【本編完結】原作に関わりたくない系オリ主(笑) IN ダンまち   作:朧月夜(二次)/漆間鰯太郎(一次)

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フレイヤ「とうとうあの子を手に入れたわ。純白の魂にいくつもの濁りが見える。けれどそれは脈々と鼓動をし、さらに輝きを与えている様ね。オッタル、後は任せたわよ」
オッタル「………………」スッ



サプライズパーティのサプライズ!って掛け声はダサい

「リリ、油跳ねるから気を付けろよ?」

「へへっ、じゃあ危なくない様に持ち上げてくれてもいいんですよ?」

「ったくしゃあねえなあホレ」

「わーいっ」

 

 唐突なイチャイチャから開始する今日のヘスティアファミリアである。

 ライトとリリルカは大きめのアイランドキッチンに生まれ変ったホームの厨房で、仲良く並んで料理に勤しんでいるのだ。

 

 ライトは何やら大鍋でスープを煮ており、その横の竃ではリリルカが何やら揚げ物に挑戦している。

 とは言え小人族であるリリルカは少しばかり高さが足りておらず、ライトに甘えては抱きかかえられて鍋の中を突いていた。

 

「ぐぬっ……ぐぬぬぬっ……」

 

 そんな二人の後ろでは、我らが主神ヘスティアが唇をかみしめながら眺めている。

 なんだよこいつら、主神をほったらかしでキャッキャウフフしやがって……

 おそらくそんな心境なのだろう。

 よく見ればツインテールがバッフバフと上下している。

 

 事の起こりは今朝の事だ。

 例のソーマファミリアの一件で最近は大人しくしているライトと、最近は時折ハイライトの薄い瞳で「らいとさま、逃しません……」とどこかの絶対嘘許さないガールの様にライトの後ろをついて歩くリリルカがリビングでのんびりとココアを飲んでいた。

 そこに二階から降りてきたヘスティアはバン! とテーブルを叩くと言ったのだ。

 

「ファミリア会議をするよっ!」

 

 ライトとリリルカは顔を見合わせるとまたココアを飲む作業に戻った。

 

「は、話を聞けー! 最近のボクは影が薄いっ! そう思わないかいっ!?」

 

 この神様は何をいきなり自虐かましているのか、ライトはヤレヤレと首を振った。

 それが余計に彼女の逆鱗に触れたらしい。

 

「今日の昼、やるの! ファミリア会議をや・る・の・っ!!」

 

 結局そうなった。

 訝しんだリリルカが理由を聞けば、どうも最近自分の扱いがぞんざいな気がする。

 何かこうとても寂しいから構ってほしい。

 

 ヘスティア「あの、すみません、お願いが」

 ライト「なにかな」

 ヘスティア「ボクを構って貰っていいでしょうか?」

 ライト「構う?」

 ヘスティア「はい」

 ライト「あー……判った、そういうことか……」

 ヘスティア「いいでしょうか?」

 ライト「うーん……ボッチ、ってやつなのかな?」

 ヘスティア「うん……」

 ライト「しょうがないにゃあ……いいよ」

 

 掻い摘んで言うとこういう事だという。

 とは言え、冷静に考えてみるとこのファミリア、割と頻繁に一緒にいる事が多い。

 そもそもの人数が少ないし、そうなると自然と食事などは一緒にという流れなのだ。

 なのでライトからしても、何を今さらと思わなくも無いが、本人がそう言うのだしまあいいか、と言う事になった。

 

 ライトが一応、会議の議題は何かと聞けば、途端にしどろもどろになる所を見ると、とりあえず集まりたいだけと言う事が判明。

 なので慈愛の籠った優しい視線でライトは宣言をした。

 せっかくなので後回しになっていたファミリア結成のお祝いも兼ねて食事会にしようと。

 その瞬間、ヘスティアの表情がパアァァァ……と明るくなったのを見て、まあこれも悪くないと思うライトであった。

 

「じゃあ神様、買い物行ってくるね」

「神様いってきまーすっ」

「……………………」

 

 ホームを出て大きな買い物かごを持ち、のんびり歩くライトとリリ。

 そして商店街へと向かう。

 そこは裏通りの両サイドに天幕が並んだ市だ。

 地球風に言えば、パリでよく見かけるマルシェと言った感じか。

 

「おっ、ニンジャじゃねえか。今日も忍んでねえな! しっかし可愛い彼女と連れ立ってお買い物ってか? く~っ憎たらしいねぇ。ならほら、今日は鶏肉のいい所が入ってるぜ?」

