このお話はその後悔した主人公が、自分語りともう一度頑張ろうとする物です。
学生の人なら特に心に来る……かもしれないです。
シリアス100%。
今回はシリアス100%です。
本当です。
懐かしい。あぁ、懐かしい。
俺は学生時代の記憶を思い出していた。
大人になって楽しいことなんて無かった。意地悪な上司、同僚と言う名の邪魔な奴。
昔は楽しかったと思う。
悲しいと思ったのは何時だろうか。
どんな物で有ろうと終わりが来ることは知っている。
それは生物でも、植物でも、学校でも……
最初に思い出が悲しいと思ったのは中学三年生の三学期からだ。
中学校に入学したときは小学校からの友人が多い上、精神が子供だったのもあるだろう。
まぁ学生時代の思い出をずっと思い出してるため、まだ精神が子供だろうが。
中学校に上がると少しずつきちんと現実を見ることになった。
『受験』である。
受験勉強で後半からは遊ぶ時間なんて無かった。
今では『前からもっと遊べば良かった』と後悔している。
俺としても苦い記憶だから、受験云々の話はもういいか。
俺は中学校卒業が近くなると共に悲しくなった。
『まだ一緒にいたい』『遊びたい』と。
だが現実を見ないといけない。
結果、卒業式で俺は大泣きした。
男が大泣きするのはどうかと思うだろうが、それほど悲しかったのである。
高校ではそのショックからまだ立ち直れておらず、友人を作る機会を無くした。
それに仮に立ち直っていたとしても友人を作らなかっただろう。
『一緒に居れば悲しくなる』そう学んだからだ。
俺自身、恋愛しようが青春時代を有意義に過ごそうが勝手だと思っていた。
そして俺は諦めた。人と離れることが怖かったからだ。
そして社会人。大学には行かなかった。
早く大人になってこの悲しみから抜け出したかったからである。
結果としては抜け出せた。
そんなことを考える暇も無く、仕事が忙しいためだ。
そしてその時に後悔した。
『もっと楽しみたかったな……』と。
人間は失敗する生き物と言うが、その失敗した時間は戻らない。
俺の場合は時間を戻したとしても失敗すると思う。
そしてある日の休日。
俺は何かショックで空いた心の穴を埋めようとして、出掛けた。
そうして不運にもトラックに跳ねられた。
今までの思い出が走馬灯のように駆け巡っているのもそれが原因だろう。
そして俺は目が覚めると……
「お主、やり直さないか?」
真っ白な空間に居た。
全くもって訳が分からない。
一体どうなっているのだろうか……
そんな俺の目の前には一人の髭の生えたじいさんがいた。
そのじいさんからは、まるで仙人のような感覚が直感的にした。
「やり直す?」
一体何をだろうか。
俺がそう疑問に思っているとじいさんが説明してくれる。
「簡単に説明すると、転生じゃよ」
転生……輪廻転生のことか。
確か新しい命として蘇ると言うあれか。
だが本当にそんなことが出来るのだろうか。
まぁいい。どの道悔いのあった人生だ。
このじいさんがふざけてそんな事言ってようが、どうでもいい。
そのふざけた事に乗ってやるか。
「いいぜ、宜しく頼む」
俺がそう言うとじいさんは微笑んだ。
「して……お主は転生するときに、
何か一つだけ願いを叶えることが出来るんじゃ。
何が良いんじゃ?」
願いを一つ叶える?
完全に胡散臭いなこのじいさん。
だけど俺がどうやってここに来たかは謎のままだ。
じいさんが運んだのか?でも俺はトラックに跳ねられた筈……
まさか閻魔大王とでも言うのか?
それと神様か……
いや、俺には関係ないことだな。
さて、何か一つ叶えられるのか。
だとしたら……あれしかないな。
「じいさん……俺をもう一度『学生』としてやり直させてくれ」
俺がそう答えると同時に真っ白な空間が光り始めた。
そうして俺は一つ心の中で願った。
『来世はどうか悔いの無いように』と。