【本編完結】原作に関わりたくない系オリ主(笑) IN ダンまち   作:朧月夜
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今週はこれで終わりじゃよ。
ここまで導入みたいなもんどえす


魔都にニンジャのスリケンを 序2

「え、普通に嫌だけど」

「いえ、強制任務ですから」

「マジで」

「マジです」

 

 日々仕事に勤しむ異世界リーマンことライト。

 とは言え彼はヘスティア一家の団長であり、社会的には責任のある立場であると認識されている。

 そんな彼は久しぶりにギルドに来ていた。

 ホームに手紙が届き、いついつ何時に出頭しろ的な事が書いてあったからだ。

 

 そして来てみればエイナによる強制任務発動の話である。

 ライトは寝耳に水とばかりにぽかんとするも、依頼内容を見て嫌になった。

 ダンジョンに潜ってヴィーヴルのレアアイテムを取って来いという内容だからだ。

 ギルドの上層部で何とかという王国との戦争を避けるための交渉材料、それに必要だとかなんとか。

 

 ならロキとかフレイヤのところみたいな大手に頼めよとライトは抵抗したが無駄だった。

 どっちも戦争になった際の予備役的なポジになってるから無理と言う理由だ。

 なるほど、一理ある。ライトはぐぬぬと唇を噛んだ。

 

 大手は人数も多いし平均的な戦闘能力も高い。

 それに大人数で深層を遠征出来ると言う事は、参謀役の能力も高いと言う証だ。

 つまり戦時には必要な能力という事になる。

 

 翻ってヘスティアファミリアはどうか。

 たしかにライトの能力は高い。

 ギルドも第一級冒険者と同格として認知している。

 一応ヘスティアファミリアの担当とも言えるエイナは不満そうだったが、トップダウンでライトの扱いに気をつけろと言われれば彼女にそれ以上言える事も無い。

 

 だがライトの他の団員は二人で、それも非戦闘員である。

 つまりライトが個人で動く分にはいいが、ファミリア全体で言えば零細も良いとこなのだ。

 けれども彼は一度、ヴィーヴルの討伐及びレアドロップの確保を成功させている。

 単純に実績があるのだ。

 

「けどよ、ウチの等級なんて底辺だろ? 目立った活動してないし。なら強制任務とか発生しないんじゃね?」

 

 ライトの言葉は正解だ。

 強制任務遠征とは、基本的にはギルドが定めるファミリアの等級がD以上、それも探索系に課せられるミッションである。

 故にそれを嫌ってレベルの偽証などもよくある話だ。

 なのでライトとしては功績も挙げないファミリア、しかも活動は金儲けばっかり。

 なら強制云々は適応外だと思うのは当然だろう。

 

「確かに等級D以上の探索系に発生する仕組みですが、ライト氏、あなたのファミリアの毎月の徴税額がおいくらか理解していますか?」

「いや知らんけどきっちり払ってるだろ?」

「ええ、それはもう。何せヘスティアファミリアの等級はAですから。格付けだけなら既に大手ですよ貴方たち」

「Aねえ。なるほど、なら高いのも頷ける……って、A?!」

「Aです。収支報告を確認すると、貴方の所、ぶっちぎりですよ? 稼ぐ以上に貯めこんでるでしょ。そんなファミリアを底辺に置いておくほどギルドは甘くないんですよライト氏」

「あー……なんかそんな書類見た気がするわ……」

 

 がっくりとうな垂れるライト。

 記憶の断片を辿ると、確かにギルドのエンブレム入りの豪華な封蝋がされた書類に記憶がある。

 それで一足飛びに等級Aになり、ヘスティアが目を白黒させていたのだ。

 

「ま、等級はいいけどオレ達探索系じゃないけど、そこは?」

「ファミリアは、ですね。ただ貴方という規格外な存在は、そう言うカテゴリーに縛られないとギルドは判断しています。ああ、そう。ウラノス様の言葉をそのまま伝えますね。”ライト、わかるな?”これで通じますでしょうか?」

「あーはいはい。承りましたよっと。喜んでー! とはいかんけどな」

「それは良かったです。報酬はドロップ品の評価額の5%ですが、ウラノス様より何か希望があるか聞く様に言われいますが如何なさいます?」

 

 要はライトの欺瞞を黙認している借りを返せとウラノスは言っている。

 そうなるとライトは強く出れない。

 既にファミリアを中心とした生活基盤が出来上がっているし、家族である連中も無下には出来ない。

 結局ライトは請け負った。

 だが理不尽だと思うのはまた別の話だ。

 だから、

 