「えー? そんな風に見えます~? 見えちゃいます~? ライト様、どうします?」

「あー唐揚げとかいいかもな。おっちゃん適当に包んで」

「毎度! 流石ニンジャ気前がいい! ほーら少しおまけしといたぜ?」

「……………………」

 

 ライトが通ればあっちこっちと声がかかり、その度におまけを貰う。

 結局商店街を抜けた頃には買い物かごはパンパンになっており、元々買うつもりだった以上の量になっていた。

 

 何故ライトがこれほど認知されているのかと言えば、普段彼は金の匂いを嗅ぎながら街をうろうろしているのだが、その途中で困っている人を見ると何となく手伝うのだ。

 例えば棚卸しをしている商店があれば、背が高いのを利用し、高い所の物を降ろしてやったり、年寄りがオロオロしていれば、世間話をしながら目的地まで案内をしてやったり。

 

 このライトという男、基本的には金にきたない小物であるが、割と社交性が高い。

 というよりも、地球から見ればここは異世界だ。

 今でこそそれなりに知り合いも増えたが、当初はヘスティア以外に濃い知り合いがいない。

 遠い親戚もいなければ、友人はおろか会社の同僚程度の付き合いがあった者もいない。

 オラリオの街並みは美しいとは思っていても、そこになんの想い出も無いのだ。

 

 ライトはそう言う孤独さから、人並みにはホームシックになっていた。

 そんな時に地元の人間と会話をするというのが存外楽しく、それを何となく繰り返しているうちに、こうして顔を見れば話しかけてくる人間が増えた。

 

「よっし買う物は買ったけどまだ時間も早いし、少しカフェで一服していくか」

「ほんとですかっ! 行きます行きます!」

「……………………」

 

 そしてライトは馴染のカフェのテラス席に座り、ニコニコしているリリルカと他愛も無い話をしながら、最近手に入れた葉巻をぷかりと燻らせた。

 

「えへへ、ライト様? なんかこれって、その、デートみたいですね?」

「んー? ああ、デートでいいだろ別に」

「ううっ……さらっと返さないでくださいよぉ……」

「フハハ、お子様め!」

「もーー! ライト様なんか知らないっ!」

「じゃあケーキはいらないのか?」

「うーっ! うーっ!」

「……………………あ、店員さん濃いエスプレッソをボクに下さい」

 

 そしてのんびりとした時間を過ごした二人は歩きだし、今度はアクセサリー等を売っている職人街に向かう。

 ライトは一軒の店にリリルカの手を引いて入った。

 

「お、ニンジャじゃねえか。冷やかしかい?」

「何言ってんだ。あれと、そうだな、こいつになんかブローチでも見繕ってやってくれ。こいつはフードをよく使うからな。留めるのにいい感じの奴を頼む」

「ふぇ? リリの、ですか?」

「ああ、お前もたまにゃあ着飾れよ。せっかく可愛い顔してんだし」

「も、もうっ! そ、そう言う恥ずかしいセリフは駄目ですっ!」

「お前ら見せつけんじゃねえよ。んじゃ嬢ちゃん、こっちきな。嵌める石を選んでくれ」

「は、はいっ」

「……………………」

 

 そしてなんやかやあって、二人は昼頃にホームへと戻ったのである。

 買ってきた荷物をアイランドキッチンの作業台に載せ、ほっと一息。

 

「デートじゃないかっ! た・だ・の・っ! デーーーートじゃないかっ!!」

 

 そしてヘスティア神の渾身のツッコミが炸裂した。

 二人を指さしながら、ダンダンッと地団太を踏みつつ。

 

「だいたいだね、ボクが後ろにいたんだからさぁ! ツッコもうよ! そ・こ・は・っ! ツッコもうよっ!!」

「……いやだって、面白かったし。なあ、リリ」

「ええ、神様。商店街の皆さんもほっこりしていましたよ?」

「くぅ~~~~~~っ!!! もう知らないんだからっ! ふんっ!!」

 

 ヘスティアの怒りが有頂天である。

 

 そして時間が勿体ないと料理を始めたライト。

 買ってきた鶏肉を一口大に切り分け、ボールにいれると酒やスパイス、調味料を入れて混ぜ混ぜ。

 

「リリ、しばらく馴染ませたら衣をつけて揚げてくれ」

「はいっ」

 

