東方崩壊録   作:才原輪廻

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始めましての人は、始めまして。こんにちはの人はこんにちは。
四宮子音です。
他の作品を書いているのに、この作品を書いたのは作者の気紛れです。((おい
でも読んでくれると有り難いです。
それでは皆さん、ゆっくりしていってね!


プロローグ(前編)「別れに悲しみのスパイス」

私が幻想入りする二日前、私はある準備をし、着替えていた。

着替えと言っても、コスプレなんて物じゃない。

コスプレなんてしたら、むず痒くなると母に教わったぐらいだ。

そして私は髪を解き、前髪をバンダナで上げ、風呂場に向かった。

今私がしていることなんて、人間だったら納得するだろう。

でも、私は…人間じゃない。

 

 

 

 

           私は“妖弧”なのだから

 

 

 

 

 

一時間後、私は二年前に仲良くなっていた、コスプレに使う服と武器を扱う店を営む女性に会いに行った。

もちろん、私が着るものではない。

 

 

「いらっしゃ~い…あら?!久し振りね~元気にしてた?」

 

 

彼女の名前は、神堂エミリ。コスプレ専門店「Grolias Night」を営む若き店長だ。

 

 

「エミリ姉さんお久し振りです。私はこの通り元気ですよ!それで、例のものは?」

 

 

「フフッ…もちろん作ってあるわよ。女物一つと男物二つでいいわね?」

 

 

彼女から手渡された物を確認し、袋に入れると、壁に立て掛けてあるものに目を付けた。

 

 

「エミリ姉さん、これも持っていっていいんだよね?」

 

 

私の視線の先にはそれぞれ色も形も違う武器が四つ立て掛けてあった。

 

 

「もちろんよ。ああ、それとね。」

 

 

彼女はカウンターから何か大きいものを取り出した。

 

 

「……?それは?」

 

 

それは、全体が黒く染まっている箱であり、側面には白く幾何学模様が描かれていた。

 

 

「ふっふっふ…これこそ君にぴったりな道具…!製作に二年もの歳月を懸けた品…!」

 

 

「…前置きはいいから早く言って。」

 

 

そう言いながら私は彼女にチョップをくらわした。

 

 

「う~…分かったわよ…それじゃポチッとな」

 

 

彼女がボタンを押すと、プシューッと音を立てながら、箱が開きだした。

中には、黒と銀に染められ繋がっていない鎖の着いた四つの枷と、分厚そうな本と、数万本の種類の違うカラフルなナイフが入っていた。

 

 

「…アハハハハッ!流石はエミリ姉さん!殺人鬼の私にはピッタリだね!」

 

 

そう、私はサイレント・キラーと日本で恐れられている殺人鬼だ。

 

 

「…まあ、貴方に喜んで貰えて良かったわ…。」

 

 

彼女は、いそいそと大きな鞄に全部入れようとしている私を見て溜息を着いていた。

 

 

「ねえ貴方、時間は大丈夫なの?」

 

 

「…え?…あっ、ヤバイッ!」

 

 

私が時計を見ると、もうすぐ午後一時になろうとしていた。

 

 

「百合江ちゃんに会いに行かないと!エミリ姉さん、料金は友情って事で!」

 

 

「分かってる。さあ、早く行きな。後…」

 

 

ポイッと彼女に投げられたのは、まが玉の形をしたペンダントだった。

 

 

「これはおつりだ!持って行きな!」

 

 

「…はいっ!」

 

 

彼女が去っていった後、エミリはこう呟いていた。

 

 

「何が友情よ…これから出ていく人みたいな言い方じゃないか…」

 

 

そう言いながらエミリは、泣きながら店の中に入って行った。

 

 

 

エミリの店から出て一時間後、私は屋敷の前に来ていた。

 

 

「つ…着いた~」

 

 

私は息を切らせながらインターホンを押した。

 

 

「は~い、開いてるから入っていいよ~」

 

 

私は大きな扉を開け、中に入った。

までは良かったのだが、急に

 

 

「久しぶり~!会いたかった~」

 

 

と、言い、私に抱き付いてきた。

 

 

彼女の名前は祭恩寺百合江。世界屈指の財閥であり、政界に口出しする、祭恩寺財閥の令嬢だ。

見た目は、少し小柄で、白のワンピースの上に男物のコートを羽織っている少女だ。

目に付くのは、日本人とは思えない、金髪に赤い眼をしていた所だろう。

 

 

「久しぶりね、百合江ちゃん。大きくなったわね?」

 

 

と言いつつ、少女の頭を撫でる。

 

 

 

「えへへ~、お姉ちゃんは縮んだ?」

 

 

うぐ、なかなか痛い所をつくようになるとは…

 

 

「…お菓子あげないわよ?それで、頼んでおいたのは出来た?」

 

 

「う~、ごめんよ~、今のは前言撤回するから…もうすぐだよ、着いてきて」

 

 

二人は、世間話をしながら屋敷の地下に向かった。

 

 

「ああ、そういえば。街(バットカインド)達は元気にしてる?」

 

 

私は、地下に向かいつつ思い出したことを口に出した。

 

 

「元気だよ、有り余るくらいにね。今日は皆いるかもしれないからさ、行こ?」

 

 

そう話しているうちに、大きなドアの前に着いた。

 

 

「さて、入ろうか。皆居るかなぁ?」

 

 

彼女はドアを開け、私は中に入る。すると、

 

 

「「お嬢様おかえりなさい!姉さん久しぶりです!」」

 

 

六人程の男達がパソコンや、武器が沢山ある部屋の中で大きな声で挨拶する。…うるさい。

 

 

「ただいま、優君、圭兄、ぐっちゃん、吉城さん、典っち、鷹さん」

 

 

そう、百合江と彼らは、ハッキング集団【Bad Boys】と呼ばれている。

 

 

「久しぶりね、皆。…軋紀君、大変ね?」

 

 

「もう慣れました。って、グエッ…隆典、急に乗るな…。」

 

 

隆典と呼ばれた青年が嫉妬を露にし、

 

 

「軋紀兄が姉さんと喋ってるからだよー。」と言って、体を揺する。

 

 

「止めとけ、隆典。軋紀の苛立ちが頂点に達しそうだ。」

 

 

私が軋紀の方を見ると、体から湯気が立っていた。

 

 

「軋君、怒ると怖いからな~。」

 

 

「と言いながら、優吾。お前も乗ってるじゃないか。」

 

 

私から見ても、これは微笑ましい景色だ。すると隅の方から、

 

 

「皆、遊んでないで仕事しようよ。」

 

 

と、冷ややかな声が聞こえてきた。

 

 

「ほら、さっさと降りろ。姉さん、情報を消して欲しいのは、姉さんと、この三人?」

 

 

軋紀に渡されたのは、一人の女性と二人の青年の映る写真だった。

 

 

「そうよ。貴方達、仕事速いわね」

 

 

「「あざーっす!!」」

 

 

やはり、うるさい

 

 

「そして、お嬢様がスイッチを押すことで、情報は消去…されます。」

 

 

…百合江が悲しい顔をしたのは、誰から見ても事実だった。

 

 

 

 




次回予告!
ある日、幻想入りするためのコスチュームや武器を買った女性。
その後、ある屋敷に向かった彼女は、祭恩寺百合江が率いる、ハッキング集団【Bad Boys】と出会う。
その時、出会った少女に約束したものとは!
次回、プロローグ後編「その友情に乾杯」
次回もお楽しみに~!
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