「んじゃウラノスに言っといて。成功報酬はエイナ職員を一晩オレの好きにさせる事。じゃないと請け負わない。ファミリアガーとか脅すならオラリオから出ていってもいいんだがね? こっちは」

 

 悪どい笑みと共にエイナを睨みつけた。

 勿論本気ではない。

 ライトにとって堅物系女子は守備範囲外である。

 ただイラっと来たので意趣返しのつもりだった。

 だがエイナはライトが狙った反応の斜め上を行った。

 

「えっ、ちょ、それは、もしかしてライト氏からあんなことやこんなことをされ、あまつさえそんな事まで要求されながら”エイナよ、口では抵抗してもこっちは素直な様だな、うえっへっへ……”なんてされちゃうんですね……」

「ちょっと何言ってるか分からないです。正直ドン引きですわぁ……これだから婚期を逃したエルフは……その妄想力ゥですかね、気持ち悪いです。あっ(察し) それで大人の男なんて駄目よ! これからは穢れを知らない美少年の時代ね! とショタに走るのか。怖いな~とずまりすとこ」

「な、ななな何を言ってるんですかっ! ショタとか好きじゃないですっ!」

「まずショタって言葉は一般人には通じないんだよなぁ……お前さ、エイナさ、ソーマんとこで指名する相手、ユニセックス系小人族だルルォ!? こっちはあそことツーカーなんだよ!」

「あわわわわ……」

 

 そうしてライトは久しぶりにダンジョンに潜る事になったのである。

 因みにこの日は、暴走するエイナにドン引きし、そっとドアを閉じて静かに逃げ帰ったライトである。

 ついでに、この手の冗談をこいつに言うのはやめようと決意しながら。

 

 

 ☆

 

 

「リリ、弁当はー?」

「バッチリです! 今日はライト様が大好きな唐揚げをたっぷりいれましたよー!」

「いい子や……よしナデナデしてやろう」

「えへへ……」

「はい次、春姫の準備はどうだー?」

「はい、えっとルーンの杖に夢の竪琴、完璧ですっ!」

「ベネ。ハルもナデナデだー」

「キャー!」

「んじゃ行くぞ!」

「「おー!」」

「き、気をつけていくんだよ!? ほんとに。なんか既にゆるふわな雰囲気だけれども!」

「でぇじょうぶだ。オラに任せとけって」

「不安だぁ~……」

 

 行楽日和の青天の朝、竃の館では出発前のチェックを行う団員がいた。

 それを見送るヘスティアはおろおろしている。

 

 実はこれ、ダンジョンへの遠征前である。

 だがその雰囲気は完全に観光気分にしか見えない。

 そう、例の強制任務遠征の決行日が今日なのだ。

 

 ただライトはこう見えて過保護な男である。

 故に手持ちのアイテムから廃装備を彼女たちに装備させていた。

 防具はリリルカが【しろのローブ】、春姫が【くろのローブ】

 どちらも魔導士系装備で、見た目以上に物理・魔法防御力が高い。

 違いはしろが精神に補正がかかり、くろが知性に補正がかかる点か。

 

 腕は二人ともに【げんじのこて】があり、これは毒や石化を防ぐ。

 頭には可愛らしい【リボン】がある。

 ただその愛らしい見た目とは裏腹に、これは属性ダメージを半減し、カエルと小人以外のバッドステータスを無効にする。

 この世界にカエルや小人の状態異常が存在しない為、実質起こりうるバッドステータスの全てをこれでシャットアウト出来る。

 

 そしてリリルカはスキルを活かして【トールハンマー】を持ち、春姫は非力だが魔法に素質があると言う事で、【ルーンの杖】と【夢の竪琴】を持っている。

 【トールハンマー】はそのまま鈍器として使っても優秀だが、ノーリスクでサンダラを使える。

 【ルーンの杖】はブリザガが使え、【夢の竪琴】をかきならせば敵は睡眠状態に。

 実質ダンジョンルーキーに等しい二人に持たせるにしても、かなりの過保護っぷりだ。

 

 ヴィーヴルが目的ではあるが、現地は中層でありそこそこ敵も強い。

 さらに階層主に出会う可能性もある。

 なのでライトは、せっかく潜るんだし、ついでにお前らのレベリングもするかって流れになった。

 MMO等の廃人プレイヤーが、ギルメンの養殖レベリングをするのと完全に一致している。 

 

