて、怜の声にロクサスとか似合わないですかね?怜の姿で「うらやましいよ、オレの夏休み…終わちゃった」とかさ
でもKH3でのリアに言った「交代だ」は言わせたいですね!
今回は7話と設定を公開です
二日酔いで苦しむ弟を置いて今日の予定をやろうと部屋を出た。まずは玉狛だ。あの頃の多くのメンバーはそこで玉狛支部の隊員として残っているという
「っ~さっぶ」
5年ぶりの冬の三門市に体を震わせながら何度も通ったことのある河川敷をあるく。もう遠くには懐かしの建物が見えている
「5年経っても、あそこは変わってないな。みんなは元気にしてるのかな?」
城戸さんの事もあり変わってしまっているかもしれないと考えてしまう。それは勘弁して欲しいと思ったり、でも会いたいと思ったりしているから、正直頭の中はごちゃごちゃになってる
それでもオレの脚は止まらず玉狛へと進んでいる
「……誰かいるか?」
かつてオレも使っていたけど知らない奴がいきなり入っていたら驚くだろうけど、だれか知っている奴がいてくれればと思って玄関口で声を掛けてみた。けれど反応がない。人の気配はするのにだ
「上って…確か訓練室だったよな?聞こえていないのか?」
訓練室とは懐かしい。斬っても殴っても撃ってもトリオンは消費されず何度でも復活することができる。ここでオレは弧月の使い方を習ったものだ。そういえば忍田さんが城戸さんの車を壊したこともあったんだっけ。聞いただけでしかないけどやんちゃで困る奴だと最上さんとかが苦笑してたっけ
とりあえず誰がいるのか見ようと2階へ上がった
「ん?君は…新しい子?」
「あれ…どこかで……」
「おまえはだれだー!」
2階はフロアの一つが訓練室でもあり、トリガー開発の部屋でもある。とりあえず訓練室に入ると、髪が長い女子がデスクに座ってモニターを見ていた。当時のメンバーの中にはいなかったから新しい子なのだと思う。だけど5年経っているから新人でもないだろう。いつに入ったのかは分からないが
しかも小さな子供が動物に乗っている。よく見れば小さい頃の蒼也に似ている
「ああ!思い出した!風間さんのお兄さんだ!あれ?でも5年前に突然消えたって…」
「蒼也と知り合いなのか?」
両手を合わせて何かを思い出したのか、蒼也のことを知っているようだった。もしかしてこんな美人の子と付き合っているのか? と考えてしまった。小さいくせに青春しているのかよと悔しいやら悲しいやら
「はい、私ここに来る前には風間隊のオペレーターをやってたんです。今は玉狛支部のレイジさんのチームのオペレーターですけどね」
「そうなんだ。お?小南ちゃんか、いま入っているのか?」
「え、ええ。遊真くんと訓練中ですけど」
「小南の…オリジナルか?ちょっと相手しようかな」
「え?あの…」
近くによってモニターを覗くと白い髪の少年とショートヘアーの小南ちゃんが戦っていた。しかも今はオレの知らないトリガーを両手に持って戦闘していた。新しく開発して持ち替えのだろう。ちょっと挨拶がてら戦おうかなと「3」と書かれた扉を開けて中に入る
トリオン体になると一瞬にして2人がいた空間に来た
「誰…うそっ!?な、なんで……なんで生きてるのよ!?」
「オレが生きてちゃ悪いか?小南ちゃん」
驚く顔は予想していたけど、「なんで生きているのよ」はちょっと酷いな
「助けてくれた子がいてね。お陰で命拾いしたんだ。ところで、小南ちゃんは少しは強くなったか?」
「っ!当然よ!悪いけど遊真、10本目は後回しよ」
「わかった」
そういえば迅が言っていたネイバーの子はこの子なのか。小南が訓練の相手ってことはそれなりに強いってことなんだろう。遊真という子は訓練中断されたのにあっさりと了承した
「風間さんこそ、今度は強くなってんでしょうね?玉狛に弱い奴はいらないよ!」
「おいおい、ずいぶん無茶苦茶だな?弱い奴は弱い奴なりに考えてるんだぞ?いつまでもそんな事言ってると、足元掬われるぜ!!」
弧月を抜いて昔よりわがままな発言に少し呆れつつ、小南ちゃんは変わらないなと嬉しくもあった。右足を踏み込んで接近すると手斧が振り下ろされるが、そのまま力任せに振り抜くことなくバックステップで後退すると
「メテオラ!」
4つのトリオンキューブが飛んでくる。シールドで防いでやり過ごすが、爆煙で見えなくなった。すぐに煙から小南ちゃんが飛び出してちょっとだけ驚く。手斧が振られてまた防いで、今度は振り抜くと切り返しで横に振るうが既にいなかった
「えっ!?合体した!?」
上に飛んだ小南ちゃんは手斧の柄尻同士を近づけると1つに繋がって大きな斧になった。2つで1つの合体するトリガーなんて今まで見た中で全く知らない。こんなトリガーまで作ったのかよと驚いていると、落下と同時に振り下ろしてくる
