そろそろ夏ですね…………俺は熱さで直ぐに体調崩すので苦手な反面、外で運動出来るから好きです。……矛盾…………悲しみ
オラリオの中央に聳え立つ摩天楼
『バベル』
ダンジョンの入口が地下に存在し、そのダンジョンの蓋の役割もこなす50階建ての施設である。
最初は他の建築物と変わらぬ高さだったが、1000年前下界に降りてきた最初の神々によって破壊され、そのお詫びとして再建された結果、巨大な塔になった。
迷宮の監視と管理を行うギルド保有の施設であり、20階までは公共施設や換金所、各ファミリアの商業施設が軒を構えている。さらにその上からはオラリオでも有数のファミリアの神々が住み着いている『
そのバベル1階は現在、負傷した冒険者やその治療に当たる医療系ファミリアの人達によって溢れていた。
「あぁ……うっ!痛え……誰か治療してくれ!」
「早く化膿止めと包帯を持ってきて!!」
「腕が!ゔぅくそ!くそ!」
「急患5名来ます!!あぁ!もう!多すぎる!」
「あぁ……死に、たく無い…………」
「ママ!パパ!誰か助けて!!」
「大丈夫!助かるからね!誰か!サポートに来て!!」
「まだ死者が出てないのが奇跡だけど、それがいつまで持つか……」
様々な匂い、薬品のツーンと鼻にくる匂いから血や腐敗臭が鼻を刺し、あちこちから聴こえる、呻き声や叫び医者達の様々な専門用語が飛び交い、バベル1階は埋め尽くされていた。
そして2階ではこの惨事を止めるべく、集まった主力たる人達とその主神達が話し合っていた。
最大派閥のロキ、フレイヤ・ファミリアより
「あかんで……そろそろ、対策せな均衡が崩れる」
「分かっている。でもロキ、相手が悪すぎる」
「えぇ……『
「フレイヤ様申し訳ございません。次こそは必ず仕留めて見せます」
「オッタル、今は待ちなさい。貴方には、戦闘で得た情報から対策を考えて欲しいわ」
主神ロキ、団長『
主神フレイヤ、団長『
オラリオの治安維持ファミリアである、ガネーシャ、アストレア・ファミリアより
「うむ……子供達の救護も、追いつかなくなってきている。オラリオ全域となると、時間がかかり何より今は危険が伴う」
「……分かった、直ぐに戻れ。ガネーシャ、団員が数名負傷したらしい。幸い軽傷で済んだ様だ。更に闇派閥の数名の死体を、北のメインストリートにて団員が発見した。見た事の無い傷跡だったらしい」
「……治安維持の為、そしてこの街の人々の為、多くの闇派閥を捕らえましたが、まさかここまで未だ潜んで居たとは…………アリーゼ現状は?」
「アストレア様、だいぶやばいです。三方向に行った救援も闇派閥に道を遮られてる。闇派閥を抑えるのに前線に出た部隊の、神ロキの所の『
主神ガネーシャ、団長『
主神アストレア、団長『
この8名からなる
フィンは全体の部隊の流れから、全部隊の指揮。
オッタルは主神の命で情報から相手の対策。
シャクティはガネーシャ・ファミリアのその構成員の多さを使い、オラリオ全域の住民の救出、闇派閥の対処、『フェンリル』『ヘル』『ミドガルズオルム』の監視などの命令。
アリーゼは、部隊の編成から部隊の現在位置、状況の整理。負傷者の状況から治療の状況。
各ファミリアの団長達からの進言を、主神達が纏め、各々の構成員へ伝達し命令する。現在、ファミリアが違うどうこうは言ってられないが、その主神からしか命令を受けない者もいる為、命令は主神が行っていた。
「…………ふん。フィン」
「ん?どうしたんだい、オッタル」
資料を見ていたオッタルが、不意に隣で部隊の情報を見ていたフィンに声をかけた。
「早急に『ヘル』を倒すべきだ。居なくなった者の中には、治癒の魔法の使える者や第二級冒険者がいる。そいつらを回収し全体の安定を取るべきだ」
「あぁ、分かっている。然し、救出に行った所で今までの二の舞になるだけだ。だから、『ヘル』は監視のみにし他の2体の対策を急いだ方が良い」
──バタン
急に会議室の扉が開かれ、全員が入ってきた者を見る。その入ってきた者は、フィンに向かい言ってのけた。
「ならその討伐、
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
─オラリオ南東─