 あまつさえライトは、リリルカのリュックの中に、大量の魔法スクロール系アイテムに大量のエリクサーを入れている。

 その中にはデスの魔法を発動する物も含まれており、過剰な戦力とも言えるだろう。

 とは言え、探索メインでは無いファミリアなので、行ける機会を効率的に活かそうというだけだ。

 

 そうしてバベルに向かった一向。

 エイナにも一応これから行くからと許可を貰い、地下へと向かう。

 その際にすれ違った冒険者たちはひそひそと噂をする。

 

 ────死ねやハーレム野郎

 ────合法ロリに狐耳とか万死に値する

 ────通報しますた

 ────あれが†外道乱舞†……名前に負けない外道っぷりよ

 

「なんかすげえ注目されてるな。参っちゃうね人気者ってサ」

「流石ですライト様っ! 略してさすらい!」

「おーサムライみたいでかっこええやん……」

「いや違いますから、10割罵倒でしたからっ!」

 

 その後大穴に飛び込んだ一行だったが、運が悪い事に17階層で階層主ゴライアスに遭遇。

 リリルカは青ざめたが、ライトはポムっと手を打つと、良い笑顔で笑った。

 

「お前ら、殺れ」

 

 クイッっと首を掻き切るゼスチャーと共に。

 

「ふえぇ……あ、あれは無理ですライト様っ、すごくおっきいですよ?!」

「ライト様、殺す気ですか!」

 

 慌てる春姫だが、リリルカはさらに怯える。

 勘の良い読者ならピンと来ただろうが、リリルカがまだコソ泥時代、彼女はライトの洗礼を受けているのだ。

 因みにこの時の行動が偉業扱いされたのか、ソーマからヘスティアに改宗した際に、彼女のレベルは2になっていた。

 その後、彼女に与えられた二つ名は【腹黒少女】(ブラック・アイドル)であった。不憫すぎる。

 故に彼女はレベルアップに喜ぶよりもむしろ、不名誉な二つ名が拡散しない様に小物ムーブを続けているのだ。

 

 だが真の男女平等を提唱するライトにそれは通用しなかった。

 特に冒険者ともなれば、恩恵により性別間の差は小さい。

 故にライトは心を鬼にして彼女達に言った。

 

「無理というのはね、嘘吐きの言葉なんだよ。途中で止めてしまうから無理になる」

「で、でも死んじゃったら元も子もないんじゃ……」

「だまらっしゃい! 鼻血を出そうがブッ倒れようが、とにかく全力でやるんだ。そうすれば無理と言う言葉が嘘になるっ。さあ行け、お前たちなら出来る出来るっ! 諦めんなよっ!」

 

 二人は泣きながら吶喊した。

 立体機動装置も無いのに頑張った。

 リリルカが目を血走らせてゴライアスの足の小指にトールハンマーを叩きつけ、もんどりうったゴライアスが倒れた所に春姫のブリザガが股間に炸裂。

 

 すかさず春姫は夢の竪琴をかきならした。

 これは失敗したら死ぬ。

 春姫は生まれて初めて死の恐怖、本当の意味での世界を知った。

 自分はなんて安全な場所にいたのか……。

 

 ────鬼! 悪魔! ライト!

 

 二人の心はシンクロした。

 春姫の竪琴プレイは激しさを増す!

 ポロロンでは無い! 

 高速のダウンピッキングで弦をかき鳴らすスラッシュメタルのギタリストの様だ!

 結果、憐れゴライアスは深い深い睡眠を喰らい、乙女二人による執拗なタコ殴りで昇天した。

 見ていたライトのタマがヒュンってなった!

 

 こうしてレベル1と2、かつほぼルーキーの少女二人による偉業は成された。

 肩で息をしながら健闘を讃え合う二人に満面の笑みでサムズアップするライト。

 こうしてヘスティアファミリアの歴史がまた1ページ────なんて事はなく、二人の無言の腹パンで崩れ落ちたライトである。

 そう、彼女たちは惚れた男ならなんでも許す系女子ではないのだ!

