機巧ゴーレム
機巧ゴーレムとは、主に英連邦及び日本皇国の陸軍が配備する装甲魔導兵器である。
機巧ゴーレムは騎兵や竜騎兵に替わる兵器として、また塹壕戦車に優越する兵器として、イギリスで開発された。
1919年新兵器の開発に当たって、いくつかのプロジェクトチームが発足した。
大まかに別けると、[魔法]を取り入れる事を前提として、これまでの技術を[魔法]で補助するとしたグループと、[魔法]を主軸としたグループだ。
機巧ゴーレムを開発したアレックス・ライドマン率いるチームは後者に属した。
ユダヤ系であったアレックスは開発当時、既に独自の[魔法]技術を確立させつつあったユダヤ人の導師[ラビ]*1の[ゴーレム術]に目をつけ、彼らを招聘した。
チームに招かれた[ラビ]ヨシュア・イブラハムは到着後早速[ゴーレム術]を披露した。
チーム最年少であったハンス・ベルモンドはその時の様子を
『ヨシュア師が杖で地面に
と語っている。
塹壕を軽々と超えて見せ、その存在を無用の長物としたゴーレムであったが、
1人の[ラビ]が作り出し維持・制御できるのは1・2体が限界で有る事。
[ラビ]からの[魔力]供給が途絶えるとたちまちに崩れてしまう事。
簡単な命令しか実行出来ず、命令を行うにも[ラビ]の声が届く距離でなくてはならず、戦闘となれば
そして何より素材が所詮土であり、最悪歩兵兵装でも撃破可能な事。
と言った問題が実際にゴーレムを使った検証で発覚した。
ゴーレムを使用した新兵器はお蔵入りかと思われたが、アレックスは塹壕を軽々と越える事の出来るゴーレムを諦める事が出来ず、ヨシュアと協力して[ゴーレム術]の改良に取り掛かる。
術式の起動ごとに土から作るのでは無く、既に形の出来上がっているものをゴーレムとする為に機体の開発を*3。
[ラビ]が[魔力]を供給し続けて無くとも良いように魔力炉の搭載を。
ゴーレムを複雑に制御する為の術式の開発を。
様々なアイデアを次々と試した。
機体の開発ではどうしても「土」から離れる事が出来ず、とある日本人技師の提案で「陶器」を骨格に、金属製の強化骨格を施しその上に装甲を貼り付けた。
また、機動力を得る為に元々騎兵や竜騎兵の代替え兵器であった事から、伝説に登場するケンタウロスの姿を模した人馬一体型とした。
この時、最初は馬型ゴーレムの上に人型ゴーレムを載せるとされたが、生産性の問題や馬型の頭や人型の下半身が必要性が低いとされ、ケンタウロス型となった。
機体のゴーレム化の為の[魔力]を安定供給する為に、日本皇国と交渉して引っ張って来た魔力炉を搭載*4。
ゴーレム制御術式はマリオネットを参考に開発された。
他のチームに遅れる事半年、アレックスのチームは機巧ゴーレムを完成させた。
塹壕戦車を発展させた他チームの機体と比べ、全高こそ遥かに大きくなってしまった機巧ゴーレムであったが、機動力に優れ塹壕を軽々と超えられる事、他チームのものよりも口径の大きい砲を保持出来る事等が評価され、採用が決定された。
【Knight-type】や【甲型】と称される機巧ゴーレムの誕生である。
○
Soldier-type/乙型機巧ゴーレム
乙型機巧ゴーレムとは第二次欧州大戦(第二次世界大戦)の際、市街地での戦闘で甲型機巧ゴーレムの機動性が活かせず、撃破される可能性が有るとされ*5開発が進められた完全人型の機巧ゴーレムである。
日本皇国でも開発が行われており、【太陽神の使い】こと異世界方面軍にも試作機が数機配備されていた。
丙型機巧ゴーレム
日本皇国海軍が揚陸潜水艦に搭載する為に開発した機巧ゴーレムで水陸両用機。
市街地戦闘用に開発された完全人型の機巧ゴーレム、乙型をベースに耐水圧改造を施された機体。
胸部に動力である魔力炉を持ちコクピットは腹部に有る。
推進には[カラステング]を利用したウォータージェットを使用し、腰の両側に角度変更が可能な推進器を持つ。
また、この推進器は地上でもある程度の移動能力を持つ(機体自体が空力効果を考えられていないので、飛行は出来ないが主脚で行うジャンプより高く跳んだり、咄嗟に飛び退くのに使える)。
万が一に備えてパイロットは、宇宙で使われる船外作業服(陸軍の術式甲冑がベース)を基にしたパイロットスーツを着用する。
丁型機巧ゴーレム
丙型をベースに、水中では無く宇宙での運用を前提に開発された機巧ゴーレム。
胸部に魔力炉を内蔵した船型パーツを埋め込む事によって[アメノトリフネ]を用いた推進が行える様になった。
長年の改良の結果遂に方向性の制御に成功した[アメノトリフネ]の光翼は後ろに流され、背中に露出したコーン状のパーツから放出される。
腰の推進器は内燃式の物に変更されている*6。