【本編完結】原作に関わりたくない系オリ主(笑) IN ダンまち   作:朧月夜
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ベル「あーもうホントにオラリアは怖いなぁ。すっかり農作業で疲れちゃったよ」
ザニス「これは坊ちゃん、疲れはいけねえ。そんな時はホレ、この栄養剤を飲んでスッキリしなよ。あー気にすんな気にすんな。出会った記念に奢ってやるから」
ベル「えー? いいんですか。じゃ遠慮なく。……んくんくっ……うわぁおいしいなぁコレ」
ザニス「(計画通り)」


インガオホー プレイバックpart2

 レアドロップ売却分の金貨と、無尽蔵にあるポーション類を捌いた事で更に儲けたライトは、ヘスティア・ファミリアのホームの改築に手を出した。

 これはヘファイストスから正式に土地ごと購入した事がそのきっかけとなった。

 

 ────まあ子供として親孝行は当然って言う感じですかね。

 

 オラリオのミニコミ誌の記者の取材に対しライトはキメ顔でそう答えた。

 これによりライト・ニンジャの名声はさらに広がった。

 

 とは言え貧乏ファミリアのサクセスストーリーという美談だけでは無い。

 いい加減ファミリアに眷属を増やそうぜと考えた彼らのマーケティング戦略である。

 

 そもそもミニコミ誌、或いはフリーペーパーと言う物は無料で配られるのが定番だ。

 ならば経費を掛けて冊子を作る彼ら編集部はボランティア精神に溢れているか?

 そんな訳などない。

 

 あの手の冊子に載っているクーポンの類いの企業は、それ相応の広告費を払っているのだ。

 例えば小さな枠に三か月間記載すると〇〇十万の様に。

 もちろんこれもライトが編集部に結構なヴァリスを握らせている。

 

『来たれ若人! 集え未来の為に! ヘスティア・ファミリアは貴方のご応募をお待ちしています! 特に英雄願望をお持ちの貴方! ここには貴方の輝かしい未来が待っている! まずはお話から。 応募担当:ヘスティア・ファミリア団長ライト』

 

 ライト・ニンジャの2万字インタビューの各ページの余白には、昭和の自衛隊の募集広告を彷彿とさせるファミリアの募集が自己主張をしていた。

 

 因みに生まれ変ったヘスティアのホームは、地上3階建ての見事な大聖堂風に整えられ、何故か屋上には名古屋城を彷彿とさせる立派な金のシャチホコが鎮座しており、オラリアの西地区の密かなランドマークと化していた。

 

 これはライトの故郷を懐かしむ望郷の念から作られたのだが、毎朝ライトとリリルカは屋上に登り、恍惚とした表情でこれを磨いているという。

 

 そんな生まれ変ったホームの巨大なリビングでは、ライトが腕組みをしながら目を閉じていた。

 

「ライト様、何を難しい顔をしているんですか?」

「メンポしてるのによく分かったな」

 

 丁度バイトに出かけるのに降りてきたリリルカがそう尋ねると、メンポを外して天を仰いだ。 

 

「実はいくつか商売を思いついたんだが、正直人手が足りない」

「あー……まあそうですね。ヘスティア様以外はリリとライト様しかいませんもんね」

「不思議だよな~結構目立ってるのに入団したいって奴こねーもん」

「不思議ですよね~」

 

 意外とウマの合う二人は揃って首を傾げた。

 そんな二人をよそに、実はこのファミリア、あちこちから警戒されている。

 まず団長は常に真っ赤な服で顔を隠した変人であること。

 次にその団長に付き従う小人は、見た目こそ可愛いが弱者に容赦をしない腹グロだ。

 そんな風評が流れているのだ。

 

 原因はカジノである。

 あそこは貧乏人は来れない。

 冒険者でも出入りできるのは、確かな後ろ盾のある者に限られる。

 

 そしてライト&リリが大儲けをしたのは、そんなカジノのVIPエリアだった。

 VIPエリアは別にやんごとなき人のみが入れる場所と言うだけじゃあない。

 賭け金の最低額が頭がおかしいレベルなのだ。

 