 そして手早く魚介類を下ごしらえし、その合間にトマトベースのスープストックを準備。

 どうやらブイヤベースを作るようだ。

 

「……えへんえへん。ぼ、ボクも手伝ってもいいんだよ?」

 

 まだそこにいたらしい。

 怒って帰ったんじゃ無い様だ。

 

「神様のその服に跳ねたら大変なので休んでいてくれよ」

「あ、うん、そうだね、ありがとう」

「よし、リリ。そろそろ揚げてもいいかも」

「わかりましたっ」

「じゃなくてっ! ボクも手伝ってもいいんだよ!?」

「あー……じゃあ神様にしか出来ない事をお願いするわ」

 

 ツインテールが嬉し気に揺れる。

 犬かな?

 

「そ、そうだよ。そう言うのでいいんだよ。で、どうすればいいの?」

「釜の温度を少し高くして」

「えっ」

「高 く し て」

「アッハイ えーい」

「ありがと神様」

「うん、うん…………あれ? ボクは火打石かな?」

 

 作業は続く。粛々と。

 白身のいい魚があったので内臓とウロコを処理したライトは下味をつけた魚を天板に載せて、卵白で固めた塩でドームを作りオーブンにいれた。

 あとは暫く蒸し焼きにすれば白身魚の塩釜焼きが出来るだろう。

 

 そうして結局は3時間ほど経ち、料理は完成した。

 次々とリビングのテーブルに色とりどりの料理が並ぶ。

 およそ3人では食べきれない程の。

 そして、

 

「さあ神様、グラスを持って」

「う、うん……」

「ふふっ、ヘスティア様、はやくはやく」

 

 マジックアイテムの灯りは落とされ、キャンドルの淡い光でリビングは照らされている。

 3人の影がゆらゆらと、まるで幻灯機のようだ。

 そしてリリルカと頷き合ったライトが立ち上がる。

 

「あーでは僭越ながら、ヘスティアファミリア団長のオレが乾杯の音頭を取ろう。今日まで色々な事があった。オレに巻き込まれて迷惑もかけたろうが、こうして曲がりなりにもホームを整え、これからは上昇していける準備が整った。個人的ながら、経緯は多少アレだったとしても行く宛てのないオレを拾ってくれた神様には感謝しかない。リリも同じだと思う。だから、貴方にはいつまでも笑って俺達を見守っていて欲しい」

「ら、ライトくぅん……」

「ははっ、少し湿っぽくなっちまったな。んじゃ改めて、オレ達の最高の神様と、ファミリアの繁栄を祈り……乾杯っ!」

「「乾~杯!」」

 

 こうして、当初のファミリア会議とは趣旨は違うが、ファミリアの結束を強める食事会は始まったのである。

 

「いやー嬉しいなあ~ボクは感激したよぉ。君たちみたいな家族を得られて、最高だなぁ」

「神様…………」

「何をしょんぼりしているんだい? リリルカ君。君はもうライト君とボクの家族なんだよ。君の過去の事は知っているさ。でもね、ボクらは未来に向かって歩いているんだぜ? だったら昔なんか関係ないよ。ライト君だってそうだぜ?」

「なんだなんだご機嫌だなあ。分かったから恥ずかしい事言うんじゃないよ」

「へへっ、見なよリリルカ君。ライト君が照れてら」

 

 和やかな宴は続く。

 3人とも酔いも気持ちよく回り、気だるげに会話を楽しむ。

 ライトの料理も好評だったようで、ヘスティアもリリルカも夢中で食べた。

 それを微笑まし気に眺めるライト。

 だが、そんな時だった。

 

「そう言えばライト君、リリルカ君に、その、綺麗な、あ、アクセサリーをプレゼントしていたね」

 

 目を伏せながらヘスティアはそう言った。

 

「はい、綺麗な赤い石のブローチですっ」

「そっかーいいなぁ……なんか羨ましいや」

 

 頬杖をつきながらグラスを揺らし、酔いで気だるげな目。

 ────神様なのに何を言ってるんだろう。

 そんな風に苦笑いをしながら。

 

 神様だから、彼らを見守るのが仕事なのに。

 だけど二人の姿を見ていると、いつも羨ましく思っていた。

 駄目なのになー。

 子供たちと神様は、同じ時間を生きられないから。

 そんな事思っちゃダメなのになぁ。

 

「ははっ」

「ふふふっ」

 