そこは現在霧が立ち込めていた。かなり濃い濃霧である為、1M先も見えない程に視界が悪すぎる。そこに、少数からなる1部隊が入ろうとしていた。
「分かっていると思いますが、この作戦の成功は貴方の索敵能力に掛かっています。頼みますズィーニスさん」
「……分かってる。先行くぞ
「な!待ちなさい!独断専行はいけない!」
部隊は霧の中に入っていった。この先に多くの冒険者、そして『ヘル』がいる。全員が気を引き締めた。
部隊構成員
隊長──アストレア・ファミリア、『
隊員──ロキ・ファミリア、グレイ・ズィーニス
あかさたガネーシャ・ファミリア、中級冒険者3人
計──中級冒険者4名、下級冒険者1名
部隊というよりもパーティの様な人数である。そして、隊員にグレイが居た。会議室に入りフィンに直談判したのは、グレイだった。
────
───
──
─
「…………どうして此処に居る、グレイ」
「それより、『ヘル』は俺が殺る。人員を少し向かわせてくれ、流石に居なくなった奴ら全員は運べない」
「くっ!グレイ!いい加減にせい!お前は黙ってホームで寝とれ!腹に穴が空いたも当然だったんやぞ!うち達がどれだけ心配したと思っとるんや!!」
グレイの発言にロキは、主神として親として何より家族として心配し怒鳴った。親が子を心配し叱るのは、人も神も変わらない。然し、常に子は親の心情を知らぬものである。
「……ロキ、何で怒る。俺は責任を取るべきだろ。この惨劇は俺が原因だ、俺がケリを付ける」
グレイは直ぐに会議室を出て行ってしまった。ロキの顔はそれはそれは、怒りと哀しみが混ざった様な顔をしている。表すなら超不機嫌といった所だ。
「ロキ……焦りすぎだ。僕が話す暇すらなかったじゃないか」
「うっ……すまんフィン、確かに少し熱くなってしまったわ」
「ロキ?少しいいかしら、彼の発言……聞き捨てならない所があったのだけれど……
「…………仕方ない。ロキ、僕から説明してもいいかい?これ以上の蟠りは避けたいからね」
「頼むわ、ちっと頭冷やしてくる。後頼むでフィン」
ロキは会議室から出ていき、会議室ではフィンによる説明がされ始めた。
────
───
──
─
そして急遽作られたのが、ちょうど休息に戻っていたアストレア・ファミリア所属のLv.2の中でもLv.3に近い『
編成され南東に向かう際、グレイは名前だけの自己紹介と自身の索敵能力による捜索を話していた。よってリオンは事前に主神が『
そして、リオンは主神からもう一つ命令が下っていた。
『リュー頼みがあります、あのグレイという少年の情報をできるだけ多く持って帰ってください。頼みますよ?無事を祈っています』
「(この少年の情報ですか……)ズィーニスさん、何か反応はありましたか?」
リューは前方を歩くグレイに話しかけた。グレイは先程から黙ったまま、左手は常に刀の鞘を掴んでいる。
「……反応はまだ無い。だけど何か変だ」
この時、グレイはスキル『神后の寵愛』にある気配察知能力超補正により強化された自分の索敵能力によって、自身の周辺を広く探っていた。それにより、上級冒険者であるリューですら気づかなかった事に、気づき始めていた。
「何が変なんですか?詳しく教えてください」
「…………霧に入ってから、俺はずっと周りの気配を探っていた。奇襲に備える為に、だけど入ってから少し経った後から、俺達は同じ場所を回っている。いや
「な?!それが本当なら何故直ぐに言わない!」
「……確証が無かった。それだけだ……っ!おい!避けろ!」
グレイが後方にいる3人に対し叫んだ。
「ん?うぁぁあ!た、助け……」
「ひゃっ……」
「おい!くそっ待……」
3人が一瞬にして、霧の中に消えて行った。気配や音から推測して
「皆さん!大丈「おい叫ぶな」……ズィーニスさん、貴方は少々情というものが欠けている。私は隊長として、アストレア様の団員として彼らを助けなくてはいけない」
「…………なら走るぞ。唐突に隣に出てきたら対処の仕様がない、それにこの場から離れる必要がある。幸い対処の方法は分かった、疾風は
「はい?……分かりました」
2人は直ぐにその場から走り始めた。Lv.1のグレイの走りにLv.2のリューは余裕で並走し、速さを合わせつつ周囲に注意していた。