 なぜそんなフロアにポっと出の成金であるライト達が入れたか。

 それは偏にヘファイストスの関係者だと匂わせたからだ。

 ファミリアのメンバーとは言っていない。

 ”懇意にしています””よく顔をあわせます”そんなどうとでも取れるワードで相手が勝手に納得しただけである。

 

 そしてまんまと入り込めた二人だが、そこで意味の分からないビギナーズラックを連発したのがリリである。

 小柄で可愛らしく、どこか庇護欲をそそる物腰で油断させ、暗黒面を生き抜いた肝力で鬼の様なブラフをかましてレイズとコールを誘い、相手を恐怖のどん底に突き落とした。

 

 ────ごめんなさい。リリィ……初心者だからよく分からなくて~。ごめんなさいっ♡

 

 とんだ小悪魔である。

 ちなみにライトはと言うと、メンポの奥に光る野獣の様な眼光が醸す言い知れぬ雰囲気で相手を委縮させ勝ちまくっていた。

 結局ディーラーが数人代わり続けても二人は勝ち続けたのである。

 

 そんな武勇伝を築いた訳だが、良い事ばかりじゃない。

 噂好きのVIPの奥方衆が、方々でこの二人の事を話しまくった。

 彼女らにとっては娯楽であっても、噂は間に入る人が増える程に尾ひれがついていく。

 結果、ヘスティアファミリアのド外道団長に腹黒幹部と知れ渡ったのだ。

 

 そうして酷いマッチポンプとも言える広告戦略は、数百万ヴァリスを投じたというのに、あざといヘスティアを生で見たいだけという冷やかしの面接以外に反響は無かったのである。

 これぞインガオホー。自業自得の極みであった。

 

 そんな訳で一向にメンバーが増えない。

 実は例のキャッチコピーをよく見れば解るが、ライトの焦りも見え隠れしている。

 こう見えてこの男、かなりの小心者である。

 

 気が付けばヘスティアの眷属になり、リリルカを何となく救った。

 それは素直に嬉しいと今は感じている。

 何故なら、見た目だけで言えばこの二人、かなりレベルが高いのだから。

 ダンまちにおける可愛い系ヒロインのツートップとも言える。

 

 とは言えライト、実は彼女らにあんなことやこんな事、あまつさえそんな事をする気配も見せない。

 一つ屋根の下に美少女がいる。

 まして彼女らは自分に恩義すら感じている。

 なのに普段の行動はゲスい癖に、女にはからっきしになる。

 何故か。それはヘタレだからだ。

 

 ────やっぱり僕は王道を征く。ハーレムですかね。

 

 そんな風に斜に構えてみても、中の人はただの日本人男性である。

 二次元のハーレムを見てニヤニヤ出来ても、自分でしようとまでは思わない。

 何故か。女の怖さを知っているからだ。

 

 中途半端に女にのめり込み、高額なプレゼントを数々送った挙句に女がフェードアウト。

 彼の女性遍歴の中でそんな事はいくらでもあった。

 いつしか彼はガチの彼女なんかいらない。

 キャバクラとおっパブが至高と言い切るヘタレにクラスチェンジしたのである。

 金の続く間はチヤホヤしてくれるからね、仕方ないね。

 

 故に、純粋なオラリオのヒロイン達の真っ直ぐな好意の視線など怖くて仕方がないのだ。

 なんなのこいつら。パーソナルスペースめっちゃ狭くない? 密かにそう思う事もある。

 いやちょっと待って。純粋?

 カットカットカット。

 訂正。純粋(笑)なヒロイン達の好意的な態度にしり込みするのであった。

 

 故に例の広告である。

 そろそろベル君にも登場してもらいたいし、純粋にファミリアの眷属も増えて欲しい。

 ヘスティア、リリ、ライト、この逆ドリカムみたいな構図はそろそろやめたい、それが本音である。

 ベル君はさておき、複数の人間が出入りするホームになれば、必然と交友関係の密度は薄くなる。

 そうなれば、ヘスティアやリリルカから寄せられる気持ちの真意も伝わるだろうと。

 