一度弧月で受け流してカウンターで仕留めると考えていたが
「っは!?弧月が壊れたっ!?」
構えていた弧月は少ししか耐えられず斧に破壊された
「っぐ!おいおい、何だよそれ?」
「アタシのトリガーよ」
「オノ3つって持ちすぎじゃないのか?」
左腕が切られて慌ててシールドで塞いでトリオン漏れは抑えたが、片腕を失ったけど戦えないほどじゃない。だが問題なのは破壊力が強すぎる斧だ。超近距離用の手斧は防げた、けど高火力の柄の長い斧は途端に威力が上がった。弧月が壊されるってどれだけトリオンを使っているんだ
「その斧、いったいどれだけトリオン振ってるんだ?弧月が壊れるって強すぎるだろ」
「当然よ。だってこれ、トリオン消費なんて考えてないんだから」
「は!?考えずに作ったのか!?」
トリオンの消費を考えずに作るなんて長い時間戦えなくなるリスクがある。なんでそんなトリガーを作ったのかはわからないが、並みのトリオン兵の耐久力なら負けることはないと思う。数で押されなければだけど。それに、オレにだって「奥の手」がある
「怖いトリガーだけど、多分オレにはもう届かないぞ?」
「向こうで死にかけて強気になったの?言っとくけどこの程度でアタシに勝とうなんてあまいっ…っ消えた!?」
「こっちだ!」
強気の小南ちゃんは斧でトドメを刺そうと振りかぶるが、タダでやられるつもりはない。命中する瞬間にオレの「奥の手」を使った。小南ちゃんが驚いている隙に後ろから弧月で胸を貫いた。仮想空間であるがトリオン体が破壊されたときの瞬間も再現される。もちろん訓練できなければ意味がないから再現だけで実際に戦えなくなるわけじゃない
「風間さん、テレポートなんていつセットしたの!?」
「テレポート?違うよ。向こうで作ったオレの奥の手だ」
どうやらテレポートなんてのもあるみたい。名前からして移動系のトリガーなんだろう。漫画とかじゃ結構強力な能力だったりするけど
「もう一度勝負よ!!」
「勘弁。ちょっと遊んでみただけだから」
「勝ち越しなんて許さないわよ!」
「なんでだよ……ところで林藤さんは上の部屋にいるのか?」
「ボスのこと?どこにも行ってないならそうじゃない?」
遊ぶのが好きな子ではあったけど戦いまで好きな子になったのかなと少し心配になった。訓練室を出ると3階に上がって奥に行くと「支部長室」と書かれた扉があった。ノックすると「入っていいぞー」と返事が返ってきた
「久しぶり、林道さん」
「っ!?風間、お前生きてたのか?」
「なんとかね」
ちょっとだけ老けたオレに剣を教えてくれていた師匠だ。迅から聞いていたけどやっぱりちゃんと生きているってことを見ると安心する。中に入ってソファに座るとこれまでの事を説明した。林道さんはタバコを吸って吐くと匂いが強くなった。オレは吸わないから良さなんて分からないけど、そういえば蒼也も吸っていなかったな。居酒屋でも部屋でも吸っていなかったし匂いもしなかったな
「そうかぁ。色々大変だったな。それでこれからどうするんだ?まだ期限じゃないからギリギリ生活に戻れるけど?」
「期限?」
「行方不明になった人が死亡扱いになるまでの期限だ。お前はまだ5年だから拉致監禁されたとかすりゃ戻れるだろ」
「そうなんだ。てっきりもう死んだって扱いになってるのかと思った」
そういえばどこかで聞いたことがある。行方が分からなくなった人が7年を過ぎると法律で死亡と定められると。だけど拉致監禁って設定で戻ったとしても無理があると思う。拷問を受けたわけでも性的暴力をされたわけでもない。食事を制限されたわけでもないから無理がある
「うーんそれは無理じゃない?ほら、オレメシも食ってたし訓練もしてたから筋肉もあるし健康的だぜ?」
「それもそうか。じゃあどうすっかなー」
「べつに今すぐ元の生活に戻りたいってわけじゃないから。急がなくてもいいよ」
そりゃお袋たちには会いたいけれど、行けば騒ぎになると思う。メディア関係が出てくるといつもの生活が難しくなると思う、ほとぼりが冷めるまで時間が掛かるだろう。でもこっちで生活しようと思ったらいつか知り合いとかに会ってしまうだろうな。こっそり会ってもいいだろうが、変に縛られて身動きができなくなるのは面倒だ。お袋たちはそんなことしないだろうが、もしかしたらって事もある
「ところでこれからどうするんだ?ボーダーに入るのか?」
「そうだなぁ…5年の空白があるから就職とかしようにも難しいかもね。いっそボーダーに居たほうが色々面倒は少ないだろうね」
「お前がそうするならオレはそれに協力するだけだ。というわけで入るならコレを書いとけ」
「ん?入隊申請書?オレボーダーなのに?」
「昔はな、でも今はお前の登録は消されてる。みんなお前のこと死んだって思ってたからな。それに城戸さんは元メンバーだからって特別扱いはしないと思うぜ」