「(Lv.1でありながら、走りや身のこなしに、全く無駄の無いどころか精錬されている。彼は本当にLv.1なのだろうか?)ズィーニスさん、私達は動いていますか?」
「……動いている。疾風は俺について来ればいい、それでまず大丈夫な筈だ」
霧に入り30分更に走り初め20分、既に計50分が経過していた。走り続けた間、腕による攻撃が多数あった。その動きによりグレイとリューはある仮説を立てていた。
『殺す気は無く此方の無力化、拘束が目的の為どうしても掴みの攻撃になる』
『必ず左右どちら側から腕が現れる。現れる直前、空気の流れを感じる』
この仮説を立て頭に置き走り続けていた。
その結果、Lv.2であるリューはそのLv.3に近いポテンシャルを大いに使い避け、Lv.1であるグレイは第一級冒険者達による訓練の成果を発揮、空気の流れを感知し攻撃を避けていた。
そして走り進め、角を曲がる為壁から角を覗いている際突然、リューが何かを確信した様に口を開いた。
「……やはり此処は」
「此処がどうした?」
リューは顔を顰め呟いた。
「此処は『
「……此処があの奇人ダイダロスの街か、つまり霧に入った奴は必然的にこの場所に誘い込まれる訳か」
──ダイダロス通り
今は昔、奇人の異名を持つ設計者であるダイダロスによる度重なる区画整理のせいで、一度迷いこめば二度と出て来れないといわれるほど非常に複雑になった設計により、オラリオに住む者からはもう一つの迷宮と称される程の街、その性質状様々な人種が潜み住んでいる。
「下手に動いて迷ってしまっては、救出どころか私達が出られない」
「…………迷ったとしても屋根から出ればいい、最悪なのは『フフフフ』っ!……聴こえるか」
「えぇ、この曲がった先から確かに聴こえる」
2人は一度ハンドサインで指示を出し合い、リューは屋根からグレイはそのまま角から声の主を見た。
『フフフフ』
『キヒヒヒヒ』
そこには、3M程の人型の存在が2人佇んでいた。
1人は艶やかな黒髪は腰まであり、肌はハリがあり陶器の様に白く、纏う服はアマゾネスの服より露出が多く、ほぼ裸体をさらけ出している。腰に祭具と透けている白の布を巻いていて、魔性の美しさを醸し出し微笑んでいる、見るもの全てを魅了するかの様な美女。
もう1人は美女とは反対の老婆だった。所々に祭具が着いたボロボロの黒のコートを纏い、枯れ草の様に乱れた髪は白く肩まで伸び、見える肌の多くは青黒く腐敗し、僅かに見える肌も皺が刻まれ、見るものが嫌悪する醜悪な老婆。
美と醜、生と死、その正反対な物を表す存在が、
「……1体じゃなかったのか(どういう事だ?……話と違う。目撃情報と一致しない)……疾風」
「はい、分かっています」
リューは先制攻撃をする為、詠唱を始めた。
「『今は遠き森の空。
まだ2体は此方に気づいていない。疾風の魔法もまだ時間が掛かると見える。
「『愚かな我が声に応じ、今一度
俺は疾風の詠唱と2体を確認し、次の行動の為詠唱を始めた。
「『我は花弁を散らす廻り者なり、我は輪廻を遡り呼び醒ます者なり』」
俺は相手の注意を引く為、角から飛び出した。2体は急に出てきた俺に驚き戦闘態勢になるが、既に俺は目前まで迫っている、今更動いた所で遅い。
「『
「『ルミノス・ウィンド』!!」
疾風の詠唱が終わり、やや遅れて俺の詠唱も終わった。終わった直後俺の頭上には、疾風の魔法が注いだ。そして当たる僅かという所で
「『我が選択するは
緑風を纏った無数の大光玉が一斉放火され、屋根の上から目下の2体に向け星屑の魔法が流星の如く降り注ぎ、俺と2体のモンスターを土煙で覆う。それでも更に追撃の様に魔法は続く、それでも俺には当たらない全て避けれる、いや…………
右、左、左、真上、左、右、右、真上、左、
上からその順で、俺に光の攻撃が降り注ぐ。俺はそれを体をずらす事で、最小の動きをもって避け2体に迫る。気づけば既に俺は眼前に迫っていたが、相手は俺を見つけていなかった。
それもその筈だ。相手は3Mに対し俺は1.4M、9歳にしては高い身長だが相手の約半分の高さでこの視界の悪さ、相手からは俺は見えない。その隙に高威力の一撃を打ち込む。
──
─
ゴォォオォオオオォ!!
