「やめてほしいでござる! 某に乱暴する気でござるか!? エロドウジンみたいに! エロドウジンみたいに!」
ぽかーんと口を開けて惚けるしかなかった。
眼の前には無抵抗であるとお腹を見せながらもジタバタと手足を動かすかわいい──女の子がいたからだ。
人間の大人がやれば無様なその様子も可愛らしくは見えた。
うん。かわいいな。
──ハムスターってのは。
「これが森の賢王」
「賢いげっ歯類はリアルにはいないものっすよ。モモンさん」
「かわ──いいのか? ううむ。ギルメンが嬉しそうに飼っていたのは覚えてますが」
「ペットを飼えるなんて贅沢だとウルベルトさんは苛ついてましたねえ」
「まあ、羨ましくはありましたね。ペットロスで何日か仕事を休めるんですから。俺がそんなこと言ったら首ですよ」
「ああ、そうですねえ」
のんきに話している俺達の様子に手足のバタつきをやめてちらりとこちらを見つめるハムスター。
「ところで殿と姫~、某役に立つでござるから、生かしてほしいでござるよー」
「まあ、別に殺さなきゃいけないわけじゃないんでいいですが」
「カルネ村のためにも活かしたほうがいいってあのギャルゲ主人公が言ってましたしね」
「それ、ンフィーですか?」
俺たちは今、依頼人であるンフィーレア・バレアレの依頼でトブの森に探索に来ていた。
あれが見つかった、これがほしいと子供のようにはしゃぐ彼には困りものだが。
しかし、薬か。ユグドラシルにも回復役以外にもどこで使うのか全くわからない薬がたくさんあった。
調合師が作ると更に大量になるため、リアルで薬剤師になれそうなくらいたくさん集めることができる。
ゲームに何の要素もないジョークグッツの類だが、媚薬とかもあった。
あるのかな? ──ほしくない? ほしくない? ほしいよね。
「と、ところでさ。媚薬とかってあるのかな」
「……ないわけじゃないよ。性に関係する薬は貴族に高く売れるからね。──誰に使うつもり?」
媚薬を使う相手。
そんなものは決まっている。
「女騎士かな。姫騎士だとなおよし」
プライド高く、どんなことにも屈しない。
そんな鋼の如き精神が、快楽という甘い罠に折れ曲がるシーンはとても興奮する。
媚薬は気が強い相手に使うもの。
間違いない。
しかし、エロゲ主人公ことンフィーレアは派閥が違うようでこちらを睨む。
「君みたいな相手にはエンリを任せられない」
?? なぜエンリが出てくるのか。
彼女は献身な村娘タイプのヒロインなので、俺みたいな正統派主人公が媚薬を使う相手ではないのだ。
いや、つまりこう言いたいんだろう。
エンリに媚薬を使うのは俺だ、と。
幼馴染の前に現れたイケメンを前にしてはいけないと思いつつも媚薬に頼って好き放題しちゃいました系を考えているに違いない。
なんて悪いやつなんだ。
失望しました!
「エンリはもう恋の病に落ちてるから媚薬なんて必要ないんだ……」
ふっと言ってみるが、実際のところ、そこまでではないような気がしている。好意は持たれているのは間違いないと思うけど。
ぎりりと歯を食いしばる音が聞こえる。
「それより、どうしましょうか」
いきなり現れた森の賢王を二人だからと皆を逃さずに倒してしまったのだ。
「カルネ村のことを考えると殺すわけにはいかないですし、モモンさんのペットでいいんじゃないですか。ほら、げっ歯類仲間で」
「チーノさん……覚えておいてくださいね……」
オーラを当てるだけで一発服従とか、これが二コポだろうか。
モモンガさんの素晴らしい力に、漆黒の剣はもうメロメロである。
俺たちは伝説を目にしたと言わんばかりに目を輝かせていた。
「あの……さ、チーノは騎士が大好きなの?」
「ううん? ニニャのほうが好きだよ」
なにせ、女騎士にロリはほぼいないし。
女騎士はきりりとした成熟な女性でなければなれない職業であるからして仕方がないが。
男装女子のほうが得点は高い……!
「も、もう! 何言ってるんですかっ! それにボクは男なのにっ!」
ツンデレいただきましたーとホクホクしながら俺たちは初の任務をこなしたのだった。
八欲王とか六大神が広めたに違いない。
スルシャーナ「やめて!私に乱暴する気でしょう? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!」
中々更新できずすみません。期待するのは?
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ダイジェストでもいいので完結
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別に書いているのが終わったらしっかり更新