 結局まともな志望者はおらず、計画倒れに終わったのであるが。

 この男、中の人は結構いい年の癖に、ここに来ていらんことを考え出した。

 それは”オラリオ生活も結構経つし、そろそろガチのヒロインの一人くらい欲しい”である。

 

 彼はある時ふとそう感じたのである。

 その時はそう、洗濯当番で全員の汚れ物を洗っていた。

 当然そこには神様とリリの下着も混じっている。

 

 教会の裏にある井戸でごしごしとそれらを洗いながら「あれ? もしかしてオレって男って思われてなくね?」と思ったのである。

 考えてみればヘスティアもリリルカも風呂上がりにパンツ1枚で彼の前を通り過ぎていく。

 しかし彼も「おーい湯冷めして風邪ひくぞ~さっさと服着ろ~」「分かってますよーだっ」みたいな感じでスルーしている。

 

 完全に一家の父親ポジションである。

 そう、彼自身も美少女二人と同居しながら、世間的にはラッキースケベと呼ばれるシーンに数々遭遇しながらも、それを特に意識せずに受け入れてしまっているのだ。

 その事に気が付いたライトはがく然としたのである。

 

 考えてみれば彼はこの街で結構遊んでいる。

 しかしその相手は夜のお姉さまばかりである。

 なにせ金だけはあるのだ。

 繁華街に行けばそりゃあモテるに決まっている。

 

 だがそれ以外はどうか。

 何やらヌルいポジションに収まっているではないかっ!

 これでは薔薇色の異世界生活と言えるのだろうか? いや、言えない。

 そこでライトは一念発起とばかりに、ファミリア外にも目を向ける事を決意。

 

 因みにさっきまで新しい商売が云々。

 人が足りない云々の会話は場繋ぎに彼が適当に発しただけである。

 特に意味はない。

 ポーションが売れているだけで充分なのだ。

 

 さてそんな時だった。

 ホームのドアが開けられたのは。

 

「ノックしてもしもーし。すまんが邪魔するでぇ~」

 

 嵐の予感がする────!

 

 

 ☆

 

 

「あっ! ライト、あっちも行ってみよ? なんかいい匂いがする~」

「そーですね」

「むっ、ライト様、あっちの屋台のが美味しそうですよ?」

「そーですね」

「あれ? 髪切った?」

「そーですね」

 

 ライト・ニンジャことライトは、2重の意味で辛かった。

 まず一つ。褐色貧乳美少女と、ロリ巨乳に挟まれてリアルハーレムムーブを決めている事。

 そして怪物祭に二人に拉致られデートをしているが、当然の如くシルバーバックも変な草も出てこない事だ。

 

 後者はベル君が次元の狭間を彷徨っている現状、例の素敵で綺麗なお姉さま女神が動いていない。

 それでもライトはぐぬぬ……と悔しがっていた。

 次の機会ってなると来年じゃんと。

 それはそうだ。年イチのイベントなんだし。

 

 では本題。

 なぜハーレムムーブなのか、である。

 

 時間を少し遡ろう。

 ある日ロキ・ファミリアのロキがヘスティアホームに突撃してきた。

 と言っても含みのあるトリックスタームーブでは無く、何故か胃を押さえながら。

 

 その時ホームにはライトとリリしかいなかった。

 ヘスティアは先にバイトに出かけており、おっつけリリもそこに合流という流れであったし。

 なのでまた後日にでもお越しくださいなと言ったが、帰ってくるまで待たせて貰うわ! とロキは居座った。

 

 しょうがねぇな~とばかりにライトはロキを接待した。

 実はこの男、こういう部分では有能である。

 金を稼ぐには太鼓を持ってナンボよ、そう言う割り切りが出来る社会人なのだ。

 

 酒好きのロキに軽めのワインを出し、チーズなんかをつまみにだし、そしてロキの話に相槌を打つ。

 まあ出てきた言葉はオッサンレベルのセクハラ自慢話8割愚痴2割とクソみたいな話だったにせよ。

 これでロキはライトへの印象を上昇させた。

 