首めがけて降った刀から、炎が立ち昇り巨大な炎の虎になり2体を飲み込んだ。
2体を巻き込む様に一気に殺す為、持ちうる呼吸法の中でも範囲、威力、共に高い呼吸を選んだ。
『炎の呼吸』
呼吸法の中で、基本的な型と称される『炎』『水』『風』『雷』『岩』の五種の型、そのうちの一つ『炎』は始まりの呼吸である『日の呼吸』に最も近い呼吸だ。
特徴として、その火力と殲滅力は地面に強く踏み込まれた事により、他の呼吸には無い、凄まじい火力を誇る。
結果2体共に上半身が無くなり、消滅し灰になった。
「なっ!?(彼は本当にLv.1なのか?あの威力と範囲……屋根の上に居なければ巻き添いをくらっていた)ズィーニスさん……ズィーニスさん?」
リューは屋根から降りグレイと合流した。しかし、グレイの姿を見て困惑していた。グレイは魔法の効果で姿が変わっており、それは初めて見る者にとって十分謎が多いだろう。
「……何だ、あぁこれか?俺の魔法だ。検索するな、マナーだろ?」
茶髪になった長髪を後ろで結び、瞳も茶色で左目を刀の鍔の眼帯で隠している。服装は黒の着物と黒の袴、その上に裾が脛辺りまである長い白い羽織を、黒い帯で
これが、【
──隻眼でありながら己の流派を、一代にして昇華させたと云われる剣豪
『柳生十兵衛』
──才能
『一寸の極み』
剣の立ち合いは一寸で決まる。間合いを極限まで把握、認識できる才能。それ故に世界は遅くなる。
それが『一寸の極み』
「え、えぇ分かっています。分かりました、検索は止めます。……今倒したのがヘルでしょうか?」
「分からない。聞いた情報と姿形が違う、確認してみるか……!離れろ!疾風!!」
「くっ!……一体どうなっているんですか?!」
グレイが灰を確認しようと近ずいた瞬間、灰が一箇所に集まり1つの形を成して行った。
腐った肉の塊で形成された巨大な肉体、頭は無く身体には空洞がありそこに黒いドレスを纏った、胸に魔石の見える妖艶な美女が拘束されていた。肉体には肩、腰、脚、腕に鎧があり身体に祭具があった。
腕は4本、それぞれ武器を持っている。右の上の腕は大剣、左の上の腕は戦斧、右の下の腕は弓、左の下の腕は矢、どれも装飾が施され淡く光っている。だが確実にどれも生命を断つと、見て分かる程の凄みがある。
「これが『ヘル』の本来の姿………あぁ……分かった、そうかよ。お前ら3体共、
情報では、腐った肉の身体しか見せてない様だった。直感が言っている、此奴らは産みの親である俺にしか、本当の姿を見せないつもりだ。それに、周りの霧が薄くなってきた。そのおかげで此奴の特徴も分かった。
霧が濃いのは、最初の2体を見つけさせない為。多分あの形態は攫った冒険者の経験値を、己に取り込む状態なのだろう。纏っていた光は経験値か……更にあの4本の腕、霧の中で襲ってきた腕と同じだ。
「疾風……今なら攫われた連中の確保もできるだろう、この奥に反応がある、先に行って待ってろ」
「な、何を?!貴方は何を言っているのですか!?この圧に情報通りなら『ヘル』は推定Lv.4!私にも貴方にも勝ち目が無い!!霧が晴れた今、ひとまず逃げるべきだ!!」
疾風は、俺を心配しているのだと分かっている。確かに勝ち目はないのかもしれない。だが然し、俺は責任を果たさないといけないし、何よりこの教わった剣術は、常に格上との戦いで使われてきた。なら己が出来ない通りは無い、ただ相手を殺すのみ。
「……疾風……なら救援を呼んで来い。時間稼ぎくらいなら、俺でもできる」
「…………分かりました。直ぐに戻ります、危なくなったら直ぐに引いてください。それと、いい加減名前で呼んでください」
「分かったから、早く行け……リュー・リオン」
「まぁ良いでしょう。必ず生きて会いましょう」
リューは直ぐにその場から居なくなった。流石『疾風』と云われるだけはある、凄まじい速さだ。
「行くぞ…………直ぐにでもその首、地に落としてやる」
「アハ!……アハアハアハアハアハアハアハアハアハ!!!!!」
律儀に待っていてくれた分、こっちも律儀に惨たらしく殺してやるよ。
遅れてすみません。
テスト期間だった為、大幅に遅れました。まだ少し期間が続く為、次も遅れるかもしれません。大事な将来を決めるテストなんです。申し訳ございません。
お気に入りが270件突破!!今後も遅れたりして不定期更新ですが、頑張りますのでよろしくお願いします!
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それでは、次回もよろしくお願いします!
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