 

 そして彼らは18階層。

 通称『迷宮の楽園』(アンダーリゾート)、一応安全階層とされる地点になる。

 広大な自然に天井ではクリスタルが太陽の様に地上を照らす。

 中央には一際大きな水晶の塊が鎮座している。

 

 ここは森林と巨大な湿地があり、西側にある湖の島ではリヴィラという街すらある。

 地下空間にこんなものがある時点でおかしな話なのだが、だからこそダンジョンなのだろう。

 リヴィラは冒険者の冒険者による街であり、中層や深層への大規模遠征の時には第一キャンプという扱いになるだろうか。

 

 故にここで売られる商品も、宿泊費や食事代も高額だ。

 本来の相場とはあまりにかけ離れた。

 だが場所が場所だけに仕方ないだろう。

 例えるなら映画館の缶ジュースの価格や、スキー場などのカレーの値段が2千円するのと同じ事である。

 

 さてライト一行だが、ヴィーヴルと遭遇出来るポイントである19~24層に向かう前にキャンプをする事にした。

 ゴライアスに二人を嗾けて怒られたのでご機嫌取りをと思ったらしい。

 リリルカのリュックには遠征用の天幕なんかも入れてあるし、実はライトの”持ち物”の中にも生鮮食品が色々詰まっている。

 

 ならボッタたくりな街で休むより、キャンプしてBBQしようぜ! というのがライトの計画である。

 これにはリリルカと春姫もテンションが上がった。

 完全にこいつら、バカンスを楽しんでいるだけである。

 それにライトがうっすらと思い出した原作知識の結果、リヴィラにいるヤクザみたいな連中と関わりたくないとの判断だ。

 

 そしてあまり人が来なさそうな湖の湖畔にやってきたライト達。

 彼らは素早く大きな天幕を張ると、満面の笑みで服を投げ捨てた。

 そして産まれたままの姿で「ヒャッハー!」等と奇声をあげながら勢いよく湖に飛び込んだ。

 当然水着なんて便利な物はそもそもないのだ。

 だがしかし、

 

「うほっ、冷てえええええええっ」

「はぁはぅあっ…………」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……」

 

 完全にバカである。顔面崩壊させて叫んだ。

 準備体操も無しに飛び込んだ結果、全員唇を青くしたまま身体を抱いて震えている。  

 構図的にはヌーディストビーチで戯れる男女の筈が色気の欠片も無い。

 そう、ダンジョン内の湖は水温が低いのである。

 それでも貴重な水源であるから、冒険者たちが水浴びに利用するのだ。

 

「ライト様暖かいです……」

「リリもリリもっ!」

「おまっ、いきなり抱きつくなって、うおっ、足攣ってる、いてててて……」

 

 結果、間近にいたライトに二人とも抱きついた。

 そら人肌は暖かいに決まっている。

 だがあまりの寒さで二人は見事なお山でライトの腕を挟むようにし、足は完全になんとかホールドの様に絡みついている。とにかく晒している肌の面積を、ライトの肌に当てねば死ぬって勢いだ。

 その結果、不幸にもライトの足が攣り、激痛に顔を顰めながら、阿修羅の様な形相で二人を抱えたまま湖畔に飛び出した。

 

「…………死ぬかと思ったぜ」

 

 結局水泳は禁止になり、彼らは焚火を燃して暖を取った。

 素肌にそれぞれローブを纏って。それ高級装備なんだぜと呆れるライトだが、自分はニンジャである。

 

 そして人心地が付いた一同は”携帯竃ヘスティアちゃん”を取りだし、BBQへと突入したのである。

 因みに”携帯竃ヘスティアちゃん”は、ぶっちゃけると地球ではあまり珍しくもないアイテムだ。

 夏場の行楽シーズンではホームセンターに山と積まれている七輪である。少しサイズは大きいが。

 これはライトが「もしかして売れないかしら?」と試作したが、結構重いのでまずは自分で使ってみようと持ち込んだのだ。

 

「この炭焼きって最高ですね。香ばしい匂いがたまりませんよ」

「せやろ」

「リリルカさん、それだけじゃないですよ。このタレが凄いんですっ。甘辛くて、でも病みつきになりますっ」

「せやろ。それデメテルんとこが開発した”デメテルのたれ”だ。こうして野外での料理に最適だし、実はどんな料理にも大概合うぞ」

 

 皆が食べているのはジュージュー苑のメニューと同じ、一口サイズにカットされたお肉である。

 こいつら誰も野菜を食べようとはしない。肉オンリーである。

 まさに肉食系女子。

 どれだけライトが普段イキろうと、最終的に尻に敷かれているのだ。

 

 しかし最近のデメテル。本当に商魂逞し過ぎる。

 このデメテルのたれのラベルには、満面の笑みの彼女の姿がある。

 まるですし〇んまいの社長なみに全面に出ていくスタイルだ。

 