 そんなヘスティアを見ながら、ライトとリリルカは顔を見合わせ笑った。

 

「な、なんだよぅ。意地悪しないでくれよ~」

「だってなあ?」

「はい、リリ達の神様は可愛いですっ」

「なんだいなんだいっ子供扱いしないでおくれよ!」

「あー……神様よ。これやるよ」

「へっ?」

 

 ライトがすっと懐から出したのは、綺麗に包装された小箱だった。

 青いリボンのかかった化粧箱。

 

 ヘスティアはニコニコと自分を見ている子供たちと小箱の間に視線を動かし、そして開いた。

 

「……これは」

「なんつーか、ペンダントトップをハート型に加工したんだ。ピンクダイヤをカットしてな。神様、アンタはその謎のヒモをいつもつけてるだろ? その胸のところがいつも落ち着かないからこれを付ければいいアクセントになるかなーってな」

「ううっ、ライトくぅん……で、でもいつ買ったんだい? あの店じゃリリルカ君のしか頼んでなかったじゃないか……」

「そらお前、オーダーしたのは随分前だもの。リリと一緒に色々デザインをどうすっかとか話し合ってだなあ。丁度完成したって連絡があったから、丁度いいし今日の食事会を口実にしたんだよ」

「ええ、結構悩みましたよねー。結局ライト様がこれもダメ、あれは派手すぎるとか大騒ぎでしたから」

「うるへー! そう言うのはいいんだよ!」

 

 そしてヘスティアの涙腺が決壊した。

 ライトとリリルカを一緒に抱きしめ、鼻水をたらしながら二人に頬ずりをしたのだ。

 そして、

 

「ら、ライト君? えっと、その、君にこれをつけて欲しいな?」

 

 ヘスティアが照れを隠す様にライトの前に立った。

 

「ああ、いいよ。それ貸してくれ」

「うんっ!」

「えっと、留め金をこうして、ちげえ、小さいから外しづらいなこれ……」

 

 むにゅん、むにゅんむにゅん♡

 

「あ、やべ。手が滑って神様のおっぱいをこれでもかと鷲掴みしちまった」

「だ、台無しだよーっ!」

「いいな~リリも揉みます~!」

「な、なんでだよ~!」

 

 こうしてヘスティアファミリアの輝かしい門出は確かに始まったのである。

 眷属二人に延々と乳を揉みしだかれながら……。

 

 

────────────────────────────────

 

おまけ その頃のロキファミリア

 

「おっしゃー! ほなやるで。ええかママ、うちが見事的に当てられたら、一晩アンタはうちと添い寝してもらうで!?」

「ふぅ、いいだろう。あの的に当てられたならな?」

「そんなん楽勝や! 天界にいた時は4番ピッチャーロキが定番やからな。今流行りの二刀流やで? こんなん目ェつぶっててもできるわ」

「ほう? 言ったな?」

「言ったがどうした! ほなラウル、ちゃっちゃと投げて来いやー!」

「了解ッス! 行きますよ~」

 

 さて、ロキファミリアの練兵場では主神であるロキが木製のバットを手に仁王立ちしていた。

 事の起こりは昨晩の夕食時にさかのぼる。

 

 酒好きで酒乱の気があるロキ。

 さらには気に入った相手なら性別なんか関係なく絡む。

 その様はさながらセクハラ親父のそれである。

 主神という立場を考えれば、そこにパワハラも加わる。

 併せ一本でアウトである。

 

 その毒牙はファミリアが大きくなるにつれ、日に日に拡大していく。

 大っぴらではないものの、いくつもの苦情が副団長であるリヴェリアの元に寄せられたのだ。

 特に剣姫アイズはその被害が大きい。

 

 そこでリヴェリアは一考をし策を練った。

 なあロキよ、我々と勝負をし、勝つ事が出来たら、好きな相手とお酌または添い寝をするっていうのはどうだ?

 逆に勝てなければ我慢をする。

 これならどっちにもフェアだろう? と持ちかけたのである。

 

 よっしゃ! これでアイズたんのすべすべ肌はウチのもんや!

