「ここですね」
「うっわ、すごい匂いがするなー」
有能なメイドの力で、ナザリックは恐ろしく清潔に整えられていた。階層によって異なるが、マーレとしては森の香りはすれども、こういった薬品の匂いはあまり嗅ぐ機会ほとんどない。
リアルとて、高度な医療技術のため、病院でも消毒のアルコールの香りはしても、薬品の香りなどまったくなかった。
(う~ん、くちゃい)
まあ、ペロロンチーノ自体あまり裕福な層ではないから、病院などそもそも行く機会がなかったが。
「アレ、お客さん? 初めて見る顔だね」
扉を開けて顔を出してきたのは、目を隠すほどの長さの金髪の青年だ。どこか内気な雰囲気を漂わせている。
店員なのにいいのだろうか? と思うが、まあ、飲食店と違い、薬師はこの世界の技術力なら医者みたいなものであるから、技術があればなんとでもなるのだろう。
(しかし、エロゲの主人公みたいなやつだな)
主に髪で顔を隠し、キャラが立たないようにしてプレイヤーが自分に重ねやすいようにしている感じが。
(薬屋とか、NTL系の主人公になれそうだ)
自分とニニャを攻略するなら──仲の良さそうな少年少女、しかし、二人の性別は逆で……購入しに来た薬の内容から生理痛を抑えるものだと感づいた彼は秘密を黙っていることを引き換えに……って感じだろうか。
うんうんとうなずくが、この人、精力がたりなさそうーと妄想をやめた。
「薬とか、素材を買い取ってほしいんだ。買い取りもしてるんでしょ?」
「あ、うん。買い取りもしているよ。初見のお客さんの場合は鑑定の魔法を使うから少し安めになっちゃうけど」
まあ、色水をポーションと言われても困るしな。
俺はトントンと持ち込んだポーションや、ミスリル鉱石、飛竜の牙などの低レベルの素材を机に乗せる。
ガゼフ・ストロノーフを基準に、30以下の素材ならば問題ないだろうと、捨てるのすらめんどくさいとギルメンがゴミ箱代わりにおいていった素材を漁って持ち込んだのだ。
「こ、これは……ダークエルフの里から持ち込んだものかい?」
「うん。結構いい値段になるんじゃないかと思うんだけど、どう?」
「いや、すごいよ! これは! ばあちゃん!」
髪の間から見える爛々と輝く瞳。ギュッと強く握られたその拳に、もう少し安いものにすればよかったかなと思ったもののもはや後の祭りである。
「こ、これでどうかな?」
机に載せた量の半分くらいの金貨が載せられている。
大量である。
ニニャの『度肝を抜かれた』という顔からしても結構な大金に変わったようだ。
「じゃあ、これで売買成立でー」
大量の金貨をしまっていく。
NPCは装備以外にもアイテムを異空間に所持できるが、プレイヤーと比べれば少量だけで、厳選が必要になる。
装備なんかをもたせてもかなりカスタマイズをしないと持ち替えまではしてくれないので、持っていれば勝手に使ってくれる回復アイテムを持たせることが多い。
もちろんキャラ付けに香水をもたせたり、ラブレターをもたせたりと意味を付けたりするプレイヤーもいるが、持てる量は極小だ。
マーレも、ハンカチやお裁縫グッズなどの小物しか持っていなかった。
けど、ペロロンチーノでもあるせいか、マーレはプレイヤーであったときと変わらない量を持てるようである。
自分の部屋や共有スペースから売れそうなものを持ってきたのだ。
「ね、ねえ、君たちは冒険者なんだよね?」
「そうです。漆黒の剣のニニャと──」
ニニャがちらりとこちらを見る。
そういえばチーム名は言っていなかった。
「漆黒のチーノでっす!」
そう名乗って店を出る。
そう、モモンガ、ナーベラルと三人のチーム名は漆黒になった。
見た目が由来の単純なもので、最初に出会ったチームとかぶっている点が痛いがこういうのはわかりやすいほうが良いと思うのだ。
チーム名を決めようというとモモンガさんは腕を組みながらデスデッドタイフーンとか、ダークブラックムーン……いや、とか言い出したので、黒の全身鎧、ダークエルフ、黒髪と黒の共通点から漆黒にしようと提案したのだ。
なにせ、彼はギルド名を異業種動物園と提案したほどのネーミングセンスであるので……そして、ナーベはNOと言うはずがないので、自分が言わなければどうなってしまうかわかったものではないのだ。
「よーし、いっぱいお金が入ったし、デートを再開しよっか」
「だ、だからデートじゃ……」
街を食べ歩きしながら周りながら、あれこれ必要なものを買っていく。最後に露天で、片方に魔力を込めると、もう片方がぼんやり光るというネックレスを見つけたので、プレゼントした。
「い、いいのに……」
「ネックレスなら隠れるし可愛いのしてても変じゃないよ」
「そりゃ、変じゃないけど……」
「あれだよ。うーん、友情の証みたいな? ニニャもチームで同じ剣持ってるんでしょ? だったら俺と同じのもっててもいいじゃない」
ニニャの胸元で月の形の石が淡く青に光る。
明かりを隠すように手でギュッと抑える。
すると今度はマーレの胸が服越しに太陽を模した丸の石が淡くピンクに光る。
「きれいなもんだね」
「……そう、ですね」
恥ずかしそうに目を伏せるニニャの手を取る。
「買い物も終わったし、戻ろうよ」
「──うん……」
ぼうっと服越しの明かりに見入るニニャ。
そんなニニャから高感度アップの音が聞こえた気がしたので、満足そうに歩き出した。
好感度はプレゼントで上げると思っているペロロンチーノさん。
同じもの上げても好感度上がるゲームとか見ると後で売ってるのかな?とか思うよね。
ブランドのバックか。
なお、ペロロンチーノさんはエモット家の知り合いの薬師をでっぷりしたエロそうな人と思っているので、ンフィーがそうだとは全く思いもしていません。
果たして彼は気づくのだろうか。
中々更新できずすみません。期待するのは?
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ダイジェストでもいいので完結
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別に書いているのが終わったらしっかり更新