 そこにヘスティアが帰ってきて、また例のマウントの取り合いを経た後、ガチのトーンで神同士の相談になる。

 どうもアイズがライトを所望して煩いのだという。

 強さガチ勢のアイズは、謎の力で強いライトを間近で見たいと考えているらしい。

 実際ギルドにはレベル1で申告しているし、それを疑ったギルド上層部に対し、ライトは堂々と背中の神聖文字を御開帳してこれを証明している。

 

 つまりレベルに囚われない強さこそ、頭打ちを感じているアイズには垂涎モノと言う訳だ。

 だがロキはこう見えて常識人な所がある。

 というか眷属愛が強すぎて、変な所で足を掬われない様にルールはきちんと順守するという責任感を持っているのだ。

 

 そこに目に入れても痛くない程に可愛いアイズにおねだりされた。

 ライトと戦ってみたい。ライトとダンジョンに潜ってみたい。

 ダメ……? 

 

 何だこの可愛い生き物は。

 小首をかしげてダメ? だと。

 口に出さないならいい……でも、口に出しちまったら戦争だろうがっ……!

 鼻血を噴出させて身悶えたロキだが、かと言ってトップファミリアのエースであるアイズが弱小ファミリアに対して関わっていくという構図は色々とマズいのだ。

 

 個人ならいい。

 だがファミリアとなれば下種の勘繰りをしてくる輩はいくらでもいる。

 それにロキファミリアには敵も多い。

 故にロキが慎重に動く事は当然だろう。

 

 けれどもアイズのおねだりは結構な頻度で来るので、色々大変だ。

 そう言う感じで相談に来たロキである。

 懐も温かく、後顧の憂いも一切ない最近のヘスティアは、当初と違い神様ムーブを取り戻している。

 故にバブあじの籠った慈愛の表情でロキの相談に乗ったのだ。

 

 とは言え、神様ムーブは出来ても腹芸が出来る頭脳は無いので、結局腕組みしながらツインテールをあざとく上下するだけだったが。

 そこでライトが言ったのだ。

 

 メンツとかもあるなら、別にオレがサポーターとして参加しますでいいんじゃないの?

 

 ロキはポンと手を打った。

 パリイ! みたいな電球も出た。

 アンタがそうしてくれるなら嬉しいわーと、そうなった。

 

 ヘスティアが若干不機嫌になったが、ライトはまあ待てと押さえ、ロキを部屋の隅に連れていった。

 

 ライト「………………とか出来る?」

 ロキ「マジか。かなんなー。あーでもそうやね…………これならどや?」

 ライト「そう来ますか。じゃいっそ…………とか?」

 ロキ「…………ま、ええやろ」

 ロキ&ライト「「ユウジョウ!」」

 

 そうして話は纏まった。

 おいてけぼりのヘスティアとリリがポカンとしていたが、どっちも損は無いゴール地点が定められたらしい。

 

 そして数日後、未踏階層へのアタックを目的としているロキ・ファミリアの遠征だが、今回は戦術の習熟とバックアップメンバーとの連携向上を目的とし、50階層で帰還するというスケジュールで遠征が開始された。

 そこにライト・ニンジャがリリのリュックを借りて参戦した形である。

 

 ライトにはいくらでも物を持てる謎の持ち物スペースがあるが、なんかこう虚空から物を取り出す姿は実際キモイとリリに言われ、リュックを背負ってきたのだ。

 そして遠征は順調に進み、50階層に達した所で謎のモンスターが突撃してきた。

 

 予想外の出来事に遠征の隊列は分断。

 戦力が分散し、いきなりピンチとなったのだ。

 しかし強さガチ勢のアイズが吶喊。

 必死で隊を落ち着かせようと動いていたフィンが天を仰いだ。

 

 フィン「あ~もう滅茶苦茶だよ」

 ダンジョン「もう勝負ついてるから」

 

 そんな感じで。

 べートとかが必死でアイズのフォローに回るも、後衛陣の足並みがそろわず、そこに別のモンスターにバックアタックされ魔法の詠唱が何度も中断。

 あまつさえ混乱した若手メンバーが闇雲に振るったメイスがリヴェリアの後頭部を直撃。

 結果、魔法のエースであるリヴェリアはア【見せられないよ☆】ヘ顔で気絶。

 