 

 そう吠えたロキであるが、じゃ何で勝負するという話になった。

 実はロキファミリアではまだ規模が小さい頃にロキが提唱した遊びが浸透していた。

 

 ────やきう

 

 そう言う名前らしい。

 9人ずつに分かれ、バットとボールを使い点を取り合うという競技だ。

 その起源は神代まで遡り、当時は王を決める儀式として知られていた神聖な競技らしい。

 

 だが実際にリヴェリア達がやってみると、思っていたよりも面白かった。

 それ以上に身体の色々な場所を使う為、遠征前に身体の調子を整えるには最適だったのだ。

 ただ18人も直ぐには集まらないので、変則的なルールであるトライアングルベースと言う特殊ルールをロキファミリアでは採用していた。

 

 勝負の方法に選ばれたのは、リヴェリア達眷属側が守備、ロキが攻めとして、練兵場の端の壁に設置した的にロキが打ったボールを当てる事が出来たなら勝ちと言う物だ。

 そして10球で判定をする。

 

 中々難しいそうであるが、ロキは本当にやきうが上手い。

 故にこれを受け入れた。

 

 そしてピッチャーに選ばれたのがラウルである。

 ヒューマンながらこれでもレベル4だ。

 ファミリア内では自分の事を実力不足であると内罰的な判断をしており、現在は遠征時のサポーターなどを担当している。

 だがやきうの場合はそうじゃない。彼は中々にいい肩を持っている。

 

 ロキは不敵な笑みを浮かべながらバッターボックスに入る。

 ブンブンとスイングをすると、なるほど、自分で言う通り、中々やりそうである。

 実際ロキは天界では名の売れた選手で、スイッチヒッターとしても有名だ。

 と言ってもメインは右打席ではあるが。

 

「ほなやろか~。こいや!」

「行くッス。うりゃぁ!」

 

 ブンッ

 

 ラウルのインコースをえぐる速球をロキは見事にミートした。

 そしてボールは綺麗なラインドライブで一直線に的へと向かう。

 息を飲む眷属さんチーム。

 

「あっかーん。ちょっとばかし差し込んでもうたわ」

 

 残念そうに嘆息するロキだが、ボールは的のすぐ横にめり込んでいた。

 眷属さんチーム、ロキのエグい打球に全員青い顔である。

 ニヤリと笑うロキ。

 

「ああ、すまんロキよ。少し作戦タイムを取っていいだろうか?」

「別にええよ? ナンボでもしてくれて構わんわ。どうせウチが勝つんやし。イッヒッヒ」

 

 眷属さんチーム、円陣を組みゴソゴソと相談を始めた。

 やがて、

 

「へっ? なんでアイズたん? どないしてん?」

 

 円陣から一人、アイズが歩いて来たではないか。

 そしてじっとロキを見て、

 

「おいロキ。左で打てや」

「ちょ、アイズたん何言うてんの? ウチはそんな言葉づかい許さんで」

「左で打てや」

 

 シーンと静まり返るグラン……練兵場。

 息の詰まる様な重苦しい雰囲気。

 

「上等やっ! やってやるわっ……っていやアカンアカン、これは勝負や。アイズたんには悪いが、普通にやらせてもらうで? 大丈夫、うちは冷静や。頭は冷静……よっしゃいくで。ラウル、来いや!」

 

 だがその時、アイズの形の良い眉毛が片方だけ上がった。

 

「ロキ、左で打てよ」

「なんやのホンマ。アイズたん堪忍してーな。そんな可愛い顔して2回目の挑発とかホンマ。これは勝負なんや、絶対に勝たなあかんねん」

「………………」

 

「やってやるわああああぁぁぁっ! アイズたんにまで舐められてたまるかいなっ! こいやラウルっ!!」

 

 そしてこの日以降、ロキのセクハラ被害は大幅に減ったという────。

 

 

 




オッタル「ベルよ、お前には俺と戦ってもらうぞ」
ベル「勘弁してくださいよ眷属になって早々だってのに。僕はダンジョンに行くので忙しい。冗談はそのキュートな耳だけにしてくれないかな?」
オッタル「……貴様」
ベル「腹を立てるとなにをするんだ? うさぎとワルツでも踊るのか」ハマキスパー

全く何が起こるかわかんないぜぇ~
ファミリア探してバベルに飛び込んでみれば、これがなんと可愛い子ちゃん
ついてる~って喜んだら、付録がいたよ、オッタルってゴッツいガチムチさ
こいつが何故か俺に戦え戦えとしつこいんだ
で、もち断ったさ
そしたら奴のアジト、ダンジョン中層の隠し部屋に連れ込まれた
ここで死ぬまで戦うんだと
どうしたらいいのこういうの?
次回、『猛者オッタル』でまた会おう


ヒント:ベル(CV野沢那智)

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