埃臭いし、嫌な臭いも漂ってくる。
雰囲気的には地下壕だろうか?
「暗いな……」
「はい、懐中電灯、私は大丈夫だから」
鞄から懐中電灯を取り出して森繁に渡す。お前は使わないのかと目で訴えてたので大丈夫と返す。
月明りのみで森の中を鬼ごっこしたり、新月のなにも見えない中、気配のみで鬼ごっことかやらされた記憶がある。
最近ではもう、脳筋と同じようにバカが木の枝を起点として猿のように真っ暗闇の中を飛んでくるようになったので追うのと逃げるのがさらに大変になった。
あれは真似しようとしてもどうしようもないと思った。
本当に同じ人間なのだろうか、男だからできることなのだろうか?
でも同じ男でも恭也先輩はできないし、脳筋族という種族なのだろう
そう納得することにした。
「大丈夫か?」
「ごめんごめん、考え事してた」
森繁の訝しげな視線を他所に歩き出す。
しばらく歩いていると通路に棚が並べられており、その上には均等に生首が飾られていた。生首は最近切り取られたものや腐っているもの、骨になりかけているものと様々だった。
トロフィーかよ……悪趣味だな
「大丈夫?」
「あ……あぁ、大丈夫だ。こんなところに繭が居たら心配だ。先を急ごう」
棚が連なった通路を渡ろうとしたら、青い霊魂が出てきて通路を曲がったりして進んでいった。彼らは着いてこいと言っているようだった。
ごめん、もう一回やってくれていい?覚えらえてない!!
「……?」
先に進もうとしたら足場から穴が開き、落ちそうになる。
慌てて縁をつかんで飛び上がって戻る
「大丈夫か?」
「ダイジョウブだよ?」
訝しげに森繁がこちらを見ているが気を取り直して行こう!
すみません
こころの中で謝って、首が並んでいる棚に飛び乗る。
そのまま走って棚を飛び移って通路の先までいく。
通路の先に飛び移った。穴があるなら上を通っていけばいいじゃない!
近くに浮いてる霊魂から呆れている雰囲気がでているが無視する。
え?この先も同じようなものがある?今度は先行しないで案内して?
無理?
「森繁、棚から伝ってこれ……」
森繁に棚に飛び移れるか聞こうと、後を振り返えって見ると森繁が普通に通路を歩いてくるのが見えた。
「霊魂がちゃんと案内してくれてたじゃないか、見てなかったのか?」
「すみません」
こっちのほうが早いと思ったんです。
「先いそごう!!」
すこし微妙な雰囲気になったが、気を取り直していこう!!
先に進もうとすると人の気配が近づいてくるのを感じた。
進もうとする森繁の前に手を出し止める。
様子を見ると向こうから人が走ってきた。
ニット帽にカメラ、どこかで見たことあるな。
「田久地さんじゃん」
「ひぃぃ!……もしかしてユイちゃんかい?どうしてこんなところに?ここは危ないから早く逃げるんだ。」
目も泳いでいるし、汗もすごい、結構錯乱してるな。
「落ち着いてください、どうしてこんなところにいるんです?」
「女の子が人をトイレで首を吊らせてたのを見た後、逃げ回ってたら気が付いたらここにいたんだ。あたり一面死体だらけで気が狂いそうだよ……」
首吊り?穏やかじゃないな。
「それって何時頃ですか?繭かもしれない」
森繁が我慢ができなくなったのか、食い気味に口を挟んできた。
「き……君は?」
「すみません、僕は森繁といいます。ユイさんのクラスメイトです」
「そ、そうなんだ。僕は田久地、鬼碑忌先生のところでカメラマンをやっているよ」
「それでその現場を見たのはどこでいつですか!!」
「わ、わからない、3階のトイレだったと思うけど、ここまで必死に走ってきたから……」
多分上階ならさっき分かれた、
「そ、そうですか、ありがとうございます」
「良樹が上を探してくれているから、私たちはこっちを探してみよ?あんな不良もどきでも私より探し回るの早いしね。私たちまで戻ったらこっちにいた場合、発見が遅れることになるでしょ?」
森繁は大分迷っているようだったが、頷いてくれた。
「田久地さん、この道を戻って通路をまっすぐ行けば、用務員室に設置したセーフエリアがありますけど、一人でいけますか?」
「……僕もついていっていいかい?もう一人で行動するのは怖いんだ」
目線で森繁に伺いを立てる。彼もいいようでこちらに対して首を縦に振って応答してくれた。
「いいですけど、勝手な行動はしないでくださいね。勝手な行動すると守れるものも守れなくなりますから」
「わ、分かった……」
「じゃあ、先を急ぎましょう」
殺されそうになっているのは穏やかじゃないが、そこは
途中で田久地さんという同行人を増やして私たちは先を急ぐことにした。
「もうすぐ、この学校は終わるのかね?」
ええ、申し訳ないですが、あなたも送らせていただきます。
3階の男子トイレの奥、うさんくさい顔をした青年とスーツに蝶ネクタイ、山高帽におしゃれな眼鏡という紳士な幽霊が話をしていた。
「少し前に小笠原という少女が私のところに来た。彼女をお願いする。」
分かりました。ではまた来世で会いましょう