 これはもう全滅もありうる、そんな状況だった。

 が、どうにか鬼の様な一喝で全体を落ち着かせたフィンの号令で、隊は後方に引いた。

 その辺はさすがトップファミリアの貫禄であろうか。

 

 だが吶喊したアイズ、それに付き合うベート。

 そして激しい戦いでバーサク化したアマゾネス姉妹が前線に取り残された形になっているではないか。

 これはマズいとフィンはガレスと二人で救出に行こうとした。

 

 ────まあ待ちな。ここはオレに任せろ。

 

 それはそれは勇ましく、ライトが登場した。

 ふう……などと物憂げに溜息をつき、巨大過ぎるリュックを降ろした。

 そしてライトは赤い閃光となり、膠着する前線に突っ込んだ。

 

 「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」

 

 まあ、いつものスリケンの連射である。

 当然相手は死ぬ。

 それでも以前までの敵とは違い、今回のは結構ガチ目にヤバいモンスターだ。

 流石に一投確殺は出来ず、数発投じて殺すという感じだったが。

 

 ただ身のこなしは流石だった。

 息をする暇も与えられずに触手や溶解液が飛び交う。

 そこをニンジャムーブで躱し、合間にスリケンを飛ばす。

 

 KABOOOOOOOM!!!

 

 そんなアメコミ調の効果音がしそうだ。

 

「ちょ、いやあああああああああッ!!!」

 

 そんな時だった。

 突っ込みすぎたティオナが孤立していたのは。

 ライトは懐をまさぐる。

 !?

 これまで数々のスリケンを投げてきたが、増やすのを忘れていた事に気付く。

 

 そう、慌てても遅い。スリケンの残り残数はまさかの1だ。

 これはライト・ニンジャ=サンのケジメ案件では? 作者は訝しんだ。

 だがしかし、このままではティオナの危険が危ない!

 

 そこでライトはとうとう解禁した。

 大地を踏みしめ手を上に翳す。

 緊迫した場面だというのに、フィン達の目にはまるで時間がスローモーションのように見えた。

 

 フィンは確かに見た。

 何も無い空中から深淵の底の様に黒く輝く異形の剣が降りてくるのを。

 ────くっ、これが本物の勇者だというのか……?

 圧倒的な気配に歯噛みをする。

 

 盛り上がっている団長さんには申し訳ないが、単純に持ち物からマサムネを取り出しただけなのであるが。

 ライトは思ったのだ。

 もしかして今のオレ、カッコよくね?

 手裏剣無くなったけどさ、後で増やせばいいからヘーキヘーキ。

 じゃ取りあえずマサムネで。そんな軽い感じだった。

 

 というか彼が密かに憧れていた英雄王。

 宝物庫から乖離剣を抜くときのあの感じヤバくね?

 なのでちょっとマネしてみましたという所か。

 

 そして満足したライトはティオナが囲まれる場所に吶喊し、一刀にて証を示すとばかりにザバーっとモンスターを処理。

 

 ────だがそのときふしぎなことがおこった。

 

 モンスターが断末魔の悲鳴をあげる中、最後の力を振り絞って溶解液をティオナに向かって飛ばした。

 これには残心したままのライトも完全には反応出来ない。

 だがティオナの姿はどうか。

 すべすべの褐色肌、綺麗な縦長のおへそ、幼さの残る愛らしい顔。

 こんなの傷つけたらあかんやろ。

 

 ライトは咄嗟にティオナを突き飛ばし、液体を顔で受けた。

 ジュウとメンポが溶ける!

 ここで思い出して貰いたい。

 このライトという男。

 普段のゲスっぷりで気付かないが、実はルーネス風のイケメンである。

 

 ティオナの目にはライトがこう映った。

 圧倒的な強さを持ちながら、それでも自分を身を挺して庇ってくれた。

 え、何? この感覚……ライトのあんなに綺麗な顔が溶解液でやけどを……もうバカなんだからっこんなあたしを庇って……トゥンク

 

 アマゾネスとは、強い男の種を欲するという。

 結果、ティオナのティオナがティオナった。

 

 さらに勘違いは加速する。

 見ればライトは地面に蹲っている。

 

 ……ああっ! ライトのダメージがっ! どうしよう。でもなんか、嬉しいなっ

 

 違うそうじゃない。

 ライトは見つけたのだ。

 何かって? 魔石をだ。

 

 ────うほっ、何この魔石凄いでっかいんですけど! いいよね? 貰っちゃっていいよね?