「ふわぁ……気持ちがいいですねぇ」

「凄いなマジで。あんなに光ってたクリスタルが消えたぞ。ダンジョンなんでもありだな」

「ライト様くすぐったいですぅ……」

「お前が乗っかってくるから悪い。尻尾くらい触らせなあ!」

「キャー! 耳も駄目なんです破廉恥ですっ!」

「良いではないか良いではないか!」

 

 散々飲んで食べた一行は、湖畔にシートを敷いて川の字になって寝ていた。

 クリスタルの天井が色褪せていく幻想的な景色を特等席で見ようという趣向らしい。

 と言っても仰向けに眠るライトに春姫は抱きつく様に乗っているが。

 彼女は尻尾があるので仰向けがあまり得意ではないのだ。

 

 そんな春姫の尻尾や耳をモフるライト。

 身をよじる春姫だが嫌がっている風でも無い。

 そんな戯れに嫉妬したリリルカがシンダー・エラで犬人に化けると、ほら触れと猛烈アピール。

 

「むっ、エロ狐ばっかりずるいですっ! ライト様、リリの耳、空いてますよ?」

「ようしならモフってやろう。おりゃおりゃ」

「キャー! ライト様のエッチ!」

 

 何というマッチポンプな誘い受けなのか。茶番にも程がある。

 さて地上で彼らの身を案ずるヘスティアはこの光景を見てどう思うのだろう。

 恐らく地団太を踏んでキミたちばかりズルイと憤慨するだろう。

 だがしかし、ダンジョンで神威を発動させて余計なイベントを起こす愚など勘弁と彼は絶対にダンジョンへは入れる気は無いのだ。

 

 因みに彼の過保護っぷりは凄まじい。

 なにせ自分たちがいない間、ヘスティアに何かあっては困ると、ナァーザにかなりの小遣いを握らせ、竃の館にミアハとナァーザが寝泊まりしているのだから。

 ミアハは金銭のやり取りがあった事は知らない。

 全てはナァーザの懐の中である。

 

「静かだなあ……たまにはこんな日もいいかもな」

「ええ、来てよかったです。でもゴライアスはもう勘弁してくださいね……」

 

 ライトがすっかり暗くなった天井を見上げて呟いた。

 そんな彼に横にいたリリルカは頬を膨らませて脇腹を突く。

 春姫は今日がよっぽど楽しかったのか、疲れて寝てしまったので既に天幕の中だ。

 

「ま、ヤバかったら助けるつもりではいたけどな。でもオレは信じていたよ。それに、オレのおまけみたいに見られるの、気にしてたろ?」

「うーズルい言い方です。……でも知ってたんですか?」

「ま、オレにも多少はお前の気持ちが分るからな。それにお前はただ男にぶら下がって満足するタマじゃないだろ。今まで必死に生き足掻いて来たんだ。そのプライドは尊敬している」

 

 リリルカは少し肩を震わせると、表情を隠す様にライトの胸に顔を埋めた。

 

「愛してますライト様。ずっとお傍にいさせてください……」

 

 そう呟いたリリルカを顔を上げさせたライトは、涙顔の彼女の唇に自分のを重ねる。

 

「嫌がったって離さねえよ」

「ふふっ、でも神様も春姫さんも、それにティオナさんもみんな好きな癖に」

「オレは情に弱いからな。クズって言われても全員幸せにしたいんだ」

「憎たらしい人です。ふふっ、でもリリが一番になるからいーんです!」

「やっぱりお前は逞しいわ。だから好きなんだよ」

「やっと言葉で聞けました……」

「恥ずかしいんだよマジで。ここまで長~い葛藤があったんだっての。オレの中の人的にこれは倫理的にアリなのか否かとかだな……」

「何も言わないで下さい。リリは幸せなのですから。それより────」

 

 そして二人の影が一つになった。

 静かで、暖かい、そんな恋人たちのひととき。

 だがそれは、彼らの日常に好ましくない変化が訪れる前触れでしか無かったのである。

 

 

 




春姫「それでじゃあ愛するヘスティアファミリアの家族の皆さん行きますよ!」
観客『ウオオオオオオオオオオオオオオッ!!!』
春姫「貴方たちならわかりますね。あの3つの言葉で始めます。そう、SEEKッANDッ────」
観客『DESTROOOOOOOOOOOOOYッ!!!』
春姫「ALRIGHT」デスボ

お好み焼きラーを経て、カレーラーを経て、メタラーに至った春姫

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