ということはこの申請書は衝突を避けるための安全策ということか。それに規定に反した奴は余程のことでもない限りは例外は認めないという。だから昨日の迅は自分だけ罰を受けるということはないと自信があったんだ。隊務規定違反にはランク戦以外での隊員同士での戦闘を禁止していると。確かにそれならば蒼也たちも違反しているから処罰を与えないといけない
ボーダーたちにとって恐らくそれは大きな損失になるのだろう、だから取り引きに応じることで回避することを選んだのだろう
なんだか昔より何を考えているのか分からなくなっているような気もする
「レイジとかにも会うんだろ?今日は防衛任務がないから昼過ぎにはこっちに来ると思うぞ?」
「そうなのか、わかった」
レイジは大学にも行っているから来る時間は決まっていないらしい。林道さんは付け加えて料理は美味いぞと言ってきた。あの好きな人の前ではテンパってしまう奴が料理上手になるとは驚いた
「ちなみに風間、お前ちっとはできるようになったのか?」
「………それ、聞かないで。林道さん」
「…そうか」
オレの料理の下手さは誰もが知るところだ。キッチンには立たないようにと釘を刺された。そういえば蒼也の部屋のキッチンは調理器具があった。アイツはまともなのだ作れるのか。野菜炒めでもいいから少しは料理の腕前を分けて欲しい
林道さんの言うとおり2時半ごろにレイジは玉狛にやってきた。もちろん驚かれた。そして晩飯のロールキャベツとポテトサラダがめっちゃ美味かった
「ふ~
「そうだけど…買いすぎじゃない、兄ちゃん?」
ホテルに戻ったオレとフィーロは今日の散策の疲れをシャワーで流して、テレビでニュースを流しながら買ってきたお菓子を広げた。和菓子のほかにジェラートという冷たいもの、キャラメルとか言う甘いものとかチョコレートとか。それぞれ一口ずつ食べてその美味さに舌鼓を打っているとフィーロが首にタオルかけて呆れている
「確かにおいしいけど……体壊すよ?」
まあコレだけ甘いものを食べていればあまり体によくないのはわかっているけど。でもおいしいものはおいしいんだからしょうがないよ。ソチノイラでもこれほどのものはないのだから
「大丈夫だよ。暖房も吹いているし食べ過ぎて腹を壊すことはないって」
部屋の温度もいいくらいだ、窓は閉めているから冷たい風は入ってこないし、寝るときは布団を被るから大丈夫だ。最後の練り菓子に手を伸ばして食べる。もう花と見分けがつかないくらい綺麗なお菓子を齧るのはちょっと躊躇うが、美味かった
今日の観光はとても満足できるもので食べ終えたオレはベッドに潜った。甘いものも食べたから眠って起きれば疲れが取れているだろう
―――と、思っていたのだが
現在。おトイレさんと向き合っている
「…おげぇぇぇぇっ」
昨日食べたものをすべて吐き出している最中だ
「だから言ったじゃない。体壊すよって」
「ぅぅ…んげぇぇ」
「ぅっ…とりあえず、薬もらってきたからこれで治るよ」
何度目かわからない吐瀉物を出すとレバーを引いて流す。全くもって情けない。とにかく薬を受け取って水と一緒に飲み込んだ。もうほとんど出し切ったから出ることはないだろうけど、胸の気持ち悪さは消えてくれない
ベッドに倒れるように横になると布団を被る
「フィーロー…外に行くなら気をつけろよー」
「いいよ。兄ちゃんが心配だし」
「……すまん」
旅行を楽しみにしていたわけだしてっきり出るのかと思ったが、結構心配してくれていたみたいだ。と感動していたら
「それに、あまり使いすぎるからってお金自由に使えないし」
「………」
外に出ない一番の理由はそれか。まあ昨日はオレも柄にもなく興奮してたみたいだし、今日は好きにさせてやろうかとお金を渡そうとするが
「いいよ。兄ちゃんもいないと楽しくないし」
「そうか。でも部屋いても…することはないと思うが?」
ホテルの部屋には娯楽に関するものはせいぜいテレビくらいだが
「でもテレビの映像は面白いけど?ずっと見るだけってのは飽きるけど」
そりゃ何もせずに見るのは飽きる。けれどオレは体調を崩しているからどこかにいくことはできないし。フィーロは出るつもりはないみたいだし。今日はゆっくりしよう
「フィーロ」
「ん?なに?」
「明日は出るか」
「うん!でもまずは兄ちゃんは体を治さないとだよ!」
「わかったわかった」
念を押されてしまった。言われなくてもちゃんと体調は治すつもりだ。オレはそこまで我慢できずに観光しようとするやつなのかよ
もっと進さんと旧メンバーとの再会を書きたいのですが、何度も「生きていたの!?」を繰り返すのもお決まり過ぎてつまらないなーと
次回はとうとうボーダーとが動きます(予定)