 

 フィン達に背中を見せながらこっそりと魔石を懐に入れた。

 そしてエリクサーを取り出しぐびり。

 まずい~もう一杯っ。

 これでヤケドも消えたのである。

 

 そんな事を経て、地上に戻った一行である。

 本題のアイズはライトのガチな感じを間近で見られたので満足したらしい。

 因みにロキとライトの間で交された報酬代わりの見返りだが、医療系の大手ファミリアであるディアンケヒトファミリアの紹介である。

 ロキファミリアはディアンケヒトファミリアと契約し、遠征の際のポーション等を購入している。

 

 そう、ライトは思ったのである。

 ミアハのところでは確かに売れている。

 だが待て、これじゃあ不公平だよなぁ?

 だったら公平にディアンケヒトの所にも売るべき、そうすべき(ゲス顔)

 欲をかいたのである。

 これが後にあんなことやこんな事に発展するが、それはまた別の機会に……。

 

 そうして地上に戻ったのだが、その翌日からティオナがケーキを焼いたと言ってヘスティアのホームにやってきた。

 ライト食べてっていうので食べた。

 不味くもないが美味くもなかった。

 どうやら初めて作ったという。

 

 その翌日は朝にライトが自室で目覚めると、何故か横にティオナが一緒に寝ていた。

 慌てて自分の様子を見る。

 見慣れた赤装束……うん、何もしてないな。

 

 こうしてアマゾネスの深情けを開眼させてしまったライトは、ティオナに懐きまくられ、ロキがキレた。

 とは言え本人は聞きやしない。

 結局もうどうにでもなれと匙を投げたロキ。

 

 そんな事があり、怪物祭に一緒に行こうと引きずられ街に出たライトなのである。

 ただそれを許すリリルカでは無い。

 この金づ……いや恩人はリリの物。

 ぽっと出の痴女になんか渡してなるものか。

 

 そう、暗黒面から引きずり出してくれたライトという男に、リリルカは執着している。

 実はその素養はあったのだ。

 彼女がどん底で欲したのは、自分を必要としてくれる誰かである。

 両親も酒に迷わされ死亡。ファミリアに自分の気持ちを吐露出来る仲間はいない。

 延々と終わりの無い孤独を生きたリリルカ、そこで培われた執着心は舐めてはいけない類いの物なのだ。

 

 故に”リリもついていきます^^”と満面の笑みでティオナと反対側のライトの腕に飛びついたが、それを後ろから最初は微笑ましく眺めていた我らがヘスティアマッマ、急な吐き気に思わずエズいた。

 危うくゲロインの不名誉を戴冠するところだった。

 ヘスティアには見えた。嘘を見抜く神の目で。

 リリルカの発する、ドロリとした黒い何かを……。

 

 そんな訳でライト君。

 念願のヒロインが出来たよ。

 めでたしめでたし。

 

 




ベル「オラリアに来て大変な事ばっかりだったけど、こんな気持ちになるなんて初めてだ! 身体が軽い、もう何も怖くないっ!」
ザニス「あー……坊ちゃん、こちら会計なんだがねえ」
ベル「なになに……ファッ!? 高っ、えっ、さっき奢ってくれるって……」
ザニス「一杯目はな(ゲス顔)」
ベル「ひ、ひぃっ……だ、誰か助けてッ」
ザニス「へっ、誰も助けになんか来ねえさ。あきらめな」

???「そこまでだっ」
ザニス「誰だッ」
???「フッ、神酒に身も心も溶け、余の顔を忘れた様だな?」カーン
ザニス「余だァ? なーに言ってやがる……ってハアッ!? あ、貴方はソーマ様ッ! ええい、ここに神様がいる訳ねえ。お前ら、神様の名を騙る不届き者だァ。出合え!切り捨てィ!」
ソーマ「未だそちの目は曇っているか。ならばかかってくるが良いッ」



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